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ここは喫茶店Times……の二階の居住スペース。 店長の時子と、その恋人の優君は思いもよらない出来事に遭遇していた。 ……割に、のんびりと会話していた。 「何かね、別のシリーズと世界観が入れ替わっちゃったんだって」 「へぇ……具体的にはどうなるんですか?」 「えーと……優君は“女教師にお尻を叩かれるのが好きな男の子”になってるらしいよ?」 時子の言葉に、優君は心底嫌そうな顔をする。 「……何ですかその最悪の呪い……早く何とかしてください時子さん。飛び散らせますよ」 「わ、私だってどうしていいか……! あ!そうだ、あと……私達は“女教師と生徒プレイを嗜むカップル”になってるらしいよ?」 「何とかするのはもう少し後でいいです」 「ええっ!!?」 一瞬にして前言をひっくり返した優君は、 時子を押し倒そうとするようにグッと体を寄せて言う。 「ここはその“世界観”とやらに則り、“女教師プレイ”を嗜むのが流れかと……」 「うぅっ、すぐそうやって!!優君がやりたいだけでしょう!?」 「チッ」 「舌打ちしない!もう、仕方ないなぁ……。 着替えて来るから待っててね……?」 「ノリノリじゃないですか時子さん。その勢いで早めにお願いします」 「はいはい!もう〜〜っ!!」 時子は恥ずかしそうに小走りで部屋を出て行って数分後…… 「お待たせ。どう?」 セクシーな黒スーツを着た、女教師風の出で立ちで戻ってきた。 その姿を見た途端、優君の内心に未知の欲望が膨れ上がる。 「……どうと言われましても…… あぁ、そういやあったな、こんなコスプレ、としか……。 (……何だ……この感じ……??)」 「そうじゃなくて!気の利いた事言えないの? 前に着た時は思いっきり私を押し倒して大はしゃぎだったくせに優君……」 「…………(何で……時子さんに、お仕置きされたい、って……!!)」 自分のモノではないような感情を処理しきれず、 ひたすら時子を注視して真っ赤な顔をしている優君に、 時子の方がふいに声をかけた。 「ねぇ」 「!?」 「優君が何考えてるか当ててあげようか?」 「ちょっと……年甲斐も無くグイグイ来ないで下さいます……?」 体を寄せてくる時子を、優君が顔を逸らして押し返す。 それでも時子は強気の言葉を続けた。 「この“女教師時子さん”にお仕置きして欲しくなってるんでしょ? 今そういう“世界観”だもの」 「黙ってください……! (違う、違う、こんなの僕の感情じゃない……!なのに、興奮で気が狂う……!!)」 「バカな子だね……自分から引き金引いちゃうなんて……」 「だ、黙っ……れ……!!(時子さんもいつもと違うし……!!)」 「優君は私の事、やりたいようにやっちゃう子なのに…… ねぇ、今日はどうして押し倒してこないの? 私がお仕置きしてあげるの待ってるんでしょ??」 「押し倒して欲しいならお望み通り……!!」 軽々と、押し倒す。いつものように。 けれどもそこから先、優君は動く事ができなかった。 「…………っ」 何か言いたげに、時子を組み敷いたまま見つめるだけ。 そんな彼の内心を見透かしたように、時子が言う。 「優君……いつもみたいにワガママになりなよ。 どうしたいの?私をどうさせたいの?」 「それくらい……察して……ッ」 限界のように目を閉じて声を震わせる優君と、時子が形勢を逆転するのは簡単だった。 「うん、察する!優君こうしたいんだよね!」 ノリノリの時子は優君から抜け出して、逆に優君を膝に横たえてしまう。 そして、ズボンと下着を脱がせて、お尻を叩いた。 バシッ! 「ひぁっ!?ふ、ぅ、や、やめてください!!」 一つ叩いただけで体を跳ね上げ、裏返った悲鳴で息を乱す優君。 の、お尻を時子は強めに連打する。 ビシッ!バシッ!バシィッ!! すると優君は余計に大きな悲鳴を上げた。 「あぁっ!バカァッ!!こんな事が、したいわけ……!セクハラ、ババア!!ぅう!」 「ふふっ もっと厳しくして欲しくて煽ってる?」 バシッ!ビシッ!バシィッ!! 「ぃ痛いって!言ってるのに!!酷いっ、ひど、うぅっ!!Dぶっ、あぁっ……!」 元々、叩かれ弱い優君は必死で痛がって暴れるけれど…… 戸惑うような甘い悲鳴も混ざっていて、しかも時子はそれを躊躇なく叩き続ける事ができる。 (すごいすごい!!今、私、優君の事……強気でお仕置きできてる!! 優君もなんか比較的大人しいし気持ち良さそうだし、世界観ってすごい……!!) 時子がいつもと違うすべてに感動し、打ち震えている間も、 優君は必死でお仕置き(?)を止めようと叫んでいた。 「あぁっ!痛い!本当、痛いですっ、やめっ……ぅぐっ……!!」 「そんな可愛らしい声で気持ち良さそうなくせに、嘘ついても分かるよ? 優君興奮してるみたいだし、今日は少し強く叩いても平気かな?」 「ひぅぅっ!!やめ、っ調子に、乗るな!!」 「声震えてるよ〜〜?」 こうなれば、優君が何か言えば言うほど、 時子が強くお尻を打つのを煽ることにしかならなかった。 お尻もだんだん赤色に染まっていく。 バシィッ!ビシッ!バシッ!! 「ひゃぁあっ!うぁ、嫌だ!痛い!こんな、痛いの、嫌なのにぃっ!!」 「すごいねぇ優君 気持ちいいね」 「違ッ……!!あぁああっ!もう離してください!!」 普段聞けないような切羽詰まった大声でそういう優君に、 時子は優しい声で地獄のような提案をする。 「ねぇ優君、このまま無茶苦茶にお尻叩いてあげるから、その後続けてエッチしちゃおっか? 前とは逆で私が上 いっぱい気持ち良くしてあげるよ?」 「んあぁ!うぁああっ!嫌っ、やだぁぁっ!嫌だぁぁああ!」 大混乱の半狂乱で首を振って嫌がる優君。 そんな優君を責め立てるように、時子がまた一つ赤いお尻を叩く。 ビシィッ!! 「うぁあああああん!!」 「泣いてもだ〜め!もう決めちゃった!」 バシッ!ビシッ!バシッ!! 「やぁああっ!やめてぇっ!ごめんなさい!お願いだからぁぁッ!! 時子さ……――」 優君が泣き叫んでいる途中だった、 刹那。 パン!と。 頭の中で何かが弾けたように、誰かが“ハイ終わり”と手を打ったように、 「!!」 「!!」 二人共が感覚で分かった。“元に戻った”と。 無意識に手を止めていた時子は、慌てて膝の上に声をかける。 「優君、だ、大丈夫……??」 「は?――は?」 「二回威圧しなくても分かるよ!うん大丈夫じゃないよね!? ごめんね!!薬塗ってあげようかな!?」 「薬はいいんで……」 だるそうに体を起こした優君はもちろん…… ガンッ!! 時子を押し倒して無表情で言う。 「今すぐしましょう」 「ゆ、優君ちょっと……!!」 「時子さん言ってたじゃないですか。“続けてエッチしちゃおっか?”って。 “調子に乗った私をめちゃくちゃにしてください”って」 「後半言ってない!言ってないです!!」 「お尻を叩かれるのは先がいいですか後がいいですか?」 「どっちも……あ、ぁ……ごめんなさぁぁああい!!」 この後滅茶苦茶色々された時子だった。 |
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