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二鬼夫婦生活2
※18禁
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ここは、ある日の妖怪御殿……ではなく、むしろ神の国でも無く。
人間の世界の、とある神域の山奥。
北西部223団の鬼達が住む集落だった。

その鬼達を束ねる団長の剛鬼は先日――
酒に酔った勢いで池に落ちた勢いで片足を折ってなおかつその勢いで風邪を引く、
という、超ファインプレーをかましてしまったため、ここ最近自宅で大人しく寝かされていた。

「う゛〜〜ん……暇だなぁ……」
元々、じっとしているのがあまり好きではない剛鬼は唸ってモゾモゾ体を動かす。
ちなみに、頬に手当がしてあるのは池に落ちたからではなく、
妻の灯美鬼に烈火のごとく説教されて、拳でぶん殴られたからだったりする。
そんなワイルドな妻に“くれぐれも大人しくしていろ”+“しばらく禁酒”と固く言いつけられているのだが、
「あ、そういえば見舞いに酒もらってたな!ちょっと飲みに行くかぁ!」
と、気ままな剛鬼は体を起こして部屋から這い出ようとする。
その時。
「おい」
普段より数オクターブ低い声の灯美鬼が勢いよく襖を開けて現れ、剛鬼を睨みつけた。
「“しばらく酒は禁止”だって言ったろーが。布団に戻れ」
「な、何言ってんだ……俺はちょっと便所に……」
恐ろしさ満点の灯美鬼に少々圧倒されつつ、剛鬼も言い返すが、
「デカい独り言が外まで聞こえてんだよこのバカッ!!
さっさと戻んな!でないとオイラがもう片足も折っちまうよ!?」
「ひっっでぇな……分かった、分かったよぉ……」
怒鳴られて、しぶしぶとまた布団の上に転がる。
それを見届けてから、灯美鬼もそっと剛鬼の傍に寄り沿ってため息をついた。
「はぁもう、足は痛くないのかね?熱も……下がってんのかい?」
声を和らげて心配そうに、剛鬼の足や額に触れる灯美鬼。
剛鬼の方は不満そうに体を揺らす。
「酒飲んで動かねーと治るもんも治らねぇよ!なぁ、もういいだろ?
動けねぇわ飲めねぇわじゃ気が滅入っちまう!!」
「いいわけないだろ!?足はまた診てもらわないといけないし、
それにアンタたぶん、熱も下がってないじゃないか!まだ熱いよ!」
「そりゃお前……お前を見たら興奮してきて……」
言いながら、灯美鬼の胸を鷲掴みにした手を、灯美鬼は引っ掴んで勢い良く引きはがす。
そして怒鳴る。
「バカ言ってんじゃない全く!!口だけは達者なんだから!!」
「灯〜〜美〜〜鬼ぃ〜〜!!俺ぁ色々限界なんだよ!
全部ダメならせめてお前のアレやコレやで満足させてくれよぉぉっ!!」
「本ッッ当、我慢弱いね情けない!!」
全体的に落ち着かない剛鬼を叱りつけ、けれどしばらく考えてから
灯美鬼は頬を赤らめて、諦めたように言う。
「……あー……でも分かったよ……自業自得だけど可哀想だし。
オイラちょっと今から買い物に行くけど、帰って来たら相手してやるよ」
「……あ?何だお前出かけるのか?おぉ!良いぞ良いぞ!ドンドン行って来い!!」
「…………」
せっかく恩情をかけてやったのに、そこからの夫の分かりやす過ぎるこの態度。
灯美鬼は笑顔を引きつらせながらも念を押す。
「……アンタ分かってんだろうけど、オイラがいない隙に好き勝手したら、
病人だろうが手加減無しのキッツイ“折檻”だからね?そこまでバカじゃないよね?」
「分かってる分かってる!」
「剛鬼、本当に」
灯美鬼は剛鬼の顔を真剣に覗き込み……
「女鬼舐めてると酷い目に遭うからね?」
渾身の目力で極太の釘をさす。
この灯美鬼の本気オーラには剛鬼もたじろいだようで
「……わ、かって、る……」
と、言葉が切れ切れになっていた。

とはいえ、いざ灯美鬼が出て行ってしまうと、
剛鬼はゴロンと布団へ仰向けになって考えいた。
(鬼嫁の居ぬ間に、動きたいし酒も飲みたいけど……
灯美鬼も何だかんだ言って俺を心配してくれてるんだろうし……
アイツの言うとおり大人しくしてる方がいいのかなぁ……?
怒らせるとなかなかのパンチを放ってくるしな……)
と、そこまで考えた結果……
「ま、飲みながら考えればいいかぁ!!♪」
驚異の楽天的思考で、剛鬼はあっさり布団から這い出る。
片足は引きずって這って這って……台所の酒の元へたどり着いた。
灯美鬼も本気で隠さなかったのか、剛鬼にも探せる位置で意外とあっさり見つけてしまう。
「おぉ!あったぞこれだコレコレ!
なかなかの酒じゃねぇか!皆に感謝だな!!」
ニコニコと喜ぶ剛鬼はさっそく、栓を開けて豪快に酒を飲んだ。
そして、やっぱり上機嫌で喜ぶ。
「ん〜〜っまい! こりゃたまらんな!!へへっ、もうちょっとだけ……」
そして、またご機嫌に、豪快に一口。
「あ゛〜〜っ ヤバい止まんねェ〜〜この為に生きてたぁぁ〜〜っ
よっぽど味が気に入ったのか、どんどん飲み干して……
「んっ?なんだぁもう空かぁ??あ、でも……」
あろうことか、他の酒にも気づき――
「まだ、いくつもあんじゃねぇか……」
それから――


「おい」
帰ってきた灯美鬼の声がまたドス声になったのは言うまでもない。
何の小細工も無く、堂々と台所で酒を飲みまくっていた剛鬼に、
頭を抱えながら、怒りで声を震わせる。
「アンタあれかい?相当オイラを舐めてるって事で間違いないね?」
「う゛ぅ、そういうわけじゃ……」
気まずいのか、酔っているのか、具合が悪化してるのか……
剛鬼は弱弱しい声を出すが、灯美鬼は容赦しなかった。
「このバカがッ!いっぺん本気で痛い目見させてやるからね!!」

そう怒鳴って、剛鬼を四つん這いにさせて尻を突き出させると、
ズボンや下着を脱がせると、思い切り尻を叩いた。
バシィッ!!
「い゛っ!!?」
バシィッ!ビシィッ!バシッ!!
気怠そうだった剛鬼は驚いたような声を上げて、
それでも叩き続けると、その後すぐに音を上げていた。
「あぁっ、灯美鬼!!痛ぇっ!痛ぇって!!わ、分かった!俺が悪かった!!」
「はぁ!?まだ始めたばっかりで許してもらえると思ってんのかい!!?」
バシィッ!!バチンッ!ビシィッ!!
「あぁっ、謝ってんじゃねぇか!!痛てて!降参!降参だよ俺の負けだ!!」
「……誰が、勝ち負けの話をしてんだよド阿呆!!」
バシィッ!バシッ!ビシィッ!!
「わぁっ!!?」
剛鬼の態度で余計に怒った灯美鬼は一段と強く尻を平手打つ。
それを何度も打ち付けながら、剛鬼を怒鳴り散らして叱った。
「遊びじゃないんだよ剛鬼!自分の立場を良く弁えてほしいもんだねぇ!?
アンタはオイラの言いつけを守らなかったからお仕置きされてんの!分かってる!?」
「わわ、分かってんよぉそんくらいぃ……!!」
「分かってんなら大人しく反省しな!!謝ったって許さないからね!?」
バシィッ!ビシッ!バシィッ!!
「んっ、あ!灯美鬼ぃ!やめっ、だから!!痛ぇって!反省したってぇぇっ!
もう勘弁してくれよ!!」
珍しく気弱な声や必死な声を出しながらも、それほど抵抗はしない剛鬼。
それを見た灯美鬼は呆れて言う。
「……アンタその様子じゃ、まともに抵抗できないくらい弱ってるんだろ!?
大人しく寝ないで酒ばっかり飲むから……んもう、救いようのないバカだねぇ!!」
バシィッ!!バシッ!!
「うぁっ、ああっ!!」
そして、思いきり尻を引っ叩いて剛鬼に悲鳴を上げさせて、
弱り気味の夫の尻が赤くなっていても、手加減無しでお仕置きし続けた。
バシッ!バチンッ!ビシィッ!!
「あ――あ――、可哀想にねぇ!苦しいだろうに、こんな痛い思いしてさぁ!
まぁそれもこれも、女鬼を舐め腐った罰だと思って受け止めてくださいな!?
せっかくだからアンタも泣いて謝ってお漏らしでもしてみるかい?」
「冗談じゃねェ!!う゛ぅ、灯ぃ美ぃ鬼ぃっ!!」
バシッ!ビシッ!バシィッ!!
縋る様に灯美鬼を呼ぶ剛鬼。
大声で色々叫んでいた彼も、お仕置きが長引くにつれて……
「はぁっ、灯、美……鬼……!!や、め……!!」
荒い呼吸を繰り返して、あからさまに弱ってくる。
本格的に具合が悪化してきたようだった。
灯美鬼は可哀想に思って、怒鳴り声に困った感を滲ませつつもまだお尻を叩く。
「大人しく寝てればそんな苦しまなくて済んだんだろう!?
アンタが頑丈っても、限度があるんだよ!調子に乗るのもいい加減にしな!!」
バシッ!ビシィッ!ビシィッ!!
「ごめんなさい!分かったぁ!よく分かったからぁぁッ!!
も、もう勘弁してくれ……!うぅ、死んじまう……!!」
「今度こそ、大人しく寝てるんだろうね!?」
バシィッ!ビシッ!バシッ!!
「寝てる!!寝てるから!!ごめんなさぁい……!!」
叩いた時は一瞬本気の悲鳴になって、だんだん弱い声になる剛鬼。
灯美鬼もやっと手を止め……
「あぁそうかい、分かった。じゃ、ちょっと仰向けになんな」
「え?何で?!」
「いいから!!このままお尻を引っ叩かれたいのかい!?」
バシッ!バシィッ!!ビシッ!!
「わ、分かった!分かったよぉ!今日はおっかねぇな!!」
剛鬼を無理やり仰向けにさせて……
「こ、これでいい、っ、いっ!!?」
思いっきり夫の一物を握りこんで扱いていた。
これには剛鬼も慌てて口をパクパクさせていた。
「な、何!?何すっ!!?」
「こうして欲しかったんだよねぇ?」
「ひ、ぃっ、今じゃなくて、今じゃなくていぃだろぉがぁぁっ!!」
剛鬼は体調の悪さが先に来るのか、珍しく嫌がったそぶりを見せる。
それでも今の弱い抵抗では灯美鬼を振り払う事は出来ず、顔を真っ赤にして、苦しそうに必死にもがく。
だんだんと目が潤んでいた。
「あ゛ぁっ やめっ、やめ、んんっ!!今、苦しッ……あぁあああっ!!」
「へ〜〜、アンタそんな高い声出んだ?まるで鬼娘じゃないか?」
「うるへっ、あぁああああっ!やめっ、しぬ゛っ、ごめんなさっ、あぁ――――」
灯美鬼にニヤニヤと煽られて、剛鬼はいよいよパニックに近い状態でごちゃごちゃと
色っぽい声で喚いて……
「うぁあああああああっ!!
見事に絞られていた。
そうして、大きく息を切らせて果てる剛鬼に、灯美鬼が言う。
「……分かったろ?体の中は鍛えらんないんだよ……アンタだって弱いんだ……」
「……チク、ショ……」
顔を赤くして悔しげに目を細める剛鬼は、ここでハッとする。
灯美鬼が泣いていたから。泣きながら、剛鬼に縋り付いた。
「頼むから、無茶しないでおくんなよ!!
アンタにもしもの事があったら、オイラどうすりゃいいんだい!?
今度やったら本当許さないからね!?」
「灯美鬼……」
剛鬼は一気に申し訳ない気持ちになって、灯美鬼の頭を撫でた。
「済まん……自分の事、過信してたのがよく分かった……泣かないでくれ……。
あぁ、何されるよりお前に泣かれるのが一番キツイ……」
「う、ぅぅっ!!」
「心配かけてごめんな……許してくれ……!!」
剛鬼が灯美鬼を抱きしめて、しばらく二人で抱き合って……
落ち着いた後に、灯美鬼はニコニコと剛鬼に言った。
「……けど、ここまでされても泣かないのはさすがだねぇ団〜〜長っ ま、涙目だったけどさ♪」
「そ、そんな簡単に泣いて騒がねぇよ……いや、騒ぎはしたけど……」
恥ずかしそうにふいと顔を逸らす剛鬼。
灯美鬼がまた笑って、剛鬼の頭を撫でる。
「ふふっ、アンタの弱みゲットかねぇ??さ、布団に戻るよ旦那〜〜??」
「あいよ〜〜……」
「我ながら無茶なお仕置きしちまったけど、足は大丈夫なのかい?」
「大丈夫だよ、ンなもん」

こうして、剛鬼を部屋に連れて帰って寝かせた灯美鬼。
剛鬼は今度こそ大人しくしていて何日かしたら無事に全快していた。


【おまけ】

―食事会にて
剛鬼「ってぇ、事があってよ〜〜……」
男鬼A「ひぇ――!灯美鬼姐さんおっかねぇな――!」
剛鬼「だからお前らも、あんま女を怒らせないように!」
男鬼達「「「は〜〜い!」」」

灯美鬼「何だい、弱みかと思ったら自分からベラベラ喋っちまって……」
女鬼A「はは!剛鬼が堂々としちゃえば、何となく恥ずかしくない感じになっちまうもんだね!」

剛鬼「まーでもー……たまにはああいうのも……ちびっと興奮するよな?」
男鬼B「わ……分かるゥゥゥゥゥッ!!」
男鬼C「なっ、何だろうな!?何かあれゾクゾクしちまうよな、たまにされると!!」

女鬼B「もう何なの!?男ってホンッットバカばっかりだねェ!!?」
女鬼C「付き合ってらんないよ〜〜全く〜〜……」
灯美鬼「……ご、ごめん……また後で締めとく……」



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【作品番号】onihuhu2

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