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妖怪御殿のとある一日 引っ越し後3
※ちょいエロ
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はいはーい!皆元気かな?
妖怪研究家、兼妖怪の麿拙者麿だよ!
今日はね、何故か物資供給で“大人のおもちゃとボンデージ”が届いたから
皆がボンデージを試着して家の中がヤバい事になってるよ!
恋心姫君は警察が動きそうな勢いだし、
煤鬼君はそっち♂系のビデオに出られそうな勢いだし、
帝さんは妙にしっくりきてて恐ろしい雰囲気倍増の勢いだし、
ぬぬ君はサンバでも踊りそうな勢いだよ!!

僕と桜太郎君?
着てないよ!!

ウッホホイ!こりゃあ、いよいよエロ御殿の本領発揮かな!アハハハハハハ!!
うん分かる?
僕、錯乱してる!!

うわぁああん!僕と桜太郎君だけでこの状況を止められるかなぁ!?

******************

そんなボンデージ祭の妖怪御殿。
首輪と両腕輪を細くて長い鎖で連結し、なおかつ首輪とビキニパンツを
細いベルトで一直線で繋いだような黒のボンデージを着て座っている煤鬼が、
ピンクの網の目の様な、いわゆるハーネスタイプのボンデージを着た恋心姫を間近に立たせて嬉しそうにまじまじと見て言った。
「恐ろしいほどそそるなぁ、恋心姫……
「ありがとうございます 煤鬼も可愛いですよ?
「そうか?
お互い官能的な表情で褒め合う恋心姫と煤鬼。
すぐにでもファイト一発始めてしまいそうなラブラブ濃度だ。
「妾、今すぐ煤鬼の事“えすえむ”でお仕置きしたくなっちゃいました
「待て待て。恋心姫がお仕置きする役だといつ決めた?
俺だって恋心姫を“えすえむ”でお仕置きしてやりたい。ここはじゃんけんでお仕置きする役を決めよう」
「いいでしょう……負けませんよ!」
真剣な顔で二人はジャンケンを始め……
「「じゃーん、けん、」」
「「「ぽん!!」」」
お互いパーを出す恋心姫と煤鬼……と、何故か出現した三本目の手がチョキを出して勝利している。
その手の持ち主は
「どうやら、私が“お仕置きする役”のようですね」
にっこりと反対の手にしゃもじを持って笑う桜太郎で、恋心姫と煤鬼は慌てて反論した。
「さささ桜太郎……!これはお遊びのお仕置きだから、本気で痛くしちゃダメなんですよ!?」
「だっ、大体お前、“えすえむの服”を着てないじゃないか!着ないと遊びに入れてやらんからな!」
「別に私、貴方達と遊びたいわけじゃないですから」
「「!!」」
(バッサリ言った!!)
麿のツッコミが冴えわたる中、桜太郎は恋心姫と煤鬼を怒鳴りつける。
「いかがわしい遊びばかりする悪い子はお仕置きですよ!二人共お尻を出しなさい!」
「待って桜太郎君!!」
必死の麿に肩を掴まれた桜太郎は困り顔で振り返った。
「麿さん……!甘やかしては……!」
「違うんだ!今の恋心姫君と煤鬼君をお仕置きしたら絵面的に非常にまずい感じに!!」
麿が真剣にそう言うと、桜太郎は恋心姫と煤鬼の姿を見て……一気に赤面した。
「貴方達今すぐその服を着替えて!!」
「「えぇ――――!!」」
恋心姫と煤鬼が不満げな顔をすると……
「まぁまぁ、せっかくの衣装だ。脱がさずともよい桜太郎。
ここは余が、二人を“お仕置きする役”を引き受けよう」
そう言って仲裁に入ってきたのは、黒のエナメルのショートジャケット&ホットパンツ風なヘソ出しボンデージに、
軍帽を被ってパドルまで装備している帝。この中では一番露出が少ない。
(意外な人がすごいノリノリな感じできたぁぁぁ――――!!)
麿が心の中でそう叫んで、桜太郎も帝の謎の迫力に黙ってしまう。
けれど、恋心姫と煤鬼はそうもいかずに慌てて首を振った。
「だ、大丈夫です!間に合ってます!二人で遊びます!これ以上は定員オーバーですぅ!」
「恋心姫の言うとおりだ!お前はぬぬと二人で遊べばいいだろう!」
「連れない事を言うな。普段、お主らと遊んでやれてないから、ほんのお詫びだ。
余も“えすえむの服”を着てるからもちろん仲間に入れてくれるだろう?
た〜〜っぷり、皆で“えすえむ”して遊ぼうぞ?」
抱き合って警戒する二人に、帝はにっこりと笑いかけつつ、
“動きを封じるお札(鬼用)”と小さな手枷をチラつかせると、
「「ひっ!?」」
真っ青になった二人のうち、煤鬼がぬぬの方を見ながら叫んだ。
「ぬぬ!お前から何とか……」
「大丈夫!!おもちゃもいっぱいあるから!使い方なら俺が教えてあげるから!」
「お、お前が大丈夫じゃなかろう……!?」
頬を紅潮させて目をキラキラした表情で、鎖の装飾の付いた黒い首輪&ビキニパンツ姿のぬぬが
大量のモザイクが必要な“おもちゃ”を抱えている。
煤鬼が驚きつつ困惑する中、帝は麿と桜太郎にも妖艶な表情で言う。
「麿と桜太郎も仲間に入れてやろうか?服ならぬぬが着替えさせてくれるぞ?」
瞬間、麿と桜太郎は考えるまでも無く部屋から出ていた。
「いえ、私達は!」
「遠慮します!」
「そうか……残念だな。次回は楽しみにしているからな?」
ふんわりと帝が笑うと……
ガンッ!!  ガンガンガンッ!!
ものすごい勢いで扉が独りでに閉まる。音が一つではないから、帝達のいる部屋を囲むすべての扉……
と言う名の退路が塞がれたらしい。
もちろん、襖や障子戸なので鍵はかからないが、麿と桜太郎は直感的に“開かないんだろうなぁ”と悟った。
閉じ込められて阿鼻叫喚していそうな恋心姫と煤鬼の声は不思議と聞こえない。
麿が恐々と言った。
「ど、どうしよう……恋心姫君と煤鬼君……助けてあげた方がいいのかな?」
「……帝さんも、あれでも家族想いな方ですから……酷い事はしないと思うので。
ココノ姫もススキも、これで懲りるかもしれません。ひとまず放っておきましょう。
おもちゃもたくさん持っていたみたいですし、それで遊ぶのかもしれません」
(桜太郎君もしかしてアレらの使い道が分かってないんじゃ……!!)
赤い顔を背けて隠しつつ、冷や汗を垂らす麿。
桜太郎に真実を告げようかと迷ったが……しかし、何か言ってはいけないような謎の圧力に阻まれ断念する。
「……うん。そう信じよう(ごめん恋心姫君!!煤鬼君!!)」
麿と桜太郎は、ゆっくりとその場を離れた。

そして。
二人っきりになった麿と桜太郎は二人の部屋で……無言の時間が続く。
「…………」
「…………」
妙な雰囲気を変えるべく、麿は声を出す。
「あー、あのさ、今日は、もう家事は無いの??何かお手伝いあるなら手伝うよ!」
「あ、もう特にやる事は無くて。夕食まで時間がありますので、ゆっくりできますね」
「そう、なんだ」
「はい」
「…………」
「…………」
またしても無言で、麿は何か声を出していないと落ち着かず、必死に桜太郎に話しかけた。
「皆の服(っていうかボンデージ)、すごかったよね!」
「あれを服だとは私認めません……ほとんど紐や下着じゃないですか!
帝さんの物は、多少マシでしたけど……」
「はは、僕らが着なかった分も、どうなってる事やら恐ろしいよね!」
「全くですよ!」
「…………」
「…………」
またしても無言。しかし、お互いの顔は徐々に赤くなっていく。
麿が三度目の口を開く。
「ねぇ……」
「は、はい?何か?」
お互いの顔色を伺うような視線と震える声色が交差する。
切り込んだのは麿だった。
「……残りの服……どんなのか気にならない?」
「……いえ、あの……」
「せっかくだし……広げて見るくらいは見てみようかな……
あ!あの!僕だけね!桜太郎君は、興味なかったら無理には……!!」
「……あの私も……!!」
桜太郎は真っ赤な顔を背けて、小さめの声でぽつりと言う。
「少しだけ、気になります……」
「!!あっ、じゃあ!一緒に見てみよう!た、助かったよ!
一人で見るってなんか!勇気要るよね!二人で見れば怖くないもんね!」
麿は焦りながらもそう言って、桜太郎も恥ずかしそうに笑う。
そうして二人は、残ったボンデージを広げてみた。
「「…………」」
絶句する二人と二着のボンデージ。
一つは、胸の部分だけが丸く切り抜かれたハイネックのワンピース水着の様な赤のボンデージ。
もう一つは、コルセットとTバックがセットになった黒のボンデージ。
「や、やっぱりろくなものではなかったですね……!!」
赤くなってプルプル震える桜太郎は声が裏返っている。
ほのかな桜の香りの中、麿もプルプル震えているが……
「あ、あ、あの、さ……」
ひたすらボンデージを見つめるその顔は緊張していて、体は微動だにしない。
「ごめんね……僕、今から最低な事言うけど、嫌わないでくれる……?」
「私が、麿さんを嫌うなんて……無いです」
その緊張感が桜太郎に伝わったかのように、桜太郎も体を強張らせる。
「あ、ありがとう、じゃあ、言わせてもらい、ますが……」
麿は目を見開いて、ぎこちない笑顔で言う。
「着て、着てみない?少しだけ」
「!!」
「僕も着るから!僕も着るから!!」
「お、落ち着いてください!!何で二回言ったんですか!?……少し、だけなら……!!」
「ありがとうございます!!」
「こんな事で土下座しないで下さい!!」
土下座する麿とツッコミ風に怒鳴る桜太郎。
桜太郎が赤を、麿が黒を着ることにして二人で背を向けあって着替えた。
そして着替え終わると……
「これ、少しキツイですよね……」
「うん……そうだよね……」
お互い、お披露目すべく向かい合って立っているのだけれど、ソワソワと自分の体ばかり眺めていた。
「麿さん……こちらを見ていますか?」
「そ、それがお恥ずかしながら、緊張して自分の体ばっかり見てて……
桜太郎君は……?」
「わ、私も恥ずかしくて……麿さんの姿を見られないんです……
ですがその……麿さん、着られたら満足なんですよね?もう、脱ぎましょうか?」
「待って(僕が着たかったわけじゃなくて桜太郎君のボンデージ姿が見たくて)……!!」
反射的に顔を上げて手を伸ばした麿は、桜太郎の姿をバッチリ視界に捕えてしまった。
「あ……ごめっ……みっ……見、ちゃっ、た……!」
「っ!?」
麿の言葉にビクリと身をすくませる俯き桜太郎。
胸の見える赤いボンデージを着て、体を縮こませるように恥じらう姿が逆に扇情的で……
麿はまばたきもせず、言葉を零れ落とす様に言う。
「綺麗……だよ、すごく……!!」
「“綺麗”はやめてください!!植物には最上級の褒め言葉なんです……!!」
「ごっ、ごめん!!嬉しくないよね!?」
「いいえ嬉しいですすごく!!」
ガチガチに緊張してる二人の会話。桜太郎は赤い顔を両手で覆っている。
しかしこうなれば、桜の香りが充満する部屋の中で、麿はどんどん切り込んでいく。
「桜太郎君……髪、下ろしてくれると嬉しいな……!!」
「麿さん注文が多いですよ!もう無理です!手が顔から退けられません!」
「じゃあ僕が髪ゴム解いてもいい!?ち、近づくよ!?」
「ひっ!?だっ、ダメです自分でっ……!!」
そう言って手を退けた桜太郎は無意識に目線を上げていて……
麿の姿を見た途端、ヘナヘナと腰を抜かして、ギュッと目を閉じて、
自分の体を抱きしめながらものすごく恥ずかしそうに声を震わせた。
「も、もう脱ぎましょう……麿さん!申し訳ないですが、私これ以上は……!!」
「そ、そうだよねごめん!でもっ、もう少し我慢できない!?3歩ぐらい、近くで、見ていい!?」
「そろそろ殴りますよ麿さんっ!!」
「ごめん!あ、足が勝手に前に進むんだ!!」
麿は桜太郎に勢いよく近づいて、支えるように両腕を持つ。
「ひゃっ!麿さん……!!」
「ごめんなさい殴って!!」
目を開けた桜太郎と反対に、今度は麿がガクンと頭を下げて叫んだ。
至近距離で、桜太郎の体に触れたまま、そのままの勢いで叫び続ける。
「あのね、もっと桜太郎君を見ていたいんだ!この服、まだ脱いでほしくない!
でも、この距離で見つめたいんだけど、これ以上こうしていたら
桜太郎君にいかがわしい事しちゃいそうだから殴って!!
ご、ごめん何言ってるか分からないと思うんだけど!!僕もちょっと混乱してきて!!
とにかく、桜太郎君が大好きな気持ちが今止まらないっていうか!!」
「〜〜〜〜〜っ!!麿!!」
「ハイ!?」
麿は勢いよく名前を呼び捨てにされたかと思うと、
桜太郎に体を抱き込まれて膝の上に乗せられそうになる。
「いいですよ!殴ってあげます!殴ってあげますからお尻を出して!」
「そこぉっ!?そこ殴るの!?待ってそれじゃ桜太郎君が見えないよ!!」
「まだ言いますか!?畳でも見つめて頭を冷やしなさい!!」
「うわわっ!?」
軽い揉み合いの言い合いになりながらも、結局は桜太郎の膝に倒れ込んでしまった麿は、
さっそくTバックで裸同然のお尻をきつく叩かれる。
バシィッ!!
「ひゃっ!?」
「いけない、方ッ!!麿さんがそんな破廉恥な方だとは思いませんでした!」
ビシッ!バシッ!ビシィッ!!
「ヒィィごめんなさい!!い、痛い!!」
「悪い子をお仕置きするのは得意なんです!貴方には怒らないと思って侮りましたか!?」
バシィッ!ビシッ!バシッ!
最初からバシバシと容赦なく叩かれて、麿は痛みにもがきながら悲鳴を上げる。
「うぁっ!ひぅっ!ご、ごめん!侮ってないよ!
あのっ、あぁっ!ちょっと悪ノリしちゃったかもぉっ!!」
「ちょっとどころじゃないですよ!それと“ごめんなさい”でしょう!?」
「ごめんなさぁい!い、痛いよ桜太郎君!!」
「大人しくしてください!」
ビシッ!バシッ!バシィッ!!
暴れれば同じだけ、押さえつけるように叩かれる。
叩かれれば痛みで体が動いてしまうの繰り返し。
桜太郎は相変わらず麿を怒鳴り続けていた。が……
「私、破廉恥な方は嫌いです!!」
「あぁあっ!お尻も痛いけど心が痛いぃ!ごめんなさい!もうしないから嫌わないでぇぇ!」
「嫌いになれないから困ってるんじゃないですか!!
すっごく恥ずかしい事をさせられて、恥ずかしい事を言われて、
でも、貴方に言われたら嬉しかったから、ドキドキしたから……」
「さ、桜太郎君!!」
お説教の方向が甘い事になって、
嬉しそうに悲鳴を上げた麿にまた痛烈な一発がお見舞いされた。
バシィッ!!
「うぁああっ!?うぅっ……!!」
「困ります!!これじゃあまるで、私も破廉恥野郎みたいじゃないですか!!」
「あぁああ反省しますぅぅ!!」
「そりゃ私達、恋人ですから!破廉恥な所にもいきつくでしょうけど!もっと、
その……私が恥ずかしさに気づかないくらい、ゆっくり連れてってください!」
バシッ!ビシッ!パァンッ!!
「うわぁぁんっ!ごめんなさぁぁい!急き過ぎましたぁっ!
わ、分かった!ゆっくり連れてくからぁぁっ!!いいったい!」
「反省しました!?」
「反省しましたぁぁ!!痛いーもう勘弁してぇぇっ!!お尻叩かれるの何だか恥ずかしいしぃっ!」
必死で謝って、痛みを訴えて、なおかつ羞恥も訴えてみたけれど
桜太郎はむしろ嬉しそうに言った。
「この服……ろくでもないと思っていましたが、お仕置きの時はお尻が丸出しになっていいですね……!」
ビシィッ!バシッ!バシッ!!
「ひゃぁあああっ!ちょっ……やぁぁっ……!!」
そろそろお尻も赤くなってきて限界な麿が、泣きそうな弱弱しい悲鳴を上げる。
けれど、
「麿さん、あと、大切な事をお伝えしておきますが……」
バシィッ!!
「うぁあああっ!」
やっぱり強く叩かれて悲鳴を上げた。
桜太郎はペースを落とさないので、麿は叩かれ続ける痛みに歯を食いしばってジタバタするしかない。
ビシッ!バシッ!ビシィッ!!
「この妖怪御殿において、お仕置きの時に“恥ずかしい”なんて甘え事は通用しませんからね!?
ススキだって大泣きしてお尻を真っ赤にされてるんですから!貴方もそこのところ良く心得てください!」
「わ、分かりましたぁぁぁっ!!うぁああ泣きそうぅっ!!」
「泣いてしまえばいい予行演習になりますよ!私のお仕置きはまだ優しくて弱い方です!
帝さんやぬぬやススキに当たれば、もっと地獄を見ますから……けど、私にお仕置きされたからには、
どうぞこっちも味わって行ってください!」
「あぁあああ!やめてぇぇっ!!嫌な予感がするぅ!!」
麿には桜太郎の手元が見えないが、その不穏な予感は的中で、
バシィッ!ビシッ!ビシィッ!!
「うわぁあああん!ごめんなさぁぁい!痛い!痛いごめんなさぁぁい!!」
しゃもじで叩かれて倍増した痛みに泣き喚く事となった。
赤いお尻を打たれるたびに泣きながら必死で謝る。
「わぁああっ!痛い!もうやだぁ!ごめんなさい!清く正しい恋人になりますぅぅぅっ!」
「そうしてください!!……最初の、うちは特に!」
バシッ!ビシィッ!バシッ!!
「うわぁあああん!!ごめんなさい!ごめんなさぁぁい!!」
「……酷くして、しまいましたかね……ごめんなさい……」
泣いて謝り続けると、桜太郎は申し訳なさそうに言って手を止めてくれた。
「(はぁあああっ、痛かったぁぁっ……!!)うっ、うぅ……!!」
心の中では色々叫びたい気持ちなのだが、弱弱しい嗚咽しか声に出せない麿。
そんな麿に桜太郎があやす様に抱き付いてくる。
顔を赤くしてたどたどしく言葉を紡いだ。
「恥ずかしくて……!!麿さんに、興奮してもらったのは……嬉しかったのですが……。
私も、麿さんの事大好きですから……あぁ、お仕置きして、理不尽、だったでしょうか……??」
「っ、桜太郎、君……!い、いや……僕も変だった……ごめんなさい……!!」
「麿さん……!!」
クラクラするような甘い桜の香りに包まれてしばらく抱き合っていた二人。
しばらくして、お互い派手なボンデージ姿で抱き合っている事に気付いて慌てて体を離して着替えたのだった。


それからは、麿も桜太郎も徐々にいつもの雰囲気に戻っていき、夕食の準備も二人で和やかにやった。
その頃には部屋で遊んでいた帝達も出てきて、夕食時にはいつもの姿の皆が揃って食卓を囲んでいた。
しかし。
いつもは笑顔でご飯を食べている恋心姫と煤鬼は顔を赤くした不満顔で。
「意外に、盛り上がってしまいました……でも、妾、スッキリしない気分です……やっぱり煤鬼と二人がいいです……」
「俺はあんなの絶対に認めんからな……確かに、それなりに、良かったが……二度とやるか、に、二度と……」
ブツブツと何か文句を言っている。
反対に、帝とぬぬは上機嫌でご飯を食べている。
「とても充実した時間だった!(一か月はオカズに困らない!)」
「ふふっ、また皆で“えすえむ”しようぞ♪」
「……ダメです」
桜太郎が低い声でキッパリと言う。
そして、大声で皆に宣言した。
「あの服とおもちゃは全てしばらく封印します!!」
こうして、桜太郎の一声でボンデージと大人のおもちゃはいったん段ボールに封印された妖怪御殿だった。



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【作品番号】youkaisin3

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