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姫神様フリーダムanother(閻濡編2)




ここは神々の住まう天の国。
(閻廷曰く)天界最強ラブラブ親子、の閻廷&閻濡の城。
今日はこの城に珍しい品物が届いた。
それは液体の入ったピンク色で可愛い瓶で、閻濡がいたく気に入ったようだ。
一日中、手に取ってからずっと眺めていて離さない。
とうとうお風呂に入って着替えを済ませてからも、寝室で飽きもせず眺めていた。
閻廷はそんな娘をベッドに座った膝の上に抱いて、ニコニコしながら頭を撫でる。
「閻濡、そんなにそれが好きか?」
「うん!この入れ物とっても可愛い!ここにリボンが付いてるし!パパもそう思うでしょ?」
「パパは閻濡の方がも〜〜っと可愛いと思うぞ♥」
「もう、パパったら……♥」
頬ずりをしてくる閻廷に、閻濡はくすぐったそうに身を捩る。
それは決して拒絶する感じてはなく、むしろ閻廷に甘えるように体をすり寄せていた。
お互いに薄着の親子が恥ずかしげも無く肌を合わせる光景はこの城では日常茶飯事だ。
純白のベビードール姿の閻濡は閻廷を振りかえって言う。
「ねぇパパ!これ、ぼくのお部屋に置いてもいい?」
「ん〜〜?いいけど、まずはそれの中身を飲んでしまわないとなぁ」
「中身?飲み物だったの?ぼくも飲みたいなぁ!」
「あぁ閻濡……それはダメだ。残念ながら、それの中身はお酒だからな」
困った様に笑う閻廷の言葉を聞いて、閻濡はしょんぼりと俯いた。
「じゃあ……ぼくは飲めないね……」
「そうだな。閻濡は大人になってからな?」
「うぅ〜〜。残念だな……飲めば可愛くなれる気がしたのに……」
悲しそうにピンクの瓶を撫でる閻濡を見て、閻廷が顔を赤くしてプルプルと震えだし……
「これ以上可愛くなってどうするつもりなんだお前は!可愛いの唯一神にでもなる気か!?」
「ぴゃうっ!!?」
膝抱きにしていた閻濡を激しくベッドに押し倒した。
可愛い瓶を抱いてベッドに仰向けダイビングした閻濡に覆いかぶさって
限りなく顔を近付けた閻廷は、そっと彼女の髪を撫でて囁く。
「さぁ、そろそろ寝ようか閻濡。そのお酒は棚の上に置いておこう」
「お酒さんと一緒に寝ちゃダメ??」
「ダ〜〜メ!パパ以外が閻濡と寝るなんて許さないぞ☆」
そう言って、閻濡の唇に軽くキスした閻廷。
閻濡は嬉しそうにクスクス笑いながら閻廷にお気に入りの瓶を渡した。
瓶を近くの棚の上に置いて、再びベッドに戻ってきた閻廷に
嬉しそうに抱きつかれても、閻濡は優しく微笑み返した。
父親の髪を撫でて、柔らかい声で言う。
「おやすみなさいパパ。お目目瞑って……?」
「分かった……」
再びお互い軽く口づけを交わして、閻廷が目を閉じる。
閻濡は傍にあった球体に触れて部屋の明かりを消し、父親に寄り添うように寝そべって、
その寝顔を見ながら彼の手を握る。
最近、閻濡は父親より後に眠って、父親より先に起きるようになった。
母親に生き写しだという自分が目を閉じて動かなくなる事で、
父親を不安にさせない為の……閻濡の小さな愛情だった。
一度、目が覚めた時に自分の胸に耳を当てていた父親を見てからずっと続けている。

やがて、閻廷がすやすやと寝息を立て始めたので閻濡も寝ようとするのだが、
どうも目が冴えてしまった。
目を閉じてみても寝がえりを打っても眠れない。
(どうしよう……)
閻濡が困ってしまって周りを見渡すと、ちょうど棚の上に乗った可愛い瓶が見えた。
暗闇の中だといっそう瓶と、中身の液体さえ神秘的に見える。
飲めば何かすごい効果がありそうな気がしてきた。
(アレを飲んだら、お胸が大きくなったりしないかな……)
あり得ない事は分かっていても、ついそんな事を考えてしまう。
そうして慌てて首を振る。
(でも、あの中身はお酒だし……パパが大人になってからって……)
その時、閻濡の頭の中に声が響いた。
『閻濡は大人になったら、パパのお嫁さんになるもんな〜〜?』
それは子供の頃から何度も繰り返し聞いた閻廷の言葉。
(大人に……なったら……?)
完全に思い出すタイミングが悪かった。
閻濡の考えはだんだん脇道に逸れてくる。
(お酒が飲めたら、ぼく……大人かな……?パパのお嫁さんになれるかな……?)
逆転の発想。
閻濡はフラフラと可愛らしい瓶に近付いていく。
そしてそーっと手にとってリボンを解き、それを床に落として
可愛いミニオブジェの様な栓を思いっきり引っ張った。
カチッと音が鳴ったので慌てて振り向いたら
閻廷は眠っているようなので、ほ――っと息を吐く。
そして恐る恐る指を瓶の中に入れて液体に浸した。
(大丈夫、だよね?)
濡れた指を少し舐めてみる。
ふわりと、未知のいい香りが広がって、とても甘い。
一言で言うと『美味しい』と閻濡は判断した。
(これなら、ぼくでも飲めるかも……!)
勇気を得た閻濡は、思い切って一口だけ飲んでみる。
(あ、美味しい!!)
今度は確実に閻濡の心を奪ったこのお酒。
ここからは何の躊躇も無く、閻濡はゴクゴクとお酒を飲んで、
とうとう一本空にしてしまった。
「あ……ふ……(美味しかったぁ)」
その場にへたり込んだ閻濡の手から瓶がコロリ落ちて床に転がる。
フラフラとベッドに戻る閻濡の目は虚ろで頬は赤かった。
「何だか体、熱い……」
そう独り言を言って、寝ている閻廷を揺さぶる。
「パパぁ……パパ……起きてぇ……」
「ん……どした閻濡?おトイレか……?」
すぐに起きてくれた閻廷に、閻濡は甘ったるい声を出しながらくっつく。
「ちぁうよぉ……体が熱いの……」
「ん……?」
「ほら、ここ……」
「んっ!?」
自分の手が柔らかい物に押し当てられた感触で、閻廷は飛び起きる。
閻濡は自分の胸に閻廷の手を押し当てていた。
「え、ぁ……閻、濡……??」
「分かるぅ?あのね、あのね……熱くてね、閻濡の、ここ……おっきくなったぁ?」
舌足らずに言いながら、閻廷の手を自分でぎゅっぎゅと胸に押し付ける閻濡。
自分で与えているその刺激で切なげな声を出していた。
「んっ……あんっ……お胸がジンジンするよぅ……」
「うぇえええっ!?え、閻濡!?一体、なにっ、え?どうした!?」
いつも明るく奔放で、滅多にうろたえることなど無い閻廷も、
この時ばかりは顔を真っ赤にしてオロオロするしか無かった。
娘の声は聞いた事もないほど妖艶だったのだ。
「パパ……パパぁ……閻濡をパパのお嫁さんにしてぇ……」
柔らかい体をめいいっぱい押し付け、甘えるように擦る閻濡。
首をオロオロ振りながら混乱するばかりだった閻廷は、
やっと視界の端に閻濡のお気に入りの瓶を見つけた。
(これのせいか!!)
完全開封されて、空になって床に転がっているそれを見て、閻廷はやっと冷静になる。
原因が分かればもうオロオロする事は無い。
閻廷は部屋の明かりを全灯にして閻濡の体をベッドに引き倒し、頭を押さえつけるように撫でた。
「お酒を飲んだな?ダメだって言ったのに……この、悪い娘めっ☆」
額をツンと突くと、閻濡はじわっと目に涙を溜める。
「ふぇぇっ……パパごめんなさぁぁい……」
「わっ!閻濡!泣かないでくれ!パパは別に怒ったわけじゃ……
いや、怒ったんだけど、何というか……!」
またオロオロしながらも、閻廷は水差しから水を汲んで閻濡に飲ませてあげた。
真っ赤な顔で目を瞑って喉を鳴らす閻濡は、水を飲み干すと眠そうに瞼を落とす。
閻廷はそんな閻濡を心配そうに撫でて優しく声をかけた。
「とにかく……“ごめんなさい”は明日聞くから。今日は寝なさい」
そう言うと、閻濡は眠ってしまった。
ほっとして、閻廷も灯りを消して眠ろうとしたが……さっきの一件でドキドキしてなかなか眠れなかった。


翌日。
閻濡が目を覚ますと閻廷が心配そうに自分を覗きこんでいた。
「あ、あれ?パパ??」
「閻濡……どこか、痛いところは無いか?体が、だるいとか!」
「ううん……平気だよ……?」
必死な様子の閻廷にぎゅっと手を握られて、目を丸くしながら首を振る閻濡。
閻廷の表情から力が抜ける。
「良かった……じゃあ昨日の夜の事は覚えてるか?」
「昨日の夜?……あ……」
何かを思い出したかのようにしゅんとした顔をする閻濡を見て、
閻廷もしょんぼりした顔で話を続けた。
「どうしてお酒なんか飲んだ?」
「えっと……お酒を飲めば大人になれるかと思って……
そしたら、パパのお嫁さんになれるかなって……思ったの……」
泣きそうに赤面してそう言う閻濡に、閻廷はまた感極まった様子で震え出して
素早く閻濡の体を引き上げる。
「全く……お前はッ!」
「ぴゃんっ!?」
そしてそのまま、閻濡の体を膝に横たえながらささっとベビードールを捲くって下着も下ろしてしまった。
「その気持ちはパパ嬉しい!すっごく嬉しい!
けど、パパの言う事聞けない子はお尻ぺんぺんだ!」
「う……ごめんなさい……」
「謝ってもダメなんだぞ!」
ピシィッ!
「あんっ!」
悲鳴を上げて身を固くする閻濡に閻廷は何度も手を振り下ろす。
ぺしっ!ぺしっ!ぺしっ!
「あっ……やぁっ!パパぁっっ!」
「閻濡、そんなに慌てて大人にならなくても、
パパはちゃんと閻濡が大人になるまで待ってるぞ?」
「うっ、本、当……?」
「パパが閻濡に嘘を言うと思うか?」
優しい閻廷の声に、閻濡は首を振る。
その答えに閻廷はにっこりとほほ笑んだ。
「だろう?だから、閻濡はゆっくり大人になればいい」
「あ、ぅ、わ、分かった……」
「うん。分かればいい」
ぺしっ!ぺしっ!ぺしっ!
のんびりとした会話が続きながら、お尻打ちが続く。
力加減はそんなに強くは無いらしく、閻濡はうっすらと涙目で小さな悲鳴を上げていた。
けれど、そんなゆったりしたお尻打ちでも時間が経ってくると
閻濡もだんだん耐えられなくなってきたらしい。
震え声で閻廷に訴える。
「ふっ……パパ、あのね、お尻、痛くなってきちゃった……」
「そうか?」
「そう……だからね、えと……お尻ぺんぺん、終わってほしいな……」
怖々と閻濡が言うと、閻廷の反応は「う〜〜ん」と考えて
「だって閻濡はお酒を飲んだじゃないか。パパがダメって言ったのに。
お前の体に何かあったらどうするつもりなんだ!」
バシッ!
「ぴゃぁぁんっ!」
やっぱり許してもらえなかった。
強く叩かれて大声で悲鳴を上げた閻濡のお尻に、さっきまでとは
人が変わった様な厳しい平手打ちがどんどん降ってくる。
バシッ!バシッ!バシ!
「んぁあっ!ごめんなさいパパぁっ!」
「大人じゃない子がお酒を飲んだら危ないんだぞ色々と!」
「あっ、ふぁぁんっ!痛いぃ!」
「可愛いお前にこんな事をするのは心苦しいけど……
やっぱりかわいいお前の為だ!!」
「やぁぁあああんっ!」
バシッ!バシッ!バシ!
強く叩かれるので、さっきまで割と大人しかった閻濡も身を捩って逃げようとする。
暴れながら閻廷に泣きついた。
「ふぁぁぁっ!ごめんなさいパパぁぁっ!痛いよぉ!もうしないから許してぇっ!あっ、ぁああっ!」
「ダメ!閻濡のお尻が真っ赤になるまで許しません!」
「やっ、そんなのいやだよぉぉっ!」
「こら!逃げようとするんじゃない!」
痛くて暴れれば暴れるほど、押さえが強くなるし打たれ方も酷くなってくるような気がする。
そんな状態なので閻濡のお尻は閻廷が言ったようにすぐに真っ赤になってしまった。
「ごめんなさぁぁああい!もうしません!お酒なんて飲まないからぁぁぁっ!」
大声で泣いても謝っても許してはもらえないようで
バシッ!バシッ!バシ!
「うわぁああん!!痛いよぉぉっ!」
閻濡は泣きだしてしまった。
一度泣きだすと、性格的に気丈でもない閻濡なのですぐに大泣きになった。
「パパ!ごめんなさい!ふぇぇええええっ!!」
「本当にもうしないか?!」
「もうしません〜〜っ!わぁぁああああん!」
手足をばたつかせて、閻濡は一生懸命叫ぶ。
お尻が痛いのそうだけれど……大好きなパパに怒鳴られて
(とは言っても、閻廷もそんなに本気では怒鳴らないのだけれど)
叱られている事も閻濡的には耐えがたいところだった。
早く許して欲しくて必死で謝り続ける。
「やぁぁぁんっ!ごめんなさいパパぁ!ごめんなさい!もうしないからぁっ!
いい子にするよぉぉぉ!!うわぁああああん!」
「閻濡……今度やったらもっと痛いお尻ぺんぺんだからな!?」
バシッ!バシッ!バシ!
「分かったぁぁっ!ごめんなさぁぁぁい!!」
泣き喚く閻濡がそう言うと、閻廷はやっと手を止めた。
お仕置きが終わったと分かると、閻濡はすぐに閻廷に抱きついて泣きだす。
「パパごめんなさい!ごめんなさぁぁい!」
「え、閻濡……!分かった!分かったもういい!頼むから泣かないでくれ〜〜!」
途端に、閻廷も頼りない声を出して閻濡を撫でさすって、顔のあちこちにキスしまくっていた。
時折閻濡の表情を心配そうに覗きこみながら泣きそうな顔で言う。
「あぁ、閻濡……お前の可愛いお尻を痛めつけてしまったけど、
心配だったんだ……!子供がお酒を飲むと体に良くないし、
最悪の場合お前が、し……」
そこで言葉を詰まらせ、いよいよ大粒の涙を浮かべて震えながら
閻廷はこう続けた。
「死んで、しまったらって……」
(パパ……!)
ボロボロと泣きだした閻廷が、強く閻濡の体を抱きしめる。
「わっ、私を置いて行かないでくれ閻濡……!!」
「パパ……」
閻濡は一気に悲しさと申し訳なさが溢れて、閻廷を負けないくらい強く抱きしめ返して、
目を閉じて心から謝った。
「心配をかけてごめんなさい。大丈夫だよ、ずっと一緒にいようねパパ……」
「ずっとだぞ!?一生だぞ!?」
「うん。ずっと、一生だよ」
「今度こそ……約束だぞ?」
その言葉の意味は閻濡にも何となく分かった。
病気で死んでしまった母も、きっと同じような約束をしていたのだろう。
だから閻濡は言う。泣いている閻廷の背中をさすりながら。
「約束する。大丈夫……ぼくはパパに似て健康だから……」
「うん……、っありがとう閻濡……!」
そうやって、しばらく泣いていた閻廷が泣きやむと、
また心配そうに閻濡の顔を覗きこむ。
「お尻、痛くないか?」
ずっと自分の心配ばかりしている閻廷を安心させるために、
閻濡はできる限りの明るい笑顔で言った。
「痛くないよ。パパにちゅっちゅしてもらったら痛くなくなったの」
「で、でも、まだ心配だから……」
と、顔を近付けてキスしようとしてくる閻廷。
そんな事ができるくらいの元気を取り戻せたようで閻濡もホッとして、
赤くなりながら、大好きなパパと何度目かのキスをした。




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【作品番号】HSB16

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