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☆1

「そんなハレンチな技、使わせません!」
琳姫は負けじと“姫神式R2−UMB(小傘型レーザー砲)”を構える。
「げっ!ちょっと琳ちゃん、そんな大技……」
「貴方は一度南極にでも吹っ飛んで頭を冷やせばいいのです!」
「待って!この際、口頭でもいいから色だけでも……」
「こんのぉ〜……恥知らず――――――ッ!!」
琳姫の怒りの叫びとともに、姫神式R2−UMBから放たれるレーザービーム。
すべては一瞬の出来事だった。
地面に響く轟音、太い閃光が立佳ともども校門から校舎手前までを一直線に焼き尽くし、
立佳が真っ黒焦げになって倒れたので、狐耳の先生に保険室へ運ばれ、
そして琳姫は生徒指導の先生によって一時間目を強制休講させられた。
理由はもちろん、お仕置きされるから。

生徒指導室のソファーで、琳姫はさっそく先生の膝の上だ。
「お前は、あれほど姫神式を学校で撃つなと言っているのに……
前にもお仕置きされて泣いたのを忘れたか?!」
お説教と同時に琳姫のスカートも下着も脱がせにかかっている生徒指導の境佳先生。
厳しいが、若くて凛とした態度なので女子生徒に秘かに人気がある。
しかし今の琳姫にはそんな事は関係なくて、境佳先生の膝の上でパタパタ暴れていた。
「だって立佳が変な事しようとしたんです!
や〜ん!これは正当防衛です!わたくしは悪くないです〜〜!!」
「確かに立佳の悪ふざけが原因だが、お前も暴力で解決しようとするんじゃない!
もっと他にやり方があるだろう!?」
幼女の抵抗など痛くも痒くもない境佳先生は、さっそく彼女のお尻を叩き始める。

パン!パン!パン!
「あぁっ!やぁっ!境佳先生やめてください!」
「やめてほしかったら大人しく反省しなさい!
朝から校門の前で姫神式なんて撃って、誰か怪我したらどうするんだ!」
「だって……それは……!!立佳が……!!」
「立佳じゃなくてお前の事を言ってるんだ!」
パシィッ!
「ひゃぅぅっ!」
少し強く叩かれて琳姫は悲鳴を上げる。
けれども納得のいかない琳姫は抵抗を続けた。
「わたくしは悪くないです!立佳が全部悪いのです――っ!
境佳先生は立佳を叩きに行けばいいでしょう!?」
「もちろんそのつもりだ。お前のお仕置きが終わったらな。」
「やぁぁっ!わたくしは悪くないからもういいです――!」
「全く……ここまでしても自分の非を認めないなんて……」
パン!パン!パン!
なかなか強情な琳姫に参ってしまいながらも、
境佳は何も言わず琳姫のお尻を叩き続けた。
対して、琳姫は相変わらず自分の正当性を主張し続ける。
「わたくしは姫神式の扱いには自信があります!
コントロールも完璧だし……安全に使いこなせてます!
現に今日だって誰も怪我なんてしてません!」
パン!パン!パン!
「くぅっ……今までだって怪我人なんか出てないのです!
境佳先生も知ってるでしょう?!わたくし危ない事なんて、何も……!」
一生懸命喋ってる間も叩かれて、
だんだんお尻が痛くなってきた琳姫は言葉が出なくなってくる。
「だっ、だからっ……あぁっ、もう……やぇっ……
痛い!もう痛いです!境佳せんせぇっ!」
「さぁ、そろそろ言い訳する余力も無くなってきたか?」
「うっ……えぇっ……?」
言い訳してたつもりがこれっぽっちも無かった琳姫は、戸惑って返事に困るが
その刹那……

バシッ!!
「きやっ!?なっ……!?」
バシ!バシ!バシ!
「なっ、で……あゃっ、きゃぁぁんっ!!」
たたみかけるような強い平手の連発に、琳姫はまともに喋れなくなる。
今度は境佳が琳姫を諭す番だ。
「校舎や敷地が壊れているのに安全に使いこなしてるとは言えないぞ。
姫神式R2−UMBはそれだけ破壊力がある武器なんだ。
軽々しく撃っていいものじゃない」
「あぁっ!やぁぁっ!いたっ……あぁんっ!!」
「お前に持たせてるのは立佳とケンカするためじゃなくて護身用だ」
「やっ、わ、分かってまっ……ひぁぁっ!」
「だったら立佳に向けるのはやめなさい!」
バシィッ!
「きゃぁぁっ!やぁ―――んっ!!」
痛がるのもお構いなしでバシバシやって上にキツイ一発を重ねたので
琳姫の限界を超えてしまったらしく、泣き出してしまった。
もっとも、琳姫が泣き出して動じる境佳でもないが。
「怪我人はいないって、立佳がいつも怪我をしてるだろうが!
まぁ……原因はあの子かもしれないが……
今だって保健室で泣いてるかもしれないんだぞ!?」
「わぁあああんっ!!ごめんなさい――っ!」
バシ!バシ!バシ!
「ごめんなさい」が出た事にホッとして、このまま素直に反省すれば
許してあげようと、境佳は語気を弱めながら尋ねる。
「今度こそ“もう学校で撃たない”って約束するか?」
「しますぅ――!約束します――!わぁああ――んっ!」
「そうか……よし、今度こそ信じるぞ?」

意外にあっさり約束してくれたので、境佳は琳姫を起こして膝抱きにした。
そして、泣きながら抱きついてきた琳姫をすっと撫でる。
「ふぇぇっ!お尻がジンジンします――!お椅子に座れないです!わぁぁんっ!」
「分かった分かった……保健室に言って玲姫先生に診てもらうか?」
「嫌です!玲姫先生にわたくしがお仕置きされたってバレてしまうじゃないですかぁっ!」
「じゃあどうしたいんだお前は……」
甘えとダダっこが混ざったような、今の琳姫を宥めるには琳姫の気の済むようにするしかない。
しばらく考え込んだ琳姫が、パッと明るい顔で要求してきた事は……
「……ここで……境佳先生にお膝抱っこされたまま勉強します!
二時間目はご本読んで下さい!」
「……本気か?」
「わたくし、“金瓶梅”が聞きたいです!立佳が面白いと言っていました!」
……どうやら本気らしい。
完全に甘えモードの琳姫に境佳はやれやれと笑う。
まだ幼い琳姫は、境佳にとっては娘のように可愛い生徒なので、こんなお願いは断れない。
ただし……
「“金瓶梅”はやめよう……面白くないから……」
教育者としての一戦は守る。
そして、立佳にまたお説教のネタが増えた……と、内心ため息をつくのであった。

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