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ホットミルクとおまじない
※エロス注意!純粋なお嬢様、又はお坊ちゃまは退避お願いします!



お砂糖、ミルク、それにとっておきの手作り惚れ薬。
全部全部、貴方のティーカップに入れてかき混ぜるの。
そうしたらほら、貴方の為の特製ホットミルクのできあがり。
あとは可愛いネグリジェに着替えて、素敵な夜に乾杯しましょ♥


「って思ったのに……こんなに透けてるなんて恥ずかしいわよ……
あのショップのオーナー……今度『三日月石の呪い』で腰痛にしてやるわ……」

寝室に備え付けのバスルーム……その脱衣所で鏡を見ているうら若い女性は廟堂院 絵恋(びょうどういん えれん)。
鏡の中、レースのネグリジェを着た自分を見て途方に暮れていた。
今日の為に特注したネグリジェが予想外にセクシーだったのが絵恋の最大の誤算で、
瑞々しい肢体がレースの隙間から見え放題だった。
このまま出て行くのは気が引ける……しかし、絵恋が愛してやまない夫の千賀流(ちかる)はすでに
扉の向こうのベッドルームで待っているのだ。

「絵恋――?のぼせちゃったのかい?」

あぁ、扉の向こうから愛しの千賀流さんの声がする……しかも早く行かないと用意したホットミルクが冷めてしまう!
絵恋は意を決して、バスルームの扉から半分くらい出た。
向こうにはガウンを着てソファーに座っている優しそうな壮年の姿。
一回り以上年の離れた絵恋の夫……廟堂院家の現当主、廟堂院千賀流だ。
絵恋と目が合うと、いつものように穏やかに微笑んだ。

「おやおや、どこのお姫様がやって来たのかと思ったら……君だったんだね絵恋。
よく似合ってるじゃないか」

「……千賀流さん……!!」

絵恋は嬉しくなって、千賀流の方へ走っていく。
千賀流はすぐソファーから立ちあがって、走って来た絵恋を抱きしめた。

「この服にして良かったわ……!!早くミルクで乾杯しましょ??」

「そうだね。君が張り切って用意してくれたホットミルクが冷めてしまう」

「そうよ!早く!千賀流さんの為に作ったんだから!」

絵恋が急かすので、半ば二人でなだれ込むようにソファーに座って
千賀流は楽しそうにカップに口をつける。

(飲んだ!飲んでるわ!やったぁ!!)

どんどんホットミルクを飲み進める千賀流を見て、絵恋は目を輝かせた。
何もかも、彼女の思い通り――苦労して作った惚れ薬が確実に千賀流の体内に入ったのだ。
絵恋はもうたまらなく嬉しくて、自分のミルクを飲みながらも思わず笑みをこぼしてしまう。

「うふふっ……うふふふ……」

「ん?何がおかしいんだい絵恋?」

「嬉しいの。千賀流さんが私の特製ミルクを飲んでくれたから……」

「そうかい。とっても美味しかったよ」

「ええ。本当に美味しいわこのミルク……」

千賀流はただただ優しく、微笑みながら絵恋の頭を撫でるだけだ。
優しくされればされるほど、絵恋の喜びは大きくなる。
作戦成功の後の一杯は本当に美味しい。
もうすぐ……もうすぐ千賀流さんの心も体も私のもの……!!
そう思うと自然と口も軽くなってしまう。

「実はね、千賀流さんの為に特別なおまじないをしてあったのよ」

「おや、まさかまた何か混ぜたのかい?
『飲食物に妙なものは混ぜない』って約束したのに……」

「ごめんなさい。でも、もう千賀流さんは飲んじゃったわ」

絵恋はくすくす笑いながら千賀流にすり寄る。
一方、千賀流は自分のミルクに異物混入が発覚したというのに特に慌てる様子も無い。
絵恋の腰に手を回して、軽く頬を撫でる。

「そんな可愛い顔で笑って、全然反省してないね君は?今日もお仕置きしてあげよう」

「ダメよ。もうすぐ千賀流さんの心も体も私のものだから、そんな事できないわ」

「へぇ、すごい自信だ。君がバスルームにいる間に、君のミルクと私のミルクを交換しておいて良かった」

「え!?」

「さぁて……“もう君は飲んでしまった”ね。
君がどんなおまじないをしたのか、お仕置きしながらゆっくり観察させてもらうよ」

元々、千賀流に超密着していた絵恋はあっけなく膝に引き倒されてしまった。
いつの間にか計画が台無しになっていた事を知った絵恋は一気に悔しさがこみ上げる。

「ど、どうして!?ずるい!ずるいわ千賀流さん!!」

「先にずるしたのは君だろう?嫌な予感がしたけど本当だったなんて……全く、油断も隙もないね」

「い、いやっ……ダメ!!」

柔らかいレースの裾が捲くられる感覚に、絵恋は慌てて手でお尻を隠すが、
そのまま後ろ手に押さえつけられてしまった。
しかも、恥ずかしいと訴えたのに下着も下ろされて、彼女の白くて小さなお尻が露わになる。

「千賀流さん!!この格好恥ずかしいからイヤっ!」

「一応聞いておこうか?今日はどんな『おまじない』をしたんだい?」

バシッ!

「恥ずかしい」はとことん無視されて、さっそくお尻を叩かれる絵恋。
愛しの千賀流さんに丸出しのお尻を打たれているというのは、絵恋の淑女魂が耐えられない。
痛いのは置いといて必死で抗議する。

「んんっ!!無視しないで!恥ずかしいからイヤなの!」

「絵恋、質問に答えなさい。今日はどんな『おまじない』をした?」

「……千賀流さっ……んっ、恥ずか……」

「早く白状しないと鞭を持ってくるよ?」

愛しの千賀流さんに脅されたので、絵恋は抗議を止めた。
基本的に、彼女は千賀流が好き過ぎてあまり逆えないので、大人しく自白し始める。
その間も叩かれる痛みに耐えながら。

「……あぅっ、『シトリーの惚れ薬』……相手の心も、っ、体も虜にする惚れ薬って、書いてあったわ……
私はもう心も体も千賀流さんの虜だから、私が飲んでも全く無意味よ」

「そう言ってもらえると嬉しいけど……それは君が毎晩読んでる『恋に効く黒魔術(中級編)』に載ってた薬?
やけにラインマーカーで線が引いてあったページの……」

「そ、そうよ……」

「あぁやっぱり……あれは“惚れ薬”っていうよりただの“催淫剤”だよ」

「サイイン……?……何?」

千賀流の言葉に絵恋は首をかしげる。
パンパンと肌を打たれる音と痛みで頭がよく回らない。

「“催淫剤”。媚薬って言えば分かってもらえるかな?」

「良く、分からないわ……千賀流さんは物知りなのね……」

ぼんやりとした声で答える絵恋に、千賀流は苦笑する。

「良く分からないくせにそんな物作って……!」

バシッ!

「きゃぅっ!!」


「いや、きちんと説明しないあの本も悪いのか……
全く、若い女の子に変な知識を植え付ける本が堂々と出回ってるなんて嘆かわしい。
昨今の出版社には良識というものが……」

バシッ!バシッ!バシッ!

「ひぅぅ!ね、ねぇ、千賀流さん……やっぱり、気になるわ!んっ、サイインザイとかっ、ビヤクって何?」

叩きながら出版社の良識を嘆いていた千賀流に、絵恋が不思議そうに尋ねる。
千賀流は絵恋の頭を撫でるように一瞬だけ手を置くとこう答えた。

「……今に分かるよ。さぁ困ったね絵恋?もうすぐ君の体に恐ろしい事が起こる」

「うっ、脅かさないで……何なの一体?」

「何だろうね?身をもって体験すれば君も反省するかもしれない」

バシッ!バシッ!バシッ!

千賀流はそれ以上何も教えてくれなかったので、絵恋もただ叩かれるしかなかった。
そのうち叩かれる痛みも増してきて、絵恋は無意識にお尻を左右に振って逃げ腰になる。
最初は色白かった彼女の桃尻も、今は熟れたように赤い。
しかし、変化はお尻だけではなかった。

「はぁ、はぁ、あぁぅっ!!はぁぁ……」

肌を打たれるたびに呼吸が荒くなり、漏らす息は妖艶な甘さを纏う。
相変わらず痛みに反応してお尻を左右に振っているのだが、時折太ももをすり合わせる動作が混じる。

「絵恋?様子が変だけど、どうかしたかい?」

「な、何でもないわ……」

千賀流にはそう言ったものの、絵恋はハッキリと自身の体の疼きを感じていた。

バシッ!バシッ!バシッ!

「んッ……やぁぁ………うぅうっ……」

お尻は叩かれて痛いのに、下腹部にはじんわりした甘い疼き。
背反する二つの感覚に苛まれて、ただひたすら苦しかった。
しかし絵恋にはどうする事もできなくて、口から抜けるような悲鳴を漏らすしかなかった。

「いやぁぁっ……ふぅぅっ……!!」

「絵恋……苦しくなってきたんだろう?これが君が作った“催淫剤”の効果だよ」

そんな絵恋の様子に千賀流はとっくに気づいているようだが手は止めなかった。
呻く絵恋のお尻に相変わらず平手を叩きつける。

バシィッ!!バシィッ!!バシィッ!!


「あぁぅ……やぁぁっ……千賀流さんっ、もうやぁ……!!」

「君が作った薬がどういう薬か分かった?」

「んん〜〜っ、きゅ―――ってなるの……痛いのに……あぁ、わかんない……怖い……!!」

絵恋の言葉は舌ったらずだったが、千賀流はだいたい彼女がどういう状態か理解した。
自分でも処理しきれない感覚に怯えている絵恋を少し可哀想に思ったが、完全に反省させるにはもう一押しだ。

「そうだよ。君の作った薬は怖い薬なんだよ?
しかもそんな薬を人に飲ませようとして……何て悪い子だ君は!」

バシィッ!!

「やぁあああっ!!ごめんなさい!千賀流さん!ごめんなさい強くしちゃやぁぁあっ!!」

力強い平手で叩くと、絵恋は半狂乱になって叫び出す。
お尻に感じる強い痛みと同じぐらいの快感が、局部に直撃しているのだろう。

「ダメだよ絵恋。まだ許さない。君は何度言っても聞かないんだから」

バシィッ!!バシィッ!!バシィッ!!

スパートをかけたような強い平手打ちが何度も何度も打ちこまれて、絵恋はさらに苦しみのたうつ事になる。
後ろから激しい痛みに焼かれ、前から乱暴な快感に付き上げられる。

「いやぁあああ!!千賀流さん!ごめんなさい!ごめんなさいごめんなさあぁあああっ!!」

痛いのか気持ちいいのか、恐怖と混乱の極みで泣きさけぶ絵恋。
流れる涙がシーツを濡らして……それでも彼女への罰は徹底的に続く。

バシィッ!!バシィッ!!バシィッ!!

「やだ千賀流さん!怖い、いやだぁっ!痛い苦しいおかしくなるうぁあああんっ!!」

「酷い悪戯ばかりするからこうなるんだ絵恋!反省しなさい!」

必死に助けを求めたのに許してもらえなくて、絵恋の心も体も限界だった。
真っ赤なお尻を叩かれすぎるほど叩かれている。
苦痛と共に積み上がった快感が、無理やり彼女の絶頂を突き破って――――

「千賀流さっ、ぁあああっ!ごめんなさいいやぁあああっ!!」

絵恋はそう叫んで電気でも流されたように体を硬直させると、その後は力が抜けたように動かなくなって……

「あぁああああっ、えぇぅっ、ぐすっ、ひっく……あぁあああ!!」

ずっと子供のように声を上げて泣いていた。
そんな絵恋の姿を見て、千賀流もようやく手を止めたのだった。


……しかし、大変だったのはこの後だ。

「怖かった!!ぐすっ、怖かったわ千賀流さん!何なのアレ!死ぬかと思ったわ!」

絵恋はずっとぐずぐず泣きながら「怖かった」を連発し、千賀流にしがみついて離れない。
未知の感覚がよっぽど怖かったらしい。

「そうだね、怖かったね絵恋……反省したかい?」

千賀流がいつもの調子で慰めるが……

「うぇっ、反省したわ……もうしない……怖かったわ千賀流さん!
きっとシトリーの呪いよぉ……怖かったの千賀流さん!」

「うん。怖かったね絵恋……もう大丈夫だからね?」

会話が堂々巡りになり……

「死ぬかと思ったの……怖かったの千賀流さん……ふぇぇっ!!」

「あぁ、可愛い絵恋……そんなに怖かったんだね。よしよし、いい子いい子……」

なかなか終わらない。
絵恋を抱きしめながら腕が疲れるほど一生懸命頭を撫でる千賀流。
少しやりすぎた。と、千賀流がちょっぴり後悔するほど、絵恋は思いっきり甘えていたという。




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【作品番号】BSE1

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