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妖怪御殿のとある一日 引っ越し後8
18禁
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う〜んと、この服の束は恋心姫君と煤鬼君の部屋に届けてっと……
あ!今日は畳み終わった洗濯物を配達中の、妖怪研究家兼妖怪、麿拙者麿だよ!
ここの皆って、結構着る服の系統が違うからどれが誰の服か分かりやすいよね!
恋心姫君と煤鬼君に至っては服のサイズでも分かりやすいしね!
なぁんて言ってる間に彼らの部屋に到着!渡してあげよう……ん?

「煤鬼!最近あんまりえっちしてなかったから、今日はいっぱいえっちしましょうね!」
「おう!」

ぅおっほ!?マズイ時に、来ちゃった!出直さないと!出直さないと!
まだほんの少ししか戸、開けてないし!そっと閉めないと!

「あ!でも待って!妾自分で脱ぎます!今日の着物はお気に入りなので!」
「破いたりせんぞ?」
「煤鬼はえっち張り切ると破いちゃうじゃないですか!いいから、じっとしててくださいね?」
「む……そう言うなら眺めているけれど……」
「…………」
「…………」

違うんだ!覗くつもりは無いんだけど……!!う、動けなくて!!
す、煤鬼君、なんか目に見えてソワソワウズウズしてるし!
え!?これ関係ない!?

「……こ、恋心姫、まだか?」
「!!……まだですよ。もう少し待って」

ほら、恋心姫君もあからさまに脱ぐの減速したし……え!?これも関係ない!?

「……えらく、もたつくなぁ。いつももっと……ちゃかちゃか脱げるだろう?」
「気のせいですよぉ」

恋心姫君、ゆっくりゆっくりながらも、全部脱いじゃった……!!
わわわ分かってる!もう立ち去ります!立ち去りますから!!

「もう、いいか?」
「まだです」
「嘘をつけ……もう全部脱いだじゃないか……」
「まだダメですよ」
「さ、さては……わざと、焦らしてるな?
あぁ、そんな生意気なマネをして……恋心姫が大変な事になるぞ?」
「ふふっ、怖ぁい!それなら、永遠に“もういいよ”できませんね?」
「こ、恋心ひ……」
「煤鬼」

あ……

「そんな可愛いお顔しないで?冗談です。貴方のお好きなだけどうぞ

でっ、出直してきまぁぁぁああす!!

******************

別の日の妖怪御殿。天気は快晴。
桜太郎は家事の一環として、恋心姫と煤鬼の部屋に向かっていた。
(恋心姫は麿さんと遊んでいたし、煤鬼もぬぬと買い出しに行ったし……
二人のいない間に部屋の掃除をしましょう……)
そう思って部屋の前までやってきて、戸に手をかけようとした桜太郎。
しかし……
「んっ……あっ……
「!?(恋心姫……?)」
中から聞こえてくるただならぬ声に、思わず戸を少し開けて中を確認する桜太郎。
「あっ、んっ……すす、き、すすきぃ……
案の定、中にいたのは恋心姫で、布団に突っ伏してモゾモゾ体を動かしていた。
下半身に手を潜り込ませつつ何かに擦りつけているようだ。気持ち良さそうな声を上げている。
「ひゅっ……んんっ……ふぁ、あぁあ……
弟のように我が子のように可愛がっている、幼い恋心姫の性的な場面に遭遇してしまった桜太郎は、
顔を真っ赤にしてオロオロと思考を巡らせる。
(あれは……明らかに……ど、どうしよう、見ないふり……!?
いいえ、恋心姫は……止めた方が……!?)
「あぁ、あっ、すすきぃ……きもち……いっ……ひゅぁっ、そこぉぉっ……
(ぅ、あ……!!)
どんどん盛り上がっていく恋心姫の艶めかしい姿。
それを見ていると桜太郎も体が熱くなるのを感じた。
自分も同じように愛しい人の名を呼んで自慰に耽った事を思い出してしまう。
それに耐えられず、また、恋心姫のこんな姿も見るに堪えられず、とっさに勢いよく部屋に踏み込んでいた。
「こら!!」
「ひゅぁああっ!!?」
桜太郎の大声に驚いた恋心姫が、体をビクつかせる。
「あっ……あっ……!!」
恋心姫は桜太郎を見て言葉が出ないらしく、真っ赤な顔で目を見開いて口をパクパクさせていた。
そして、そんな恋心姫をぐいっと起こした桜太郎は白濁でドロドロになった煤鬼ぬいぐるみを拾い上げて怒鳴る。
「またこんなに汚して!そんな事ばっかりしてたら病気になって注射しないといけなくなりますよ!!?」
「!!?やっ……やですぅぅぅ!!!あぁあああん!!」
「あ……」
とっさに怒鳴りつけた嘘で泣き出した恋心姫を見て、罪悪感で胸がチクリと痛んだ桜太郎。
慌てて恋心姫の頭を撫でようと手を伸ばすと、恋心姫が抱き付いてきて不安そうにしゃくりあげる。
「うぇええっ!桜太郎!妾、病気になっちゃうんですか!?お注射しないと治らないんですか!?」
「そ、それは……まだ、大丈夫ですよ。これから気を付ければ……」
「煤鬼も!煤鬼は、妾よりいっぱい一人えっちしてると思います!煤鬼、病気になってるかも!!」
「だ、大丈夫……!!後で煤鬼も診てあげますから……ええと、お薬、あげましょうね」
「うっ、うぅっ!!桜太郎……ありがとうございます!妾達、これからは気を付けますね!!」
「…………」
桜太郎は罪悪感で胸をギチギチ締め付けられながら、恋心姫を安心させるように抱きしめて撫でていた。
その後、苦し紛れに薬だと称して金平糖を渡して……ホッとして喜ぶ恋心姫にさらに胸が苦しくなった。

結果、当然のごとく、しばらくして……
「おい!!」
「!!?」
煤鬼がズカズカと台所にいた桜太郎の元へ乗り込んできた。
桜太郎は呼びかけられてビクついたものの、ひたすら視線を逸らして平静を装うしかない。
「な、何か?」
「“何か”ぁぁ〜〜?ふざけるな!!」
バァンッ!!
勢いよく壁に手をついた煤鬼の……大迫力のいわゆる“壁ドン”で追い詰められる桜太郎。
冷や汗を垂らして縮こまると、煤鬼の怒った顔が覗き込んでくる。
「よくも恋心姫に嘘を吹き込んでくれたな!?
可哀想に……病気になると不安がって、泣きそうになって、
それでも必死で俺の身を案じてくれたぞ!?」
「す、すみませんとっさに……!!後で、嘘だと言い辛くて……!!」
「ハッ、自慰で病気になるならお前はとっくに病気だなぁ!?
薬を持ってきてやったぞ!さぁ飲めほら!!」
「んぐっ……!!」
強引に口の中に突っ込まれたのは、おそらく先ほど恋心姫に渡した“金平糖”で、
桜太郎はさらに煤鬼に怒鳴り責められる事になる。
「治ったかぁ!?治らんよなぁただの金平糖では!!
自慰大好き野郎の癖に自分の事は棚にあげおって!
お前が隠れて抜きまくってるの知ってるんだからな!?」
「っ、すみません……うぅっ、すみ、ません……!!」
怖いやら申し訳ないやら恥ずかしいやらで、顔を赤らめて涙を流す桜太郎だが、
それでも煤鬼の怒りはおさまらないらしい。
「この大嘘吐きのムッツリスケベ!!二度とくだらん嘘で恋心姫を不安がらせるな!
今度やったらお前が自慰狂いな事、麿にバラしてやる!分かったか!?」
「う、ぇぇっ……うぁぁあっ……!!」
「返事はどうした!?」
「うわぁあああん!!」
「泣いて誤魔化すな!男らしいのは自慰の時だけか!?」
「うううううっ!もうやめて!もうやめてくださいぃっ!わぁああん!」
「だから!泣いても――」
煤鬼が桜太郎の着物の襟を掴んだ、その時だった。
「煤鬼君?」
「何だ!?……あ」
苛立ち気味に勢いよく声の方を向いた煤鬼は思わず固まる。
麿が、目が笑っていない笑顔で立っていた。
「何してるのかなぁ〜〜??ちょっと僕とお話しようか?」
「いや、違っ……だって、桜太郎が……!!」
顔を覆って泣いている桜太郎と、笑顔で怒っている麿を焦って交互に見る煤鬼。
その体は、一瞬で麿の傍に生えた植物の蔓に絡め取られて、麿の方へ引き寄せられてしまう。
「ひっ!?ごめんなさい!麿!やめてくれ!お前のお仕置きは嫌だ!!」
「安心して。お尻打つのに植物は使わないから。でもごめんね、腕力に自信ないから道具は使うけど!!
さてぇ、ど・れ・に・し・よ・う・か・なッ!」
麿はそう言いつつも、勢いよく引き出しから大きめのパドルを取り出して、
「何で台所にそんなものがあるんだ!!?」と驚く煤鬼の体勢をお尻を出させるように変えて、
着物を捲って下着を下ろし、裸のお尻にパドルを思い切り振り下ろした。
バシィッ!!
「いっ、た!!ま、待て麿!話を聞け!!俺は悪くない!」
「え?帝さんを呼んでほしいって?」
「ぃ言ってない!!やめてくれ!!うあぁっ!!」
ビシッ!バシィッ!!
麿が容赦なくお尻を叩いて、煤鬼が痛がりながらも自分を縛る植物を外そうともがいていると、
桜太郎が慌てて声をかける。
「ま、麿さん、やめてあげてください!違うんです!
私が悪いんです!私が……恋心姫に嘘を言って怖がらせたから!!」
「え?そうなの?」
麿がキョトンとしたところ、恋心姫もそこへやってきた。
「煤鬼〜〜!おやつ見つかりました?あれ?」
「こ、恋心姫……!!」
お仕置き中の煤鬼を見た恋心姫は、
煤鬼の真っ赤な顔の正面に回り込んで、呆れ気味に声をかける。
「……どうしたんですか?おやつを取りに来て麿を怒らせるなんて、
この短い間によっぽど酷いオイタをしたんですか?」
「違う違う!!いいから見るな!向こうへ行け!」
「妾に何度もお仕置きされた事のある貴方が、今更恥ずかしがるのもおかしな話ですよ」
「うぅっ……!!」
「麿、煤鬼何したんですか?」
恋心姫が煤鬼の髪を撫でながら麿に尋ね、麿もやや困りながら答える。
「いやぁ、煤鬼君が桜太郎君を泣かせていじめてるように見えたから……
けど、桜太郎君が言うには自分が悪いからって……」
麿の言葉に続けるように、桜太郎がしゅんとして口を開いた。
「はい。ごめんなさい恋心姫……病気になるなんて嘘だったんです……
貴方を怖がらせてしまって……だから、煤鬼が怒って……」
「嘘だったんですか!!」
目を丸くして驚いた恋心姫は、すぐにニッコリ笑う。
「なぁんだ!病気にならないならそっちの方がいいですよ!
でも、ウソ言って脅かすなんて酷いです桜太郎!!」
「ごめんなさい……」
「煤鬼も、妾の為に怒ってくれるのはありがたいですけど、
桜太郎を泣かせたらダメですよ!どうせまた意地悪言ったんでしょう!?
そんなの妾、全然嬉しくないです!」
「す、すまん……」
「“すまん”、じゃありません!」
「ごめんなさい……」
桜太郎と煤鬼をそれぞれ謝らせた恋心姫は、今度は麿へ言った。
「そういうわけだったら麿、煤鬼のお仕置き続けていいですよ?妾、待ってますから」
「えっ!!?」
「でも……」
少し躊躇する麿に、恋心姫は背中を押す様に明るく笑いかける。
「家族に意地悪言って泣かせるのは悪い子ですものね。
嘘をつく悪い子の桜太郎も、後で麿にお仕置きされるんですか?」
「……そ、そうですね」
真っ赤になって顔を押さえた桜太郎。
煤鬼の方は足をバタつかせながら何か言いたげだ。
「恋心姫!お、俺は……!!」
「妾が貴方のお尻をぺんぺんすると、えすえむになっちゃいますからね。
麿のお仕置きで反省してください。見守っててあげますから」
「見なくていい!!」
恋心姫と煤鬼のやり取りに麿はふっと笑って、パドルを軽く握り直す。
「……じゃあ煤鬼君……もう少しだけね?」
「麿!お前!鬼め!!」
「鬼は君だよ」
「あぁああくそう!!恋心姫!早く!向こうへ――」
バシィッ!ビシッ!
「ひっ!!あぁっ!!」
再びお尻を叩かれ始めて悲鳴を上げる煤鬼の頬に、恋心姫が触れて、
優しいながらもどこか妖艶に、煤鬼に言葉をかける。
「いくら喚いても、妾、ここから動きませんよ。
煤鬼がいい子になるところ見ててあげるって言ってるでしょう?
真面目に反省しないと、麿も許してくれませんよ?」
「ふ……うっ……!!」
煤鬼は涙目になって息を詰めて……心底恥ずかしそうに叫んだ。
「何なんだこの状況はぁぁ!!やめろ!もうやめてくれ!
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいぃぃっ!!」
ビシッ!バシィッ!ビシィッ!!
ヤケクソで謝り倒す煤鬼が許してもらえたのは、その後しばらくしてからだった。
体が自由になるとその場にへたり込んで、息を切らせながら服を整え、お尻をさする。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ……うぅうう!!」
「ほら煤鬼、仲直りは?」
恋心姫にそう促されて、煤鬼は桜太郎の前に行き、表情を隠す様に大げさに俯いたまま、片手で桜太郎の手を握る。
「す、すま……ごめん、なさい。言い過ぎた」
「わ、私の方こそ……ごめんなさい」
桜太郎も空いている手を煤鬼の握手に添えて……
何とか仲直りできた二人を見て、恋心姫が嬉しそうに笑う。
「仲直りできて良かったです!麿、煤鬼は連れて行きますね!」
「うん。おやつはそこの開き戸の中だから」
「ありがとうございます!」
「うぅ……酷い目に遭った……」
げんなりする煤鬼が、おやつを持った恋心姫に励まされつつ、二人で手を繋いで去っていく。
麿と二人きりになった桜太郎がそわそわしていた。
「……麿さん、その……」
「……場所変えようか?煤鬼君の事、お仕置きしちゃったし……
彼だけってもの不公平だし……恋心姫君にああ言った以上は……ね?」
「いえ、そうじゃなくて……覚悟はできてるんですけど、あの……」
「とりあえず、行こう?歩きながら聞くよ」
「……はい」
桜太郎はそれっきり黙って麿に付いて歩いて行き、
麿と共同の自室に戻ってきて、畳に座った麿の膝の上に乗せられて、
ズボンと下着を下ろされて、お尻を丸出しにされても黙ったままだったので、麿が遠慮がちに声をかけた。
「う〜〜ん……桜太郎君、何か言いたい事あったんじゃなかった?」
「……あ、あの……」
「あはは、あんまり怖がらないで?
“手加減して”系のお願い以外ならなるべく聞くから、言いたい事は遠慮なく言ってくれていいんだよ?」
「……いえ、もう、今、言いたい事は無くなりました……」
「……そう。恋心姫君にどんな嘘ついたの?」
麿は優しい口調でそう言いつつ、手を振り下ろす。
バシィッ!!
「ぅあっ!あのっ……彼が自分で……あの、あれ、してる、ところ……見てしまって……
“そんな事ばかりしてたら病気になる”って……怒鳴ってしまって……!!」
「えっ!!?あっ、そっか……!!」
「麿さんは、許してくれたのに……私の事、あの時、許してくれたのに……!!
恋心姫を、泣かせてしまった自分が情けない……!!
煤鬼が怒るのも無理ないんです……ごめんなさい……!!」
「(桜太郎君はそういうところ、潔癖だからなぁ……)恋心姫君の事、心配しちゃったんだね……」
涙声で反省してる桜太郎に、思わず叩く手を緩める麿。
パンッ!パンッ!パンッ!!
「あっ、うっ!それも、そうなんですけど……だけど……!!
私やっぱり……んんっ!自分の、都合で……!!」
叩かれるたびに声を詰まらせながらも、桜太郎は一生懸命言葉を続ける。
「自分の事、思い出してしまって……!!
私も、っ、麿さんの事、思って、あっ、あんな事してるの、思い出して……!!
何だか、麿さんに対してまた、邪な感情を抱きそうになって……!
いてもたっても、いられなくなって……!!」
桜太郎の必死の告白を聞いて、麿は真っ赤になった。
(さ、桜太郎君、さりげなく僕をオカズにオナニーしてる事、暴露してるけど……!!
い、言わないであげよう……本人も気づかなきゃいいけど……!!)
「ま、麿さん……!!」
ドキドキと考えていた麿は、縋る様に名前を呼ばれて我に返る。
「ハイッ!!あ、あのっ……恋心姫君はまだ、小さいし……
僕らの言う事は信じちゃうところがあるから、騙すようなのはやめてあげようね!?」
パンッ!パンッ!パンッ!!
「ひゃっ、ごめんなさい!分かりました!!」
(……とはいえ、桜太郎君は恋心姫君にも煤鬼君にも謝ってるしなぁ)
桜太郎のお尻をパンパン叩きながらも、
素直な桜太郎の態度にあまりこれ以上叩く気にもなれなくて、
「もうしない?」
「も、もうしません!!」
「なら、もう終わりね」
サラッとお仕置きは終わらせてしまった麿。
桜太郎を膝から下ろしてあげると、服を整えてやや涙目で恥ずかしそうに頭を下げた。
「ご、ご迷惑を……おかけして……」
「迷惑じゃないよ。桜太郎君だって、僕が悪い時は一生懸命叱ってくれるじゃない。
僕も、同じようにしてあげたいんだ」
「麿さん……」
「別に、僕に邪な気持ちを抱いたって気にしないでいいからね?恋人同士なんだし……」
「…………」
「…………あ」
言った事に気付いた時にはもう遅かった。
無言で赤くなる桜太郎に、麿は内心大絶叫する。
(あぁああああ!!余計な事言ったぁあああああっ!!)
目の前で、お仕置きでは泣かせなかった桜太郎がボロボロと涙を零し始めた。
「ごっ、ごめんなさい……ごめんなさい……!!」
「いやっ、違う……僕が言いたかったのは……!!」
「き、気持ち悪い、ですよね……麿さんを、ダシに、自分で、って……私っ……
麿さんがイヤラシイのは責めて、偉そうな事言ったのにぃぃっ!!」
「気持ち悪くない!!気にしないでホントに!!泣かないでいいから!
僕も桜太郎君の事考えて一人でしちゃう時あるし……ってあぁあああああっ!!」
「!!?」
麿の二度目の絶叫。
けれど、(いや、謝らない!ここで謝ったらダメだ……!!)と、精神を持ち直して桜太郎にこう尋ねた。
「こう言われて、気持ち悪い?」
「……ドキドキ、しました……そっか、麿さんも……こんな気持ちですか……?」
「そう!そうだよ!もちろん!もちはもちでもオフコース!!」
「よかっ……た……!!」
ホッとしたように泣きながら笑う桜太郎。
麿も赤くなりつつ、自然と桜太郎の頭を撫でた。
そしてここで、勇気を持って押してみる。
「その、さ……せっかくなら……今後そういう気持ちになったら二人でどうにかしない?
その方が節約になるって言うか……いや、節約って何だろう??!待って、ごめん、あの、
ほら!キスの練習も全然できてないし!ラブラブパフェを食べに行く時に困るから!!あの、そのっ……!!」
途中からしどろもどろになる麿の手を、桜太郎が力いっぱい両手で握る。
そして、真っ赤な顔で目を固く閉じて俯きがちに、震える声でこう言った。
「これ、から……色、々……ごっ……ご指導……よろしく、お願い、いたします……!!」
「は、はいッ!!こちらも不慣れ故、至らぬ点も多多ございますと思いますがッ!
精一杯頑張らせていただきますッッ!!」
と、お互い真っ赤になりながら、固く両手で握手を交わした麿と桜太郎だった。


【おまけ】

ぬぬ「誉……(今年の初夢は俺が誉を抱く夢だった。誉、とても可愛かった)」
帝「は??」
ぬぬ「……もう大丈夫。今、心の中で言った」
帝「はぁっ!?いや、声に出して言わんか!気になるだろうが!」



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【作品番号】youkaisin8

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