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☆2 「何考えてるんですか!わたくしたちだけならともかく、閻濡お姉様もいるんですよ!?」 「だからいいんじゃないか!閻濡お姉ちゃんの恥じらう顔とパンツをオレは見たい!」 「なっ……うぅ、呆れて物も言えません……大体貴方はッ――」 「うるさいぞ下民ども」 琳姫の怒涛の言い返しを未遂で遮った一言。 後ろからやって来た二人の少年の片方が声の主だった。 少年はそのまま尊大な態度を全く崩さず、立佳にも言い放つ。 「朝から不純な検査か……風紀委員も暇なんだな」 立佳は少年の偉そうな態度を全く気にとめず、笑顔で切り返す。 「女の子の下着にロマンを感じないなんて 健全な男の子として人生損してますよ?エスポワール様☆」 “エスポワール”というのは、学園で最も優秀と認められた(平たく言えば学園の人気投票の一位の) “ペア”に与えられる称号で、任期一年の間式典などで活躍し、全生徒の憧れの対象になる。 今期のエスポワールがここにいる双子な二人の少年、千早と千歳だ。 ちなみに、先ほどから偉そうだった方の少年が千早で、立佳の言葉に不愉快そうな表情をした。 「フン、下衆め」 「おやまぁ、これだからお子様は…… お兄さんの方はそんな事ないでしょ?パンツ好き?興味ある?」 「お前っ、兄様に何て質問を……ッ!!」 「そうですねぇ……僕が興味があるのは……」 取り乱した千早と対照的に、兄の千歳は余裕の笑顔で…… 「その検査が誰かの……先生方の許可を得ているのかって事ですね。 もっとも、あの境佳先生がいる限り、教員サイドがこんな方法が許可するとは思えませんが……」 まさかの一言。 おっとりとした千歳の口調がぐっさりと胸に突き刺さって 焦った様子の立佳だが、それでも胸を張って言った。 「そっ、それはその……この検査はオレが自主的にやってることですね! 全校生徒の風紀を守るのがオレの……カリスマ風紀委員長、立佳の務めですから!」 「あら、素晴らしい……それならぜひ境佳先生にご報告させていただきますね?」 千歳がそう言うと、千早も面白そうに笑い出す。 「あははっ!良かったな下衆。境佳先生もきっと褒めてくれるぞ? 兄様のご好意、ありがたく受け取っておけ」 それだけ言って優雅に立ち去る二人に、立佳は慌てて叫んだ。 「い、いや!!褒めてもらおうなんて思ってませんから! ねぇ、ちょっと!やめて――!境佳先生に言わないでぇぇぇ――ッ!!」 千歳&千早ツインズは立佳渾身の叫びを無視して歩いて行き、 しばらくポカンとしていた琳姫達もこのゴタゴタの間に立佳を無視して門をくぐる事が出来た。 こうして、女子生徒をセクハラ風紀検査から華麗に救ったエスポワール様方は 彼ら専用のVIPルームでゆったりと朝を過ごすのだ。 「さっきの下民の焦った顔……ふふっ、アイツがどんな目に合うか見ものですね」 「あら、千早ちゃん……人の不幸を面白がるなんていけない子だね」 大きなソファーで紅茶を飲みながら語らう二人。 千早の発言をやんわりと注意した千歳だが、特に怒ってる風でもなかった。 「オレは兄様以外の人間はどうでもいいんです。ただの“下民”共ですから」 「ふふっ、千早ちゃんのそういうトコ……嫌いじゃないけど、 一般の生徒さんに対してあんまり意地悪な態度をとるのは、兄として見過ごせないなぁ……」 「兄様……?」 「お仕置きしなくちゃ」 千歳の笑顔に千早はゾクリとする。 感じたのは恐怖のはずなのに何故だか顔が紅潮して、千早は視線を彷徨わせた。 「そんな……」 「ほら、早く……そこのベッド」 千早は言われるがまま床に跪いてベッドに上体を預ける。 ズボンと下着をいっぺんは下ろされた。 「兄様……」 「僕たち一応皆のお手本なんだし……」 ピシッ! 「んっ……!!」 早くも一発目がきて、千早は小さく呻く。 千歳が握っていたのはいつもの鞭。 その鞭が続けて2発、3発と振り下ろされていく。 パンッ!パンッ!パンッ! 「ね?皆に優しくしてあげないと……」 「あっ……ちゃんと、優しくしています!」 「そうかな?一部の生徒さんは君の事“ご主人様”って呼んでるけど?」 「チッ、あの豚ども……ッ!!」 「ほら、それがダメ」 バシッ! 「あぁっ!」 「豚扱いも犬扱いも、もちろん下民扱いも良くないよ?……表向きはね……」 パンッ!パンッ!パンッ! 意味深な笑みを浮かべながら千歳は千早を叩き続ける。 千早の息が上がってきても、ぺースを崩さない。 「まぁ……君の場合、そういう態度が一部で大人気っていうのもあるから 難しいんだけど……」 「ひっ……ぁあっ……!!」 「皆は君がこんな風にお仕置きされるなんて夢にも思わないだろうね…… これ見たらどう思うかな?」 「いやっ!!兄様っ!!兄様以外に見られたく、ないです!!」 「分かってるよ。僕だってこんな可愛い千早ちゃんの姿…… 誰にも見せたくないもの。千早ちゃんのこんな姿を見ていいのは僕だけ……」 「そうですっ……兄様だけ……ああ、兄様……!!」 「もう、嬉しそうにしないで。今お仕置き中なのに」 バシッ!バシッ!バシッ! 千歳が手を強めると、反応して千早もぐっとシーツを握る。 「あぁあっ!ごめんなさい!ごめんなさい!!」 「全く仕方のない子だね……」 「やぁぁっ!ごめんなさい!いっ、ごめんなさい兄様!」 「君が皆に意地悪すると、次期のエスポワールの座が危ないかもしれないんだよ?」 千早のお尻がだんだん赤くなってくる様子を楽しむように鞭を当て続ける千歳。 目に涙を浮かべながら、痛みに耐えながら千早は必死に叫ぶ。 「んぁあっ!この、学院で、最も優れているのは兄様です!兄様しかいません! エスポワールの地位も名誉も兄様にこそふさわしいのに!」 「僕はエスポワールの地位や名誉にはあんまり興味は無いよ……。 ただ、この学院で最も素晴らしい“ バシッ!バシッ!バシッ! 「んんぅっ、もちろんです!次期も必ずエスポワールの座を、兄様の御許にっ……!!」 「だったら、もっと一般の生徒さんに紳士な態度を取れるようにならないと」 「うああっ!!そ、それはぁ……!!」 「約束できる?」 「うっ……兄様のお願いならオレはどんな事でも!!」 「ありがとう千早ちゃん。 でもね、これは“お願い”というか……」 バシッ!バシッ!バシッ! 「命令」 低く響いた千歳の声に、千早の体が跳ね上がる。 ただでさえ、千早にとって絶対な兄の言葉…… “命令”とまで言われてしまえば何があっても逆らえない。 「わ、分かりました……」 緊張で声を震わせながら、千早は言葉を紡いでいく。 「下……他の生徒共にも、なるべく……寛大な態度で……っ!!」 「そうそう。できるだけ友好的にね」 「はいっ……!!」 「いい子だね千早ちゃん。 じゃあそろそろお仕置きは終わりにしようかな……」 「ぁ……兄様……はぁっ、あ、ありがっ……」 ビシィッ!バシィッ!ビシィッ! 「んぁああああっ!!」 油断していたところを思いっきり打たれた千早が 大きな悲鳴をあげると、千歳が楽しそうに笑う。 「あはは、気が早いよ。今すぐ終わろうって言ったんじゃないのに」 「いぁあああっ!!ごっ、ごめんなさっ……あぁあああっ!!」 「そろそろ終わりだから激しいのあげようと思って」 「いぃああああっ!!ああっ!ぁはああああっ!!」 「すごい声だね。ゾクゾクする……そんなに嬉しい?」 ビシバシと激しい音を立てて尻を打たれ 千早は涙を流しながら泣き声と悲鳴が混ざったような声で叫んでいる。 「ごめんなさい!あぁあああ!兄様ごめんなさいぃ!うわぁあぁあん!!」 「あぁ、そんなイイ声で鳴かれると僕……」 泣き叫ぶ千早をうっとりとした表情で見つめている千歳。 そんな時…… キーンコーンカーンコーン!! 突如鳴り響くチャイム。 千歳はハッと我に返ったように時計を見る。 「いけない……これ、何のチャイム……?」 時計の時刻は丁度一時間目が終わった時間だった。 「あら……やっちゃった……」 そう呟くと、千歳はベッドで泣いている千早の横に腰かけて、頭を優しく撫でた。 「ごめんね千早ちゃん……一時間目終わっちゃったみたい……」 「うぇぇっ……ぐすっ、ぇぅっ……」 「う〜ん、でも……夕月先生の授業よりは充実した時間だったかな……」 「あぅぅっ……」 泣きながら、首を何度か縦に振る千早に千歳はくすくす笑う。 「そうだよね。二時間目は出られそう?」 「んっ、くっ……はい……」 「よかった。頑張ろうね」 「はい!」 柔らかい笑顔の兄につられて千早も笑顔になった。 と、このような事情があって それからは千早の周囲に対する態度が心持優しくなった……らしい。 |
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