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  球里の受難(境/球、微BL要素あり)



(姫神様フリーダムを題材にした二次創作です。キャラのイメージがカナ・エル様のものと異なっている可能性があります。
また、微妙ながらBL要素もありです。その点をご了承の上でお読み下さい)


 どこまでも広がる、澄みわたった紺碧の海。
海岸線に沿って広がるビーチでは、寝そべって日差しを楽しんでいる者もいれば、ビーチバレーをしている者、
泳いでいる者、砂山をつくる子供など、思い思いに海を楽しんでいた。
一見すると、どこにでもある観光ビーチ。
しかし、客は無論、監視員もよく見ると人では無い。
人の身体に角や翼が生えているもの、或いはタコなどの人とは違った生き物に近い姿をしているものなど、多種多様だった。
ここは人では無い種族のための観光ビーチだった。
 「ヘイ〜!そこのお姉さん〜」
悪魔系らしいセクシーな水着姿の女性達が歩いていると、誰かが声をかけてくる。
声をかけているのは、緑の髪に中華風の冠、シャツに海パンといった格好の子供。
天の国の王子にしてスケベ小僧な立佳だ。
 「ヘイ彼女、オレと大人の思い出つくら・・・うげええええっっ!!」
相変わらずのスケベ根性丸出しでナンパ中の立佳の頭上に突然、5tと書かれた鉄球が降って来た。
「全く・・・何やってるんですか・・・」
呆れた様子で球里は呟くと、立佳を引きたてて行った。
 「ご、ごめんなさああ〜〜〜いっっっ!!!」
休憩所の椅子に腰かけた従者の膝の上で立佳は必死に謝っていた。
むき出しにされたお尻は既に赤く染まっている。
「全く・・何やってるんですか!」
バシバシと球里は容赦なく主人のお尻を叩く。
「キ、キレイなお姉さんがいたから・・せっかくだからビーチで思い出を・・」
「どういう思い出ですか!大人の思い出なんて許しません!!」
「ひぃぃぃ!!ごめんなさぁぁいいい!!!」
立佳は必死になって謝る。
 「反省してます?」
「してますぅぅ!!!」
「もうビーチでナンパはしませんか?」
「し、しませぇぇん!!約束しますゥ!!」
本当は約束したくないが、こうでもしないと許してくれない。
真面目で厳しいところは父王に負けず劣らずだったからだ。
「わかりました・・。では・・ここまでにしておきましょう・・・」
ようやく解放され、立佳は心の底から安堵した。


 「うぅぅ・・・ジンジンするぅぅぅ・・・・」
立佳は思わず涙目になり、お尻をさすりながら呟いた。
お仕置きで散々な目にあったので、休憩所で一息ついているところだった。
 (それにしても・・・遅いなぁ・・・)
立佳はビーチの方を見やりながら、怪訝そうな表情を浮かべる。
この休憩所は椅子等の休むための家具しか置かれていない。
なので球里がビーチ内の売店でドリンクや軽食類を買いに行っているのだ。
だが、中々帰ってこない。
(何か・・・あったのかな?)
いつもお仕置きをするとはいえ、立佳にとっては大切な従者。
思わず心配になったのか、いつの間にか立佳は休憩所を抜け出してビーチに向かっていた。
 (あっ!いたい・・・)
立佳は従者の姿を見かけると、思わず声をかけようとする。
だが、球里はやたら綺麗でセクシー、それこそ立佳好みのお姉さん魔族達に取り囲まれて、困った表情を浮かべていた。
どうやら逆ナン攻撃を受けてしまっているらしい。
 それを見るなり、立佳は表情が険しくなってくる。
やがて、ビーチの砂を掴むや、普段の立佳なら絶対にしないことをした。
何と、お姉さん達に向かって砂や石を投げつけ出したのである。
 「なっ!?立佳様!?」
突然、砂やらが飛んで来たかと思うと、立佳がそんなことをしている。
立佳は脱兎のごとき勢いで走りだし、急いで球里も追いかけた。
 「立佳様っ!!」
ようやく追いついた球里だったが、立佳は不機嫌極まりない表情を浮かべている。
「どうしてあんなことされたんですか!?」
「球里には関係ないだろっ!!お姉さん達と楽しくやってればいいじゃないか!!」
(なるほど・・・・。私を取られたと思ってヤキモチですか・・・・)
主人の言葉に球里は苦笑する。
 「何を言ってるんですか。私はあんなお姉さん達より立佳様と一緒の方がずっと楽しいですよ」
「本当・・?」
「本当ですよ。さぁ、早く行きましょう」
球里は主人を説得し、立佳も機嫌を直したのか、二人で連れだって休憩所へ戻っていった。


 売店の近くを通りがかったときだった。
ちょうど酒類を買っていた男が近づいてきた。
「な・・何ですか・・あなたは?」
球里は怪訝そうに尋ねる。
「ウフフ、君は狐の精だね?」
「そ・・そうですけど・・・。それが何か?」
何だかやけになれなれしい男に球里は妙な感じを受ける。
 「フフフフ。狐の精は男女問わず美しい者が多いと聞くが・・・。私は美しいものが好きでねぇ」
「は・・はぁ・・そうですか・・・」
怪しいと思ったのか、球里は立佳と共に早々に立ち去ろうとする。
だが、男に手首を掴まれてしまう。
 「ちょっと!何するんですか!?」
「フフフ。可愛がってあげるのさ。こんな風にね」
突然、球里は思い切り手を引っ張られる。
気づいたときには、球里は男の懐に飛び込み、抱きしめられていた。
さらに、口に奇妙な感触を覚える。
悪魔の男にキスをされていたのだ。
 「!!!!?????」
立佳は目の前の事態に呆然としている。
妙な男が球里に話しかけたかと思うや、突然抱きしめてキスをしたからだ。
(ほ、ほほほほほホモォォォォォォォ!!!???)
そういう嗜好の者も世の中にはいるということは知っていた。
しかし、この目で見るのは初めてだった。
しかも、自分の従者がそういう相手に狙われていることにも。
 (え!?何!?一体!?)
球里は最初、何が起きているのかわからなかった。
だが、口腔内の違和感からキスをされていることに気づく。
 (嘘・・・そんな・・・男から・・・!?)
球里は衝撃を受ける。
同性愛など、球里にとっては理解の範疇外。
しかも、今度はお尻に変な感覚を覚えた。
まるで、いやらしく撫でまわしているかのような。
 (ひ・・・ま・・まさか!?)
球里は背筋に寒気が走る。
今、自分を抱き締め、唇を奪った上にお尻まで撫で回している男の目的がわかったのだ。
本能的に球里は霊気を放出していた。
 「ぐべええっっ!!??」
衝撃で男は吹っ飛ばされる。
だが、球里はさらに両手を向けるや、霊力をぶっ放し続けた。
「いやああああ!!!助けて助けて助けて助けてけてけてけてけてぇぇぇ!!!!!」
普段の冷静さなどかなぐり捨て、絶叫を上げながら球里は霊気の弾丸を撃ちまくる。
「の・・のわあっ!や、やばっ!?」
立佳は慌てて逃げようとする。
すっかり恐怖に駆られ、理性を失ってしまった従者は、周りに見える動くものすべてに霊気を撃ちまくっているのだ。
既にたまたまあたりにいた別の観光客なども被害に遭っている。
 だが、立佳が逃げようとしたときは既に遅かった。
球里の霊気の流れ弾が命中してしまったのだ。
「う・・嘘・・・うげえっ!?」
一声呻くや、立佳はそのまま倒れてしまった。

 それから2,3時間ほど経った頃・・・。
球里は自分達が泊まっているホテルの部屋の床に正座していた。
 「派手に・・やってしまったものだな・・・」
椅子に座っている境佳がそう話しかける。
「も・・申し訳・・ありません・・」
居心地の悪さや後悔、罪悪感を押さえて球里は謝る。
あの後、騒ぎを聞きつけ、地元の役人達がやって来た。
男は痴漢行為で現行犯逮捕されたが、球里の方も器物破損や傷害で役所の厄介になってしまったのだ。
幸い、男の側に非があるということで、厳重注意で済んだが、おかげで境佳が役所に呼び出されて調書を取ったり、
巻き込まれた他の観光客に詫びを入れたり、壊れた器物の弁償をさせてしまった。
自分のせいで主人に迷惑をかけてしまい、申し訳なくて、自分が情けなくてたまらなくなってくる。
「本当に怖い思いをしたのだから無理もないが・・・。それでも・・・人を怪我させたり、物を壊すのはよくないことだ。
残念だが・・・また・・・お仕置きをしなければいけないな」
「心得ております。どうぞ主上様の思うようにして下さい」
「怖いか?」
「は?な、何を?」
球里は怪訝な表情を浮かべる。
冷静に受け答えしているはずだと思っていたからだ。
 「いえ・・そのような・・」
「無理はしなくていいぞ。尻尾と耳がブルブル震えてるからな」
思わず笑いがこぼれそうになるのを押さえながら境佳は言う。
 「あ・・」
慌てて球里は耳と尻尾を押さえつけた。
「こういうときは素直に怖がった方が可愛げがあるぞ?」
「正直申し上げて・・・本気で実家に帰りたいです・・・」
「それは困るな。分かった、早く済ませてしまおう!」
そういうと境佳は球里を自分の傍へ連れて来させる。
精神的にお子様な友人で慣れているせいか、大人な球里でも慣れた手つきで膝に載せ、あっという間にお尻を出して尻尾と身体を押さえつける。
 「うぅう・・・・」
お尻があらわになるや、球里は思わず声を漏らす。
幾ら自分が悪いとわかっていても、お仕置きなんて恥ずかしくてたまらない。
滅多にお仕置きされることがないだけに、余計だった。
 「前お仕置きした時にも言ったが・・・無理に我慢はするなよ。泣いても暴れてもよいのだからな」
そういうと境佳は家来の身体をしっかりと押さえつける。
同時に右手を振り上げた。


 バッシィィ〜〜ンッッッッッ!!!
「あっっっ!!!」
最初から強く叩かれ、思わず球里は声を上げる。
バッシィ〜ンッ!バッチィ〜ンッ!ビッダァ〜ンッ!バッアァ〜ンッ!
音が鳴るたびにお尻に痛みが襲う。
苦痛に球里は顔を歪めるが、それでも声を出すまいと必死に押し殺す。
 バッチィ〜ンッ!ビッダァァ〜ンッ!バッアァ〜ンッ!ビッバダァ〜ンッ!
「う・・あぅ・・あ・・・くぅ・・・」
耐えようとするものの、身体は正直なのか、声が漏れてしまう。
 「本当に怖かっただろうな・・・あんな気持ち悪いことをされては・・・」
バシバシときつめにお尻を叩きながら、境佳はお説教を始める。
「は・・はぁ・・ひぃん・・・はいぃぃ・・・」
お尻に与えられる痛みをこらえながら、球里は王の言葉に同意する。
一打ごとにお尻は赤く染め上がってゆき、口から洩れる声も苦痛の度合いが増してくる。
 「恐怖の・・あまり・・・あんなに・・・取りみだすのも・・・無理は無いだろう・・」
「は・・はぃぃ・・」
「だが・・・だからといって・・・。あんなに・・・滅茶苦茶に・・・やってしまっていいということではないぞ?」
バッシィ〜ンッ!ビッダァ〜ンッ!バアッジィ〜ンッ!ビッダァ〜ンッ!
「ああっ!ほ、本当に・・申し訳ありませんっ!!」
球里は罪悪感がこみ上げてくる。
 「無茶なことして申し訳ありませんっ!!わ・・・私なんかのせいで・・・。役人に呼び出されて・・・。調書取らせたり・・・他人に謝らせたり・・・。
挙句の果てには・・・べ・・・弁償までさせたりっ!!ああっ!変態に辱められた上に・・・主上様に迷惑かけてっ!!
ほ、本当に悪い家来ですっ!!い、いっそのこと打ち首でも切腹にでもして下さいぃぃぃ!!!」
「馬鹿者ぉぉぉっっっ!!!」
ビッダァァァ〜〜〜〜〜〜ンッッッッッ!!!!
「うわあああああんっっっっ!!!!!!!」
突然、境佳は叫ぶように叱りつけるや、思い切り平手を叩きつけた。
あまりの痛さに球里は背をのけ反らせ、絶叫する。
 「本気で言っているのか!?」
「そ、そう言いたくもなりますっ!きょ、今日の私は、ほ、本当に最低なんですからっ!!」
情けなさや罪悪感のせいか、球里はそう叫ぶ。
「許さん・・・。そんなことを言う子は・・・絶対に許さん・・」
「主・・・主上様?」
球里は思わずギクリとする。
何だか普段と境佳の様子が違うことに気づいたのだ。
 「そんなことを言う子は絶対に許さん!!」
そう叫ぶや、境佳は足を組む。

おかげで球里は赤くなったお尻を突き上げる体勢になった。
 ビッダァァ〜〜〜〜ンッッッッッ!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン
バンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン〜〜ッッッッ!!!
「うわあああああんっっっ!!!!痛いぃぃぃぃぃぃ!!!!!」
今までとは比べ物にならないお仕置きに球里は絶叫し、両脚をバタつかせる。
「うわあああんっ!主上様っ!ごめんなさいっ!ごめんなさぁぁいいい!!!!」
「何を言ってるんだ!とんでもないことを言って!そんな子は絶対に許さないからな!」
本気の怒りモードになった境佳は容赦なく球里のお尻に平手の嵐を降らせる。
激しい打撃音と球里の泣き声が室内に長い長い間、響きわたった。

 「うっえぇぇ・・・えっえええん・・・・・・・」
ボロボロと涙を零しながら球里は泣いていた。
お尻は三倍近くは大きく腫れ上がり、濃厚なワインレッドに染め上がってしまっている。
 「ひっひぃぃん・・。も・・もう・・嫌ぁぁ・・・ゆ・・許して・・下さいぃぃ・・」
ボロボロと泣く球里に、境佳は問いかける。
「反省したか?」
「し・・してますぅぅ・・・」
「なら、何が悪かったんだ?」
「ひぃん・・。人に怪我させたり・・・主上様に迷惑・・かけて・・しまい・・ましたぁ」
「そうだな。だが・・・それより・・・もっと大事なことがあるだろう?」
「え?」
球里は怪訝な表情を浮かべる。
何を言っているのか、わからなかったからだ。
 (え・・・ええと?な、何がありましたっけ?)
必死になって球里は考える。
だが、全く思い浮かばない。
「どうしたんだ?わからないのか?」
問いかける主君の言葉に球里はまた叫んでいた。
「あああんっ!球里はダメな家来ですっ!いっそお手打ちにでもして下さいぃぃ!!」
「それがいかんのだっ!!馬鹿者ぉおおおおお!!!」
バッジィィィ〜〜〜〜〜ンッッッッ!!!!
「うっわあああああんんんんんんん!!!!!!!!!」
再び平手を叩きつけられ、球里は絶叫する。
 「球里・・・。確かに人に怪我をさせてしまったり、物を壊してしまったり、その結果他人に迷惑をかけてしまうのは悪いことだ」
お尻を叩く手を止めて境佳はそう言う。
 「だが、私はそんなことを気にしてはいないよ。今回の事はやむを得ないことだ。怖い目に遭わされたのだろう?」
「は・・はいぃぃ・・・・」
「だがな。自分をやたらに卑下したり、貶めるようなことを言うのはよくない。こんなことで私がお前を処罰して、私が満足するとでも思うか?」
「しゅ、主上様・・・・」
「いいか。自分を貶めたり、粗末にするようなことを言ったり、するもんじゃない。そういうことをしたら・・・私は悲しいぞ。
お前は私にとっては・・・家族同然なんだからな」
「し・・心配かけて・・・ほ・・・本当に・・すみません・・・」
「わかってくれたらいい。もう・・・お仕置きは終わりだ」


 「大丈夫か?」
「こ・・これくらい、平気です・・あくぅぅ・・」
平気な表情を浮かべようとするが、球里は思わずお尻を押さえて床に座り込んでしまう。
「こら、無理はするんじゃない。歩くどころか、立つのだって辛いのだろう?」
「で・・でも・・・自分が悪いのに・・・また・・迷惑を・・・」
「こら。また悪い癖が出そうになったぞ」
境佳はそういうと、球里を助け起こす。
同時にベッドの縁に腰を降ろしながら、膝に座らせて抱きかかえた。
 「あの・・・主上様?」
「遠慮はいらない。素直に甘えていいのだぞ」
境佳は球里の背中をさすり、また腫れたお尻を優しく撫でてやる。
「今はゆっくり休むんだ。これは私の命だぞ?」
「わかり・・ました・・・それでは・・お言葉に甘えて・・・」
そういうと球里は目を閉じる。
しばらくすると、静かに寝息をたてはじめた。
 「やれやれ・・・。普段しっかりしている分・・・こういうときは意外に手のかかる子だからな・・・・」
境佳は苦笑するも、慈愛の籠った笑みを浮かべる。
球里をベッドにうつ伏せに寝かせると、お尻にタオルを載せてやる。
そして、寝ている球里の頭を撫でてやっていた。


 ―完―

 コメント:今回はお言葉に甘えて球里キーに挑戦してみました。
ですが、滅多にお仕置きされない人だけに難しかったり、またキャラのイメージが違うというところもあるかもです。
それでも、楽しんでいただけましたら幸いです。




山田主水様から、球里キーもの、いただきました!なにこれ萌えるヽ(*´∀`)ノ!!
球里好きちょっと来い!ッて感じで球里が可愛いです〜〜!
酔っ払い男にキスされるというサービスシーンもありがたいです(笑)。そりゃ怖いわ(笑)。
普段優等生真面目ちゃんな彼だからこそ、お仕置きされて乱れる姿が、いいですよねヽ(*´∀`)ノ
厳しくも優しい境佳もいいです……!あぁ、私のキャラでこんな素晴らしく書いてもらえて嬉しいです!
何気に、立佳のお仕置きシーンも見られて幸せでした(笑)!
(ナンパしたり砂投げたり流れ弾に被弾したり、影の活躍者でしたね(笑)。)
山田主水様、本当に、本当にありがとうございました☆
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