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我侭ちびっこサンタが願うプレゼント




クリスマス・・・
毎年この時期は色々と忙しい、家の事にケーキ屋(仕事先)の事とかね〜

rrrr
「あ、電話・・・」
ガチャ
「はい、もしもし?あ、俺俺詐欺?・・・ふふっウ・ソ・よ、お父さんでしょ?・・あははごめんね、で、・・あっうん、元気元気、
え?愛?うん、元気だし、良い子にしてるわよ、で、ふふっお母さんも私も相変わらず美人ですよ・・なーんてね、
・・・あ、スルーしないでください、お願いしま・・・ちょ・・も〜っ・・私が言ったのより、恥ずかしい事言わないでよぉ・・・
もーいいってばっ、で?お父さんからの連絡という事は・・?」
お父さんが帰ってくる・・それしかないでしょ〜
「・・うん、帰ってくるのね?」
ホラねっ
「わかった、じゃね、早く帰ってきてね、パーパ・・・ふふっ懐かしかった?え?
・・ちぇ・・もう私は可愛くないのかな〜?・・え?ちょっと〜〜っマジでショック〜、可愛くないなんて・・ってえ?・なっ!!
・・んも〜〜切るわよっ、・・別に怒ってません、ええ、怒ってませんよーだ、じゃねっ」
ガチャン
「・・全く・・何が可愛いより美人だもんな・・よ」
「おねえちゃーん」
奥から私の妹、愛(マナ)がとてとて、かけてきた
「おー愛、今ね、お父さんが電話してくれたのよ」
「パパ帰ってくるのー?」
「うん、クリスマスには帰ってくるんだってさ、24日のクリスマス・イヴの大体、夕方頃には丸井駅に到着するから、
夕方になったら・・クリスマスらしく、トナカイさん、愛はサンタさんの格好で迎えにいってあげようねっ愛」
「うんーっ!」
「ふふっ大好きなパパと久しぶりに会えるんだもんね〜嬉しいよね〜」
「うんーっ!!」
「うんうん、んじゃ、パパのためにクリスマスの準備しようねっ愛」
「うんーっ」
「パパ喜ぶぞ〜」
「うんーっ」

だけど、クリスマス直前にはしっかり休みをとれるようにしてあったので、愛と遊ぶ準備は万端、
後は・・そう、お父さんが帰ってくるのを迎えるための準備だけ、というわけで今、愛と遊ぶ感覚でクリスマスに向けて
クリスマスツリーの飾りつけをしていたわけで・・

=12月23日=
愛はクリスマス用に着るサンタ服を気にいったのか、押入れから出した今日、すぐに着ていた・・
ん〜サンタさんが居るのに、トナカイさんが居ないのはどうかな〜と思い、私も早いがトナカイさんっぽい服を着てマナとツリーの飾りつけをし始めた

「き〜よ〜し〜♪」
「さ〜だ〜は〜る〜♪」
「どゆことっ!?」
愛がきよしこの夜をふんふんと鼻歌を歌いだしたので、今度は音声にしてみたらコレですよ・・てか・・
「どこで習ったのよ、その歌・・」
「ゆずおねえちゃんだよ〜」
あんにゃろめ、適当ぶっこきやがったな・・けど、バカキャラ系なゆずの場合、
ガチで気づかずソレで合っていると思って自信満々で歌ってそうなのよねぇ、今度教えてあげようかな
「違うわよ、間違って覚えているわよ」
「えー?」
「実際は・・・」
と教えてあげようと思ったがこ〜の〜よ〜る〜♪以外、全くフレーズが出てこない・・んー、まーいいや、もうどうでもいいや
「・・赤い鼻のトナカイさん歌おっか?」
ごまかす事にした、こっちならまぁまぁ覚えているしね
「うんーっまっかなおはなの〜♪」
「トナカイさんは〜♪」
「いっつもみんなの〜♪」
などと歌いながら、飾り付けをしていき・・・

・・数分後
「よしっ愛隊長っ、あと、お星様をこのツリーの上に装着すると任務完了であります」
愛の好きな某軍曹のモノマネ(口調のみ)しながら、敬礼してみる
「で、あります〜」
まねっこ大好き、ノリノリ愛、無邪気な笑顔には眩しいとすら感じてしまった
「というわけで、このお星様をっ」
そう言って、ペランペランなメッキみたいなお星様を愛に渡す
「りょうかーいであります〜」
私が勤めているケーキ店から貰ったツリーは地味に高く、ちびっこな愛の場合、背伸びしても届かない、私は分かってて意地悪してみたのだった
「ん〜〜とどかなーい」
必死につま先立ちにして震えながら腕を伸ばす姿はとても愛らしかった・・有難う御座います、それが見たかった、そしてムチャ振りしてごめんね、愛
「カモンッ!愛ッ!、おねーちゃんと合体だっ」
私は背中を向けて、しゃがんで手招きする
「うんーっとーぅ」
「よーし、しっかりつかまっててね」
「うんーっ」
ぴょんと抱きついた後、私の首あたりに手をまわす愛、おんぶ状態になった事を確認した後、私は立ち上がる
「よし、お星様を」
「ひろって〜」
・・合体に頭が一杯で肝心の目的のお星様は床に放置・・私はしゃがんで一旦合体(おんぶ)を解除
「も〜愛のあわてんぼ、今度はしっかりねっ」
「うんーっ」
今度こそ、お星様を設置するため、再び愛をおんぶする、愛はムダに慎重にぷるぷる震えながら、真剣にお星様をツリーの上に取り付けた
「できたーっ」
両手をあげてわーいと喜ぶ愛、そんな愛をそそくさとおろして、私は愛の頭をなでなでしてあげた
「えへへ♪」
愛は得意げにかつ、とても嬉しそうに、幸せそうな微笑みを見せてくれた
「よし、これでクリスマスに向けての準備はオールOKッ」
「おーるおっけー・・・あっ」
いきなり声をあげる愛、何かを思い出した様子だった
「サンタさんにお願いするの忘れてた〜」
「おお、そっか、私もそっち忘れる所だったっ、で愛、何を買ってもらいた・・」
おっと・・・私は両手で自らの口をふさぐ、まだサンタさんを信じるちびっこの愛には現実を教えるのは早すぎるもんね
「買ってもらうんじゃないもーん、サンタさんにプレゼントして貰うんだもんっ」
「そうね、プレゼントして貰うんだったね〜」
「うんーっ」
今年は愛は珍しく良い子だった、私がバイトだった所のケーキ屋で、バイト→正社員にジョブチェンジ・・・いやランクアップかな、
そのお陰もあって、退社時間も休日がキッチリになり、愛と良く遊べる機会が多くなったのも影響もあるのかな、今年の愛は甘えてくる事は甘えてくるが、
酷い我侭は特になかったし、良い子だな〜という印象が強かった・・愛も小学生にランクアップした事も関係あるのかもね
「でで、愛、何が欲しいのよ?お姉ちゃんに教えてみそ?」
「だーめ、ひーみーつー」
「そんないじわるしないでよ〜」
「だ〜め〜」
「えー?じゃ〜〜ヒントッ!ヒントちょーだいっ」
「えー?ヒントー?ん〜〜〜いいよっ」
「お、さすがマナさん、よーし、お姉ちゃん絶対あてちゃうぞ〜」
「えー?難しいよ〜?」
「どんとこいですよ」
「えー?ん〜・・じゃあもし、当てれたらいーこいーこしてあげる〜」
お、これは絶対当てないとね
「え〜と・・ん〜〜?」
「お、どーしたの?」
「ちょっと待ってて〜」
そう言うと、私が暇潰し目的で買っているゲーム雑誌を広げてみせて・・
「このクリーチャー、何ていったっけ?」
答えをさらけ出す愛・・愛が指しているクリーチャー以外にも、『クリーチャーハンター ポータブル』というゲームのタイトルが丸見えだった・・
あとクリーチャーの名前もカタカナで書いてあった
「あー、これはボルボフフね、ふっふっふっそれだけお姉ちゃんわかっちゃいましたよ」
「えー?ホントー?」
「ずばり、クリーチャーハンター ポータブルね」
「わーーっ!お姉ちゃんすごーい・・・あ、いーこーいこ」
「ふふん♪あ、どもども〜♪」
無邪気に喜ぶ愛・・・ここまで純粋だと、答えをさらけ出した事に気づいてない事を良い事にさも、推理して当てたフリした事に罪悪感を覚えて、
若干胸が痛い・・けど、愛の頭なでなでは気持ち良かった
「しかし、クリハンだなんて、アグレッシブなの欲しがるように・・」
クリーチャーハンター略してクリハン、プレイヤーは主に化け物を狩るハンターとなって、
でっかい武器で巨大なクリーチャーを狩るアクション性の高いアグレッシブなゲーム、
通信プレイを利用すれば複数人でプレイ出来る事がウリでもある、話題性の高いゲーム・・小学生の間でも流行っているみたいねぇ
「あぐ・・あぐ・・あぐ?」
「あ、アグレッシブ・・え〜と、何と言うか、アクションッ!みたいな感じな事よ・・こうあちょ〜」
と言って私は片足立ちでアチョーとかいう感じなポーズと動きを見せた
「あちょ〜・・おっとっと・・」
早速マネする愛、片足立ちでぷるぷる転ばないように必死になっていた・・
何か生まれたての小鹿のようなぷるぷるっぷりが可愛いらしいけど、転ばないでよ〜?
「まー、愛も激しいボタン操作が必要そうなゲームを欲しがるようになったわね〜という事よ」
「・・・?え〜と・・あのね、あのね、ナギちゃんとね、アイミちゃんがね、持ってたの、だから、愛も欲しいの〜」
やっぱ、わかんないか、首を傾げる愛、けど、何となく私が聞きたかった事はわかったのか、
はたまたページ(文字数省略)の都合なのか、欲しがっている理由を言ってくれた・・なるほろねぇ
「そっか〜それで欲しいのね〜」
「うんーっ、でねっでねっこのゲーム皆で出来るから、愛がねっサンタさんにプレゼントして貰ったら、お姉ちゃんもやろっ」
「うん、じゃあサンタさんにプレゼントして貰ったらお姉ちゃんも愛も将来は立派なハンターになっちゃいますか〜」
「うんーっえへへ、楽しみ〜早くクリスマス来ないかな〜」
「おねえちゃんも愛と遊べるのが楽しみ〜」
「うんーっ、あ〜早くクリスマスならないかな〜・・・もーいくつ寝ると〜ク〜リ〜ス〜マ〜ス〜♪」
「ふふっ、それを言うなら正月でしょ?」
「今はお正月より、クリスマスの方が楽しみなんだもーん」
相当楽しみなのね〜、さて・・愛が欲しい物は聞けたし、じゃあ代理サンタ(私)はゲーム屋へと向かう事にしますか・・
というわけで私はトナカイさんの服を脱いで私服に着替え、財布を持ってメイクして・・・と色々と外出するための準備を始め・・
「・・よしっ」
準備をし終えて、私はこっそり家から出ようとするが・・
「あっ、お姉ちゃん、どっか行くの〜?」
愛に見つかった・・まぁ、もともと狭い家だからねぇ・・すぐ見つかるか
「あーうん、ちょっとね、悪いんだけどお留守番してくれない?」
「えー?・・おねえちゃんがどっか行くなら、愛もおねえちゃんと・・」
「だーめ、愛は良い子なんだから、お留守番ヨロシクでありますっ」
こういうと大概、了解でありますとか言って素直に聞いてくれる・・
「えー?やだ〜」
という事は今回はなかった・・ん〜〜、んじゃま、ちょっち意地悪だけど・・
「あ〜ららっ、そんな駄々こねていいのかな〜?」
サンタさんを利用しよっかな
「え?」
「良い子じゃないとサンタさんは来てくれないんですよ〜?」
私がそう言うと愛はうっという感じな表情を見せた後、効果覿面、愛はしぶしぶ小さく手を振りながら私を見送った
「ん、じゃ、愛、ばいばーい」
「ばいばーい・・、けど、お姉ちゃん気をつけないとダメだよ〜?」
「え?」
「もうちょっとで5時30分になっちゃうよ」
「うん、で?」
「門限は6時30分だから、あと一時間しかないよ・・」
「え?何が・・・?ってあー門限ね」
小学生になった愛、幼稚園児の時はお迎えに行っていたが、小学生という事でそのお迎え制度は廃止され、
代わりに門限6時制度になったのだった・・という事を思い出した
「うん、門限過ぎちゃうと・・お尻ぺんぺんされちゃうんだよっ・・・・あ、けど、今日はママも遅いんだっけ・・」
余計な心配ですな、なんだったって・・
「ふふん、お姉ちゃんは大人ですから、門限関係ないのですよ」
「えー!?ずるーいっ」
「ふふん、大人の特権ですよ」
「むー、お姉ちゃんだけずるーいっ!・・そうだっじゃあお姉ちゃんが門限過ぎたら愛がお姉ちゃんのお尻をぺんっぺんっしちゃうんだよっ」
そう言って、わざわざ私にお尻を向けて自らのお尻をぺんぺんっと叩く愛、どれだけ強く叩くか見せつけって事ですか
しっかし、あれー?なんでそーなるのっと思ったけど、それまでには目的は達成出来そうね
「それは怖いっ、じゃあ、愛さんにお尻をぺんぺんされる前に帰ってきまっすっ、じゃあね」
バタン
私はわざとらしくそう言って、玄関のドアを開け、外へ出て行く
まさか、あんな事言われるとは・・思ってなかったなぁ〜、ん〜〜本当にぺんぺんされるかもしれないし、さっさと買って、さっさと帰りましょっと・・
・・・・少女(?)外出中

私は近くのゲームが売っている店で愛が欲しいゲームを買って帰ってきた・・
玄関近くで携帯電話開いて時間を見ると6時ちょっとだった・・若干危なかった〜
「ただいま〜・・・っとおお?」
私は玄関のドア開ける、いつもどおり、愛の靴がそこにあったが、2つも増えていた事に気づいた
「誰か来ているの〜」
そう言いながら、居間へと
「おじゃましてまっす〜、愛ちゃんのお姉ちゃんっ」
私の友達のゆずの妹であり愛の友達のナギちゃんが居た
「え〜と・・いらっしゃい・・けど、またなんでこんな時間にナギちゃんが・・」
と言いながら、頭をかいていると・・
「ウチも居るッスよ、先輩っ」
後ろからの声
「おわっゆずっ」
「どもどもっす〜、いやぁ〜ウチのオカンが帰り遅くなるってもんスから〜
ここで面倒見てもらいね〜ってなって〜・・って聞いてないっすか?先輩のお母さんに?」
聞いてない、お母さん、それは言わなきゃいけない事でしょ〜がぁ〜〜まったく・・
「聞いてないけど、まーわかったわ、ズバリご飯をたかりに来たのね?」
「まー間違って正解ッス」
「やっぱね〜って、いや、え?どゆこと?・・まーいいわ、ゆず、たまにわけわからんちんな事言うもんね」
「まぁね〜」
「自覚してるなら、やめれば?・・ま、それはともかく、私がご飯作ったげるから、ゆずは愛とナギちゃんと戯れててくれる?」
「了解っすっ、過激によ〜しよしよしよ〜しってな感じでムツゴロッてるッスッ!・・あっ、ところで・・その袋・・?」
あ、しまった、買ったゲームを隠すのを忘れていたっ、ゆずは袋の中身を覗き込む仕草を見せた
「え、あ、これは・・その」
「あ〜〜なるなるっご飯の材料買ってきてくれたんスね〜、じゃ、とりあえず、冷蔵庫に隠しておいたらどうっすか?
じゃ、ウチは愛ちゃんとナギと遊んでいるッス〜」
そう言って、ウインクするゆず・・冷蔵庫に隠すって・・・ん?
あ、そうかそうか、ゆずってば、これがクリスマスプレゼントだと感づいてくれたのねっありがとさん、ゆず、・・ただ、プレゼントを隠すったって、
冷蔵庫に入れたらどう?はどうかと思うけど
「ん、じゃ、頑張って美味い飯を作りますか」
そう言って私は棚を開け、カップラーメンを並べてお湯を沸かす・・・私自身、手抜きだって分かってるけど、
これが私に出来る一番のベストオブアクションなのよ
「うへーー」(ゆず)
「よわーい」(ナギ)
「よわーい」(愛)
「てめっこらっ2対1とかズルじゃね?」
「ズルじゃないもーん」(愛)
「ズルじゃないもんっ大丈夫、ファミ通だよ」(ナギ)
「あー?・・まぁ、ならしょうがないかなぁ」
ゆずが愛とナギとで、ナギちゃんが持ってきたモリオパーティーとかいう同時で複数人で出来るゲームをして楽しんでいる声を聞きながら、
私はカップラーメンのふたを半分開ける・・にしても、ナギちゃんは流石ゆずの妹だけあるわ、姉に負けず劣らずのわけわからんっぷりだわ
「うし、あとはほっとけば完成・・ふぅ〜いい仕事した後のご飯は旨いのよね〜」
私はふたを開けた後、お湯を入れて、フタをした後、夕飯時に使う予定のコップを置いてフタを抑えながら、
ご飯時にうわ、しょぼっと言いたげな・・いや実際そう言ってガッカリしてる3人の顔が思い浮かばせながら・・・・
・・・数分後
私は皆で晩飯を食べた、案の定、カップラーメンだと皆が気づいた時、とてもガッカリそうな顔していた、予想通り・・いや、狙い通りだ、
これよこれ、私はこの顔が見たかったのよ・・と心の中でまともな料理出来ない自分に負け惜しみを言い放った
それから、数時間、私も混ざってモリオパーティーで遊んで過ごす・・
そのうちお母さんとゆずのお母さんが帰ってきたので、ゆずとナギちゃんとバイバイした
「・・・・」
「楽しかったねー、愛」
「え、あっう・・・うん」
あれ?どしたんだろ?素敵な笑顔でうんーっって言うと思ったのに・・ま、笑顔なら、明日には拝めそうだ、なんだったって、
愛が楽しみにしているクリスマスプレゼントと対面する事になるんだから

・・・それから数時間後
愛が寝静まったのを確認し、サンタさんになるべく、冷蔵庫付近のカップ麺が入っていた棚に隠してた
愛が欲しがっているクリスマスプレゼントとなるゲームをとってきた後、を起こさないようにして、近づく・・が
「・・・・あっ」
私はあることに気づき、つい声をあげてしまう・・やばやばー・・私は開いた口を手で塞ぐ
「・・・はぁ・・(愛ったら靴下忘れてるじゃない・・もう・・)」
愛はうっかり靴下を忘れていたのだった・・しょーがない、ツリーの前においといてあげますか・・
ラッピングはして貰っているし・・プレゼントって分かればそれでいーでしょ・・私はそう思いながら、ツリーの前へ・・
「・・・ここらへんに・・・ってあ」
ツリーの後ろにそっとゲームソフトを置く・・・朝、プレゼントがないよーっってあわてふためく愛が居る気がして・・
そんな愛に良かったねー靴下には入れてくれなかったけど、ツリーの前に置いててくれたねーっと言って、
ほいっとゲームソフトを渡す私の姿を想像していたら・・ふとツリーに札みたいなのがあるのに気づいた、もしや・・と思い読んでみる・・
『くりーちゃーはんたー ぽーたぶるがほしいです』
「・・・短冊かっての」
私はぼそっとつっこんだ後、ま、プレゼントはあるし、これでいーよねと思い、そそくさと部屋を出ていき、寝る事にした・・あー楽しみ〜愛の笑顔が・・・

ごと・・・ごとごと・・・がた・・がたがたがた・・

・・やたら何か音がしている気がした・・・が・・私の意識はボー・・とし始め・・私はゆっくりと眠りについた
・・・んだかんだ・・いってきょうはも・・ぅ疲れたもん・・ねぇ・・zzzz

=12月24日= 朝=

・・ぁんっ・・ぁんっ・・ぱぁんっ
何か音が聞こえる・・私はぼーっとしながら、ムクリと起き上がる・・あーせっかくの休みなのに、何よ、この音?
「うぇぇえ〜〜〜ん」
ツリーが飾られている部屋のドアをガチャッと開けると愛の泣き声がっ
「愛!?」
そして、なぜか、お母さんの膝の上でお尻ぺんぺんされ、赤くなったお尻をさらけ出しながら、じだばたしている愛の姿があった
「・・おはよう、理奈」
「お・・おはよう御座います」
うわ、不機嫌だ・・思わず丁寧語になっちゃったよっ・・・んん?てか・・
「何で愛のお尻を叩いてんの?お母さん」
「それが、聞いてよ、理奈、愛ったら・・・・んんっふぅんっなのよ」
「・・いや、わからないから」
「あ、ごめんなさい、今のは・・その、つい、その・・現実を言っちゃう所だったから」
現実・・?と思い、私は首を傾げると、お母さんの隣に私が昨日買ってあげたゲームソフトが置いてあった・・
そのゲームから、恐らく私はサンタ関連だと察した
「ふぇぇん・・ひっく・・」
「あ・・愛ちゃん、お尻痛いでしょ?お仕置き・・おしまいにしたいわよね?」
「・・ぐす・・うん・・ひっく・・」
「だったら、もう、さっきみたいな、我侭言わない?」
我侭・・・ん〜・・なんだろ?お尻叩く程の我侭・・ねぇ・・
「・・やだぁ・・まな・・まな・・このゲーム欲しくなかったん・・だもんっ」
「・・・はいぃ?」
そんなばかなぁ・・
「はぁ・・だからと言って、せっかくおねぇ・・・がいしたサンタさんが用意してくれたゲームソフトいらないなんて我侭言っちゃダメでしょっ!」
あーきわどかったな、今、・・今お姉ちゃんと言いそうになったでしょ、お母さん
「だって、欲しくないもんっ、それにっまなっ、ちゃんとモリオパーティーが欲しいですって昨日の夜、短冊に書いたもんっ」
・・七夕かっ、靴下という存在を忘れてるみたいね愛・・にしても、昨日の夜?
ふと、私はツリーに近づいてみてみると、確かに新たな短冊があった事に気づく
昨日私が見た短冊は・・あ、お母さんの下にあった・・にしても、昨日描いてるそぶりなんて・・んん?
もしかして、私が寝始める頃聞いたあのゴトゴト音か・・?だとしたら納得いくという事にしておこう
「そもそも短冊にかくものじゃないでしょうっ!」
怒るとこ、そこー?いや、わかるわよ、言いたい事は、けど、そんな怒鳴らなくても・・
「と・に・か・く、もうサンタさんがプレゼントしてくれたものなんだから、イヤでもがま・・」
「い〜〜や〜〜マナ、モリオパーティーがいーの〜〜」
「はぁ・・・愛ちゃんっ!!!」
「ひぇっ」
怒鳴られ、お母さんの膝の上でびくっとぎゅっと眼を閉じて、縮こまる愛、あーあ、知らないわよ〜
「我慢しなさいっそれまでママ絶対許さないんですからねっ」
そう言って、手を振り上げて・・
ぱぁんっ!ぱぁんっ!ぱぁんっ!ぱぁんっ!ぱぁんっ!ぱぁんっ!ぱぁんっ!ぱぁんっ!
「ひああぁ〜〜ん〜〜いたぁいっ!いたぁいっ!いたぁいぃ〜〜〜〜〜〜」
ちっこい愛のお尻を叩き続けるお母さん・・

ぱぁんっ!ぱぁんっ!ぱぁんっ!ぱぁんっ!ぱぁんっ!ぱぁんっ!ぱぁんっ!ぱぁんっ!
「やぁーーーっ!!いたいぃ〜〜いたぁいぃよぉ〜〜〜マ〜〜マ〜〜〜」
「痛くて当たり前でしょっ!お仕置きなんだからっ」
ぱぁんっ!ぱぁんっ!ぱぁんっ!ぱぁんっ!ぱぁんっ!ぱぁんっ!ぱぁんっ!ぱぁんっ!
「ああ〜〜〜ん〜〜〜いたぁいぃ〜〜〜うぇえーーーーん〜〜」
「痛いっ痛いって痛いしか言えないの!?」
ぱぁぁんっ!!
「ひゃあああーーーんっ」
うぉ、これは痛いぞ〜これだけ怒ってるとお尻を叩くたんびに叩く威力が強くなりそうな勢いね
「どれだけひどい我侭言っているのか、わからないのっ!?」
ぱぁぁんっ!!ぱぁぁんっ!
「うあああーーーーーーーーーん〜〜〜」
「ホントッ悪い子っ!!そんなごめんなさいもしないで反省もしない子はママ、ぜぇったいにっ許しませんからねっ!!」
ばっちぃんっ!
うわ、今のはキョ〜レツゥ〜・・・わかちこわかちこ、は言わないわよ
「っ!!あああーーーーーーーーーんっ」
飛び上がる程のけぞる愛、強烈な平手は既に赤いお尻でも、ハッキリと形が出てた・・痛いぞ〜ありゃ
「ふ・・ふぇ・・ふぇぇっ・・」
愛はビクビクと怯えながら、お母さんの顔を覗きこみ、お母さんの形相を見て、すぐさま、眼を背けた
「うっ・・ひっく・・ゆ・・ゆるしてぇ・・ひっく・・マァマァ・・ふぇっ・・」
ぐったり気味に怯えながら声を出す愛・・必死に声を出している感じで、流石に可哀相・・
「許しませんっ!」
ばっちぃんっ!ばっちぃんっ!!
と考えているうちに、愛のお尻を強く叩くお母さん
「うああーーーーーーーーーーーーーーーーん〜〜〜ごめんなさぁああーーーーいぃ〜〜」
・・やっぱやりすぎよね
「ごめんなさいしてもっもうっママは許しまっせんっ!」
ばっちぃんっ!
「うええーーーーーーーーーーん〜〜ごめんなさいっごめんなさいっごめんなさいぃ〜〜ご〜めん〜〜なさいぃぃ〜〜」
「そう言えば許されると思っているの!?」
そう言って、ぐぉっと手を振り上げるお母さん・・更に強く叩くつもりっぽい
あーダメだわ、怒鳴って怒るだけの繰り返しで・・これじゃあ、愛をムダに泣かせて怯えさすだけだわ、怒られるかもしんないけど、愛を助けないとね
「はいっ、ストーップ、お母さんっ」
がっ
私は愛のお尻を叩こうとしているお母さんの手を掴んで止める
「なに?理奈?」
「いや、そんな怖い顔しないで、ホラッそんな顔してるから、愛だって、怖がって怯えているじゃない」
「だって、それは愛ちゃんが・・」
「わかってる、けど、今の状態じゃ、反省なんてとてもしない・・というより出来ないわ」
そう言って、ひたすら、とりつかれたように・・
「ごめんなさい・・ひっく・・ごめん・・なさい・・ごめんんなさいぃ・・ぅっ・・うぅっごめ・・んなさいぃぃ・・けほけほっ・・うぅ・・ごめ・・うっ・・なさい・・」
むしろ呪文のようにごめんなさいとむせたりしながらも、必死な感じに言いまくる愛を見るように目配りをする私
実際叩かれた回数は前にお仕置きされたのから比べると少ない方・・けど、ここまで許して貰おうと必死過ぎる愛は今年初めてだわ・・
ついで言うとここまで怒鳴りちらしてる怖いお母さんを見るのも今年初めてだしね・・実際、叱られていない私ですら、
今のお母さんはちょっと所じゃない程怖いと感じてるわけで・・
「・・・・・・はぁ・・」
さすがのお母さんもこの様子を見て、やりすぎたと思ったのでしょうね、落ち込んだように、頭をがくっとさげ、ため息をついて泣きそうな顔していた
「愛も悪いけど、お母さんも悪いっ」
「う・・ごめんなさい・・」
「そう思うなら、まずは・・?」
「あ・・えっと・・その・・愛ちゃん・・ごめんなさい・・」
分かってるようね〜、お母さんは愛を膝から降ろすとやさしくお尻をなでつつ抱きしめた
「痛かったね・・つらかったね・・ごめんね・・ごめんね・・やりすぎちゃったね・・ごめんね・・愛ちゃん・・」
「うっ・・ひっく・・マァマァ〜〜〜痛かった〜〜〜うぇえーーーーん〜〜」
愛もぎゅっとお母さんを抱きしめた
「うんうん・・やりすぎちゃってごめんね・・愛ちゃん・・」
「うええーーーーーーん〜〜」
「けど、愛ちゃんも悪いのよ、我侭言って・・けど、ママはママでやりすぎちゃったね・・ごめんね・・ごめんね・・」
「うん・・ひっく・・マナもぉ・・ごめんなさい・・けど・・けど・・」
「けど?」
「マナ・・モリオ・・ぐす・・パーティーが欲しいの・・ひっく・・」
「・・・まだ言うのね・・(ぼそっ)」
・・・まだ言うか、お母さんがムッときてますよー愛さんっ!けど、まーまずは、やりすぎた件はたぶん、これで解決ね
「・・っいたいいたいいたいぃ〜〜ママ〜〜いたいぃ〜〜〜うぇえーーん〜〜」
んぁ?何でまた叫ぶの?
「あらぁ?そぉう?ちょっとお尻・・強くなですぎちゃったのかしら〜〜〜?」
まだ我侭言った事のお怒りだろう・・お母さんは愛のお尻を強く握っていた・・
「いたいぃよ〜〜〜あぁ〜〜〜ん」
正直あの時は私も、ムッ!?と思ったけど・・こりゃ泣き止まないな〜こりゃご機嫌とらないとそ〜と〜泣き止む気配ないっぽいわね〜・・
しょーがない何とか出来そうだったらしてみますか
「あら?どうしたの理奈?」
私は立ち上がり、クリハンの状態を調べる、うん、開封はされてないわね、これなら・・モリオパーティーと取り替えて貰えそうね・・
ま〜正直何でここまでお仕置きされてまで意地はって、ごめんなさいしなかったのかわからないから、あんまノリ気になれないんだけど・・・
ま〜けど、昨日皆で遊んだ、モリオパーティー面白かったもんな〜・・クリハンより先にやっちゃって、面白かったから、
そっちが欲しくなっちゃんだろうなぁ〜・・・と納得いく理由が作っても、やっぱ、愛のおねだりは我侭すぎる気がしてやっぱノリ気になれず・・
「はぁ〜」
つい、ため息がもれた・・・けど、しょーがない、我侭姫の愛さんのお望み通り、モリオパーティーでもプレゼントしてあげますか・・
つっても、店行って出来れば商品取り替えて貰うだけだけど
「あら?どうしたの?今度はため息なんてついて?」
「ん、別に・・ただ、サンタさんも間違いおこすのね〜ってね」
「・・うん?」
「まーな」
私はやさしく愛の頭をなでなでしつつ、指で涙をぬぐいつつ、愛に話しかける
「・・・な・・なに・・おねえちゃん?」
「お姉ちゃんね、サンタさんとお友達なんだ」
「え?そーなの?」
「そ、前にサンタさんとお話してた事あったでしょ、あの時とかあの時とか・・」
うんうん、そうそうあの時とかね・・・正直どの時なんでしょうかね?私にも分かりません
「え・・ん〜・・あっあの時!」
どの時よ?・・けど、ま〜何かソレっぽい事があったっぽいのでよっしゃっ
「お姉ちゃん、サンタさんにモリオパーティーをプレゼントしてくれるように頼んでみるわね」
「え・・ホントー!?」
「ホント、ホント、ま、期待して待っててねん」
「うんーっ!!えへへへっ楽しみ〜〜っ」
お尻の痛みをすっかり忘れているような、満面な笑み・・・さっきの泣き顔はどーした愛、強い子に育っちゃってもー・・
いや、そーいうのとはまた違うのか?まーいいわ、とにかく・・
「じゃ、そゆことだから行ってきまーす」
「ちょっと、理奈」
「な・・何?」
私がそう聞くと、お母さんは耳うちしてきた
「何?じゃないでしょ?・・なんでそう愛を甘やかすの」
「まーいーじゃない、たまには」
「よ・く・な・い〜、というか、第一、何で理奈は怒らなかったの、理奈が買ってきたのに・・」
「え・・?ん〜なんだろ?大人のよゆうという・・」
「理奈ちゃん?」
うわ、ちゃん付けされたうえに笑顔なのに、そっちの方がいつもより怖っ、ふざけてすみませんでした
「えぇと・・ま〜いいじゃない、あえて言うなら・・そうねぇ、愛の笑顔が見たい、それだけじゃダメ?
せっかくのクリスマスだし、愛には喜んで貰いたいのよね」
「・・それは・・はぁ・・・もぉ〜愛に檄甘なんだから」
激あ・・って、え?檄・・?激と似てるけどもっ初めて見たわよ、そんな漢字っ・・てか、その字だとどういう意味になるの!?
「え〜と、それは、自覚してますけど、それは〜アレよ、愛に激甘なお母さんの子ですから」
そう言うと、お母さんはもぅ・・と言いながらも困ったような笑顔だった・・ふっふっふ、グゥの音も出せない状況にしちゃったかなー?私ってば
「じゃ、そゆことで、サンタさんに取り替えて貰うように抗議してきまーす」
「いってらっしゃい、遅くならないようにね」
「いってらっしゃ〜いお姉ちゃん」
「大丈夫よ、じゃね〜、あ、愛、しっかり良い子に留守番・・ってお母さんいるだった」
「ひどい、目の前に居るのに存在忘れたような言動っ」
「あははは、じょーだんじょーだん、じゃね〜」
「うんーっ・・・ママ〜〜」
私を見送ってくれた愛、さりげに後ろを振り向くと
「あらあら、どーしたの?」
「お尻いたいぃ〜〜あと、だっこ〜〜」
「えー?んも〜しょうがないわね〜」
・・・やっぱお母さんも愛に激甘だったようですな・・何がしょうがないわね〜よ、嬉しそうな顔しちゃって、たく、人の事言えないじゃない・・・
ま、けど、あんだけ怯えてた愛だったけど、お母さんを嫌いにはならなかったようで安心したわ
そんなこんなで私はゲーム屋へと、向かい、ゲーム屋の話やすそうな若い店員に事情を説明した・・らだ
『開封されてないので大丈夫ですよ』
と言われ私は・・・『狙い通り』・・・と某新世界の神になりそこねた人が言いそうなというか言ったセリフを頭で言った・・
「え?」
「え?やややっなんでもないですっあはっあはははっ」
と思ったら口に出しちゃってた・・あはは・・はは・・あーぶねー
「あ・・値段が違ってますね、・・クリハンの方が値段高いですね、お金、一旦返しますね、・・でこちら、モリオパーティーでよろしいのですよね?」
「はい、そちらでお願いします、あ・・サランラップ・・じゃねーてばっえ〜と、ラッピングもお願いします」
「・・はは・・わかりました」
うわぁ、やっちゃったっもー帰りたいっ!
と思っていても、ゲーム屋の人はゆっくり丁寧にラッピングしてくれたわけで・・
「いや〜すみませんでした〜」
「いえいえ、たまにあるんですよ、孫にプレゼントしようとしているおじいちゃんとかが・・」
「なるほどね、あ、有難う御座いました〜、また何かあったらよろしくっ店長」
「・・・ははは(店長じゃなくバイトなんですけど・・)」
なぜかひきつり笑顔・・なんでだろ?私何かした?まーいいやっ急いで帰るぞ〜
と思った矢先・・
ママ〜〜うぅ〜〜う〜〜♪(着メロ)
フレディ・・じゃなかったママからの電話だわ
ピッ
「はい、もしもし?どしたの?お母さん?」
「理奈ちゃぁ〜〜〜んっ」
いきなり泣きそうな感じで叫ぶお母さんの声
「どうしたの!?」
「愛が〜愛ちゃんが〜居なくなっちゃったのぉお〜〜」
「えぇぇ!?愛がぁ!?」
「どどどっどーーしよぉ〜〜〜!?」
「えーとえーとえーとえーとえーとっ!」
ヤバイっまじどーするっ!?あ、そだっ手がかりっ
「えーとっお母さんっまずはっ・・・なーーいっ」
「えぇぇ!?何が!?」
「あっとごめんえっとえっとえっと・・あーあーあーあーっどーーー・・・あーわからーんっ」
いったいどこへいった?何を求めて何を探し何を得た!?いや、マジホントッどどっどーする!?アイフル!?いやちゃうてっ
「りりっ理奈っ!理奈っ!落ち着いてっ落ち着いてっ」
ハッ!・・・私はその言葉に若干冷静さを取り戻す
「まずは・・んーーんーーんーーどーしよぉ〜〜!?」
・・けど、結局わからんままでパニクったままなのね・・いやっこここっここで私がパニクッたんじゃダメだっ、落ち着いて私は考える・・・・
ん〜〜あっそうだっ!
「お母さんっもちついてっ!とにかく、愛が急にお友達の家に遊びに行ったのかもしれないし、愛の友達の親に電話してっ」
「え・・あっそっそうねっ!うん、頑張って電話してみるっ」
「うんっとにかく、よろしくね、私は適当に愛が行きそうなとこ、探してみるっ」
「ええっ、頑張ってっ」
ピッ!
私は電話を切って、ポケットに携帯をねじこむと、走り出す
「どこだーーーっまなぁあぁあああぁあ〜〜〜〜」
とかなんとか叫びながら・・今は恥ずかしさなど考えてられんっ!実際にその叫びは届いたのだからっといっても届いたのは・・
「何で叫んで走ってんのーーっ!!」
「っ!!おおぅっ!カズキ君っ!」
愛の友達のアイミちゃんの兄のカズキ君だった
「今晩はっ!カズキ君」
「え?あ、今晩は〜愛ちゃんのお姉ちゃん・・何でこんなところに?」
「え?」
「愛ちゃんと一緒じゃなかったっけ?」
「ええ!?どゆこと!?」
「え?・・あっもしかして・・」
「ん!?何か知ってるの!?」
私がそう叫ぶとちょっとびびりながら、けど、しっかりと事情を説明してくれた・・
「そっか・・わかったっありがとねっカズキ君っ!」
私はカズキ君のおかげでハッキリと目的地が分かったのでそこまで猛ダーーッシュッ!
カズキ君の証言的なのによると、カズキ君がお手伝いのお使いの途中、一人でどこかへ向かう愛を発見し、何をしているのか?と聞くと・・・

〜〜丸井駅〜〜
「はぁはぁ・・お父さんを一人で迎えに行くだなんて・・もぉ・・はぁはぁ・・愛ったら・・」
お父さんを迎えに行くの〜、と言っていたそうだ、そこで、カズキ君はどこにお父さんは来るの?と聞くと「まぁるい駅〜」と言っていたらしい・・
正式には丸井駅・・つまりここだっ
「え〜と・・着いたはいいけど・・愛は・・」
でで、カズキ君は親切にも、愛を丸井駅まで送ってくれたそうだ、カズキ君いわく、駅内で一番目立つ大きな柱の前で別れたと聞いたんだけど・・
その柱に愛の姿はなかった・・
「くぅっそぉ〜〜どこだぁ〜〜!?」
私は必死にキョロキョロ見渡す・・・愛が探しにまわりに行った可能性大だからだ、なぜならっお父さんが帰ってくるのは明日なんだから〜〜っ
心の中でそう叫びながら、必死に見渡すとっ
「っ!!愛っ!?」
今日の愛と同じ服装&見た目の子供の後ろ姿が・・しかし・・誰か知らない大人の人と一緒!
知らない人にはついていくなって口をすっぱくして言ったと思ってたのに〜〜
「・・別人・・・いや・・・良く見ると・・あれは」
見れば見るほど、子供の方は完全に愛だった、私はお姉ちゃんだもん、見間違うわけねーっ!
という事はあの大人の方っゆかいはんかーーっじゃねーっっ誘拐犯かぁーーっ!!
「ごらあーーってんめーーっ愛を離せっこのやろーーっ!!」
だとしたら、私のやる事はただ一つっ!愛を取りもどせっ!!・・ってそれだと北なんとかの拳じゃね!?
「おらぁーーっ!」
そんなこんな事ごちゃごちゃ思いながら、なりふり構わず飛んでキィィーックッ!!
「なっ!?」
私の叫びに驚き振り向く男性・・・・ん?あれあれ?この人・・見覚えありますよ?
「ひぁぁっパパァーーッ!!」
驚き硬直する愛・・・・
やはり、お父様でしたかーいや〜てっきり・・まー気づいても遅いのよねーだって、私飛んでるもん、足とか前に出して・・
ドカァッ!
「ぐっはーっ!」
どさーと倒れるお父さん・・やべーっやばすぎて、何か・・こう動けねーっ
「パパーッ!」
「いつつ・・・な・・だれ・・って理奈っ!」
「ごごごっごめんっ!お父さん!大丈夫!?」
と言って、急いでお父さんのもとへいって、しゃがんだ時・・いきなりお父さんの手が伸びて・・
「へ?」
がばーっと私は、立ち上がろうとせず、あぐらしちゃってるお父さんの上へ・・腹ばいに・・しかも、いつの間にかスカート捲くられてて・・
え?ウソォ!?冗談よね?ま・さ・か!?
「理奈ぁっ!!」
ばっちぃんっ!
「っ!!あひぃーーんっっ!!!!」
やややっやっぱり〜〜この年でお尻ぺんぺんんん〜〜〜!?私は思いっきり、下着の上からお尻をぶったたかれたっ!!
「お父さんはそんないきなり飛び膝蹴りするような子にっ育てた覚えはないぞっっ!!」
ばっちぃんっ!ばっちぃんっ!ばっちぃんっ!ばっちぃんっ!ばっちぃんっ!ばっちぃんっ!
「いだーーーーっいたぁいっいったいっいたいぃぃ〜〜いぃたぁあーーーいぃ〜〜ああーーごめんなさーーいっ」
ごもっともです〜〜っ、私だって、そんなんする子に育った覚えないのにーっしかも、普通の飛び蹴りしたと思ったのに、
ニー(膝)まで混ぜちゃってるとは思ってなかったんです
にしても、いったぁいっ!!こんなに痛かったっけ!?お尻ぺんぺんって!?てか恥ずぃっ!
ごちゃごちゃしてるほど人が溢れてる駅でお尻さらして、ペンペンされてるなんてぇ〜〜
「まったくっもう成人してるというのにっなんなんだっ!バカムスメッ!!のおてんば娘っ!!」
ばっちぃんっ!ばっちぃんっ!ばっちぃんっ!ばっちぃんっ!ばっちぃんっ!ばっちぃんっ!
「あぁーーーっいだいぃいーーっいたいってば〜〜〜ごめんなさーーいっも〜〜二度としませーーーんっ」
ばっちぃんっ!ばっちぃんっ!ばっちぃんっ!ばっちぃんっ!ばっちぃんっ!ばっちぃんっ!
「うああーーーーーん〜〜いたいぃ〜〜いたい〜〜〜ってばぁあ〜〜やめてぇ〜〜〜」
いくら叫んでも、やめてくれそうにない勢い・・もうお尻は真っ赤っぽそうだなぁ・・
ああ、もう泣きそうっ!痛いしっ!恥ずかしいしっ!逆に笑えてくるほどおかしな状況だけど、
もーほんと笑えないっ愛なんてぼーぜんとしてっ固まっちゃってるし
ばっちぃんっ!ばっちぃんっ!ばっちぃんっ!ばっちぃんっ!ばっちぃんっ!ばっちぃんっ!
「ああーーーーーんん〜〜ごめんなさぁあああーーーいぃ〜〜もぉ〜〜ほんと〜〜しないからぁ〜〜」
「あたりまえだろーっ」
ですよねーーっ
ばっちぃんっ!ばっちぃんっ!ばっちぃんっ!ばっちぃんっ!ばっちぃんっ!ばっちぃんっ!
「あうぅぅーーーっいひぃぃーーっいだぁああーーーっうあーーーーーっごめんなさーーーいぃ〜〜うぅ〜〜〜っ」
痛くて・・
ばっちぃんっ!ばっちぃんっ!ばっちぃんっ!ばっちぃんっ!ばっちぃんっ!ばっちぃんっ!
「うぅぅぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜いいぃぃいぃい〜〜〜〜〜〜〜〜〜あぐぅーーーーっっごめん〜〜なさいいぃ〜〜〜」
痛くて痛くて・・・
ばっちぃんっ!ばっちぃんっ!ばっちぃんっ!ばっちぃんっ!ばっちぃんっ!ばっちぃんっ!
「うああーーーーーんん〜〜〜ごべんなぁあさぁああいぃぃ〜〜〜〜〜うぇえーーーん」
でもパパにお尻ぺんぺんして叱られた事が懐かしい・・・我慢してたけど、やっぱ我慢出来ず泣いちゃった・・
ばっちぃんっ!ばっちぃんっ!ばっちぃんっ!ばっちぃんっ!ばっちぃんっ!ばっちぃんっ!
「あああーーーーん〜〜もぉ〜〜ゆるちてぇ〜〜〜ぱぁ〜〜〜ぱぁ〜〜〜」
我慢しきれず泣いちゃったらもう・・今の私は居なくて・・こらえきれなくて・・暴れた・・
「まだまだっパパは許さないからな」
ばっちぃんっ!ばっちぃんっ!ばっちぃんっ!ばっちぃんっ!ばっちぃんっ!ばっちぃんっ!
「うえええーーーん〜〜ごめんなちゃいぃい〜〜パパーーパパーーっああーーんっ」
子供の頃、パパのお膝の上で叱られる私がそこに居たんだと思う・・

あーぁ、大人になってると思ってたのになぁ・・やっぱりいくつになっても・・パパには敵わないなぁ・・とほほ

ばっちぃんっ!ばっちぃんっ!ばっちぃんっ!ばっちぃんっ!ばっちぃんっ!ばっちぃんっ!
「びぇええーーーーーん〜〜〜ごめんなちゃぃぃぃ〜〜〜ぱぱ〜〜ゆるちてぇええええーーーもうちまちぇんんん〜〜〜〜〜っ」

昔から変わらない、とても痛い、パパの大きな手・・

「反省したか?」
「うん・・ひっく・・ぐす・・はんしぇぇしましたぁぁ・・・うっ・・」
私はそう言われ、ひっくひっくとぐずつきながら、必死にコクコクと首を上下に動かす
「そうか」
ぎゅっ
「ひゃわっ」
お父さんは許してくれたのだろう、私の頭をなでながら、強く抱きしめてくれた・・・
あぁ・・そうだ、お仕置き終わりはいつも泣いてる私をぎゅっと強く抱きしめてくれたもんね〜
「痛かっただろ、理奈〜、全く、悪い子め〜、けど、そんな理奈でもパパは大好きだぞ〜」

昔から変わらない・・愛情・・と

「うぇぇ〜〜〜〜ん〜〜〜パパ〜〜〜痛かったよぉ〜〜〜」
「うんうん、よーしよしよしよーし、もう2度とするなよ〜」

それに甘える、体だけは大きくなった子供な私・・
懐かしいなぁ・・お仕置き最中はつらくて逃げたくてバタバタ暴れて・・ホント逃げたくなる程イヤだし、
ちょこっと何でこんなにも泣いてるのに許してくれないのっ!って怒ったりしてたり、嫌ったりしてたり・・してるのに・・しちゃってるのになぁ・・・、
けど、不思議と終わった後、ぎゅっとされると・・そんな事忘れて甘えたくなっちゃうのよねぇ・・
ま、なんだかんだされたって、パパはパパ、大好きなパパだもん、当然よねぇ・・

だから、当然という言葉(言い訳かもね)を利用して現に今、凄い甘えちゃってます・・
「・・いやぁ、お仕置きされてる時は子供のまんまだなぁ・・と思ったのに、やっぱり大人になったなぁ〜理奈・・重い」
結構お仕置きされた後、眼一杯甘えた私は・・
「・・・うるさい・・ぐすん」
ぐずる私をお父さんにおんぶして貰いながら、家へと帰る・・本来なら、パパの背中、ここが愛のポジションだったろうに・・
ごめんね、マナ、けど、許してね・・・とパパの背中をとられて、すね気味な愛にウインクしてみる・
・距離が遠かったのか・・そのウインクは届きはしなかったっぽいけど・・
「あぁ・・思い出すだけで、顔からマグマが噴出しそうよ・・」
ホント今思い出すと、死ぬ程恥ずかしい・・
「ははははっまーそーだろうな〜その歳でパパにお尻ぺんぺんだもんな〜」
「うぅ〜〜〜」
「いや〜しかし、前にお仕置きした時の理奈のお尻は小さかったのにな〜ホント大きくなったよなぁ〜
あははは・・まさか、そんな大きくなったお尻を叩いて叱る日が来るとは思ってなかったぞ〜」
「うぐっ・・うううっうるさいっ!うるさいっ!!てかセクハラッ!
あとっ元はといえばっサプライズだか何だか知らないけどっお父さんが一日早く帰ってきたからでしょーっ!そりゃあ愛を拉致したって・・」
「思わないだろ〜単純すぎだろ〜」
うぐっ・・ごもっともです・・いや〜あの時は若気のいたりってヤツですよ・・さーせんっした
「うぅ〜〜」
悪いとわかってる・・けど、いざ言われるとやっぱ恥ずい・・くっそ〜反撃しちゃる
「うるさい〜〜このっこのっ」
ぎゅっぎゅっ
「はははっぐぇ・・絞める程抱きつくなよ〜理奈〜いや〜ホント昔から理奈は甘えたがりだなぁ〜」
「何でそーなんのよっ!」
「ははははは・・」
「はははっじゃなーいぃ〜〜こんにゃろめっ」
ぎゅぅぅ〜〜〜
「ははははは・・」
「まだ笑ってっこのっこのっ・・どーだ参ったかっ」
ぎゅっぎゅっぎゅむぅう〜〜〜
「はははは〜いい所まではいってるぞ〜」
つぇぇっ!結構絞めてると思ってるのに・・こうなったら・・
「む〜、んじゃあ、援軍呼んじゃおっかなっ」
私は飛び降りる
「お?」
「愛っカモンッ」
「えー?」
「パパの背中がガラ空きですよ、今が抱きつき攻撃のチャンスであります」
「え・・うんーっ!」
「よしっいけーまな〜」
私は愛を抱っこして、お父さんの背中に愛を乗せた
「えいぃ〜〜」
ぎゅぎゅぎゅ〜〜
「はははは、なかなかだが、愛だけじゃぁお父さんはまいったしないぞ〜?」
「でしょうねっだから私も〜」
私もお父さんに抱きつく
ぎゅ〜〜
「う・・流石にこれは・・動けない」
「ふふん、でしょでしょ?」
「でしょ〜?」(愛)
「参った、パパの降参だ〜、愛はともかく理奈は離れてくれよ〜」
「いやよ、けど、ちょっとぐらい、抱きつき攻撃の手をゆるめてあげる〜」
私はやさしく、パパに抱きつく・・これなら、移動に支障ないでしょ
「しょーがないな〜理奈は〜はははは」
「どーいう意味よっ」
「いや〜お姉ちゃんになって甘えんぼは卒業したと思ってたのにな〜」
そう言われてボッと赤面する私・・実際の所、確かにそうかもしんない・・そんな赤面する私を見て、愛がニコニコ笑っている
「おねぇちゃん、タコさんウインナーみたいにまっかっか〜」
「なっ!・・・ぅー」
くそぅ、バカにされた・・私はトマトの如く、赤面しながら、ぶーたれる
「はははっホントだな〜口もタコさんみたいになってるぞ〜理奈〜?」
「うーるーさーいー」
「おお、そだ、これはアレだな〜愛の好きなタコさんウインナーならぬ」
「ならぬ〜?」
「理奈さんウインナーだな〜ははは」
何よそれ、・・・ここまでばかばかしい事言われると
「なにそれっふふふっ」
逆に可笑しくなって、つい笑っちゃった
「あははは〜」
それにつられて愛が笑い
「はははは〜」
「ふふふふっ」
お父さんも笑った・・ちょっと恥ずかしいけど・・二人の笑顔が幸せそうで私も自然と笑顔になった

・・とまぁそんなこんなで、笑顔絶えない感じのまま、家のついたわけですが・・
我が家には鬼さんが待って居たわけで・・・

ぱぁぁんっ!ぱぁぁんっ!ぱぁぁんっ!ぱぁぁんっ!ぱぁぁんっ!ぱぁぁんっ!ぱぁぁんっ!
「うえええーーーーーーんん〜〜〜いだいぃよ〜〜〜ままーーーっごめんなさあぁああいぃぃ〜〜〜
勝手にぃ家から出てごめんなさあああ〜〜〜いぃ〜〜〜〜」
クッションの上で腹ばいにして寝て、お尻をつきあげたポーズでお尻をぺんぺんされ、泣き叫ぶ愛・・・あーぁ・・かわいそーに・・
と言ってる私ですが・・
ぱぁぁんっ!ぱぁぁんっ!ぱぁぁんっ!ぱぁぁんっ!ぱぁぁんっ!ぱぁぁんっ!ぱぁぁんっ!
「うああーーーっいったあああーーーいぃ〜〜いたい〜〜ごめんなさいっごめんなさいっマジでゆるひてえぇえええ〜〜〜〜」
「全くっもうっいい年してっお父さんに飛び蹴りくらわすなんてっ何考えてんの!!」
実は私も同じ体勢で愛の隣でお仕置きされちゃってたり・・お父さんに叩かれたのに・・お母さんにも叩かれるなんて・・色んな意味でめっちゃイタイィ・・
などと思っているうちに、お母さんは愛のお尻を再び叩き始めていた
ぱぁぁんっ!ぱぁぁんっ!ぱぁぁんっ!ぱぁぁんっ!ぱぁぁんっ!ぱぁぁんっ!ぱぁぁんっ!
「ごめんなぁあいぃぃ〜もぉ〜〜2度としましぇえんん〜〜〜〜ごめんなさああぁいぃぃ〜〜」
「当たり前でしょっ!迷子になったらどーするつもりだったのっ!!・・じゃ、次理奈ちゃんねっ」
ええーー!?また私ー!?
「ほほほっほんともうしないからゆるし・・」
ぱぁぁんっ!ぱぁぁんっ!ぱぁぁんっ!ぱぁぁんっ!ぱぁぁんっ!ぱぁぁんっ!ぱぁぁんっ!
「てぇーーーーーーんっああーーーーっんぐぐ〜〜〜〜うえええーーーーんもぉ〜〜ムリィ〜〜」
「2度としないのは当たり前っ!お父さんに当たったから良かったものの」
「いや、良くはないぞ!?」
「アナタは黙ってて」
「・・・はい」
パパの扱いひでぇなっ
「・・理奈っ!愛ちゃんに当たったらどーするの!?」
ぱぁぁんっ!ぱぁぁんっ!ぱぁぁんっ!ぱぁぁんっ!ぱぁぁんっ!ぱぁぁんっ!ぱぁぁんっ!
「ひぃぃーーーっっごめんなさあああーーーいぃぃぃ〜〜」
「・・ふぅ・・全く・・次、愛ちゃんね」
「ふぇぇっっ・・やだぁっもぉ・・ぺんぺん・・やだぁ・・」
愛がそう言っても・・
ぱぁぁんっ!ぱぁぁんっ!ぱぁぁんっ!ぱぁぁんっ!ぱぁぁんっ!ぱぁぁんっ!ぱぁぁんっ!
やっぱり容赦なく振り下ろされる平手乱打・・
「あああーーーーーんんん〜〜〜いたああーーーーいぃ〜〜ごめんなさぁああーーーいぃ〜〜〜もぉ〜〜しませぇぇんん〜〜〜
ふえええーーーーーん〜〜マ〜〜〜マ〜〜ごめんなさーーいぃ〜〜」
「ホントにもうっ・・・愛ちゃん・・・・それと理奈ちゃん」
お母さんはそう言うと、私と愛を起こして、真剣に見つめながら、流れる涙を指でぬぐってくれた・・
「もう・・2度としない、ママに誓える?」
「・・ぐす・・うん・・もぉ・・愛・・何も言わないでどこかに行きません・・っふっ・・うっ・・」
「・・理奈?」
「・・はい・・もぉ・・2度と・・うっ・・しましぇん・・」
「・・・・・よろしい」
真剣に見つめる母の眼は何かこう怖いものがあった・・けど、よろしいと言った時同時に見せてくれた笑顔を見たとき、
凄くホッとした・・本当に許してくれたんだなぁ・・と思うと、まだ・・
「ふぇ・・ふぇぇ・・ごめんなさぁああ〜〜〜いぃい〜〜〜ママ〜〜〜」
「あら?」
「うっ・・ごめんなさああーーーいぃ〜〜〜」
泣きやめそうにない、安心しちゃったら、出すまいとこらえてたもんが一気にあふれ出ちゃった・・
「あらあら・・もぉ・・二人とも〜ちょっと泣き止んでたのにまた泣いちゃってぇ〜」
そういって、困ったような笑顔をしながら、お母さんは私と愛をぎゅっとやさしく抱きしめた
「ふぇえーーんいたかったよぉ〜〜ママ〜〜」
「そうよね〜痛かったよね〜でも、逃げれたのに、逃げずに頑張ったもんね〜愛ちゃん、えらいえらい」
そう言ってやさしく愛の頭と赤くなったお尻をなでるお母さん・・羨ましい・・
「うっ・・うぐ・・私も・・痛かったもん・・ちゃんと・・逃げずにお仕置き受けたのにぃ・・」
愛が羨ましい〜〜〜ので、拗ねてみる
「あ、理奈ちゃんも頑張った頑張った」
「とってつけられたように言われても嬉しくなーいーーっだっ」
実は嬉しかったけど・・わざとらしくすねてみた
「ふふふ・・ごめんね、理奈ちゃん、けど、ママは愛ちゃんも理奈ちゃんも等しく愛しているから・・」
「・・・・・
「ホントよ、いくつになっても・・ね」
「うん・・お母さん・・」
「ふふ、理奈、お母さんじゃなく、ママって、呼んでもいいのよ?」
「・・・・」
それは流石に恥ずかしいのでやだ
「理奈ちゃん、甘えたい時は恥ずかしがらずに甘えていいのよ?理奈ちゃんはいくつになっても私の可愛い愛娘ですもの・・
だから、叱るし、甘やかすし、甘えさせたいし、甘えて欲しいの・・・わかる?・・わよね〜、もう子供じゃないものね、ふふふ」
「・・・うん・・ママ・・」
私は照れたように笑いながら、静かにうなづき、ママに甘える
「・・・・?」
愛には何を言っているのか伝わらなかったのか、きょとんとしていた
「そうだぞ〜理奈〜だから、パパにも甘えたいだろうから、甘えていいんだぞ〜だから・・」
「アナタは黙ってて」
「・・・はい」
・・そして、相変わらずお父さんの扱いはひどかった

その後も私と愛はお母さんにべったり甘えた・・十分甘えて、大人に戻った後は風呂掃除しないとなぁ・・とか思っちゃったわけで・・
そういうとこ気にしない愛はいつまでもお母さんや・・しまいにはお父さんにまでベッタベタで・・そんな甘えんぼな愛にお母さんはニコニコ笑っていた・・
あっそういえば
「おー、そだっまーな」
「んー?なに〜お姉ちゃん?・・あれ〜どこいくの〜?」
「ふっふっふ〜・・・マーナ、・・じゃじゃんっ、サンタさんからのプレゼントだぞ〜」
そう言って私はすっかり忘れてたっぽい愛が欲しがっていたモリオパーティーが入ってる袋をとってきて、お目当ての物を取り出して見せた
「え・・っ!あっあーーっ!!本当に取り替えてくれたの〜〜?」
「うん、愛、いーこだったもんね、と・く・べ・つだそうよ、良かったわね、愛」
「うんーっやった〜〜〜〜ありがと〜〜〜サンタさんっ」
「あはは〜いやいや〜私はサンタさんじゃないですよ〜?」
「あ、そうだった、じゃあ、サンタさんに有難うって言ってねっお姉ちゃん」
「お、了解でーす」
「えへへ♪」
・・相変わらずさっきの泣き顔はどこへやら・・コロッと極端に変わる愛の表情に本当に反省したのかしらぁ・・?
という感じにちょっと心配そうだけど笑顔な母と、喜ぶ愛に純粋に嬉しそうにしてる父・・そして、その両方合わさった感じな気持ちと顔してる私・・
「・・・ホントはね・・クリハンも欲しかったの・・」
うおっ・・まさか、ここでそんな我侭を!?・・・あーお母さんがよろしくない顔してますよーっ
「でもねでもねっマナ、こっちが欲しかったの〜〜」
「そっか〜、良かったわね〜マナ」
「うんーっ!だってねっだってねっこっちだと、パパも、ママも、お姉ちゃんもっ、皆で遊べるんだもーんっ」
・・・・え?
・・あぁ、そっか・・愛は別に『モリオパーティー』が欲しかったわけじゃなかったのね・・皆と遊べるもの・・いや、物じゃなく、凄く単純な想いかな・・・
お父さんとお母さんと私とで・・『皆と遊びたい』、それこそが今年のサンタさんにお願いしたかった事だったのね・・・・・・たぶん
「・・そうだったの、愛ちゃん、だから、意地まではって頑張ってたのね?」
「うん〜」
愛が笑顔でそう言うと、お母さんはちょっとしゅんとした顔をした、愛は愛なりの考えがあっての一生懸命だったと感じたからだろう・・
今、思えば、そうよね、子供の愛からしてみれば、あの時、出来る事なんて我侭を貫きとおす事ぐらいしか、
思いつきそうにないし、ソレしか出来ないものね・・
「そうかそうか〜よーしっじゃあ今からっパパもママも理奈も愛も皆で一緒にわいわい遊ぼうな〜」
ちょっとしんみりしそうになった雰囲気をお父さんは変えてくれた・・・そうよね、ここでしゅんっとしちゃったんじゃぁ、
皆で遊ぶ事を楽しみにしている愛にガッカリさせちゃうよねっよーっしゃっお姉ちゃん張り切って、思いっきり楽しんじゃうぞ〜〜
「うんーっ!!えへへへ♪」
愛は今年一番の幸せそうな笑みを見せてくれた・・この笑顔につられて私もお母さんもお父さんも自然と幸せそうな笑顔がこぼれた・・
そんな笑顔が絶えない夜を過ごせた特別な日になるんだろうな〜

思っていました・・・

「よーし、じゃ、皆で楽しく遊ぶぞ〜」
「本当は明日がいいんだけど・・」
「まぁまぁ、たまにはいいじゃないか、皆で遊ぶなんて年の数回あるか、ないかなんだし、一杯遊ぼうじゃないか、な〜マナ?」
「うんーっ♪」
うんうん、ささ、私は準備準備・・・・・
って・・
「コントローラ人数分ないじゃんっ」
「あ」

=おしまい=


我らがマイスターあきらから素敵なクリスマスプレゼント2011!
ああ、相変わらず姉妹仲良くて和むわ……(ノ´∀`*)
このとろけるような家族愛が堪らんのですよッ!!そしてパパもいいキャラしていらっしゃる(笑)。
妹に激甘、アグレッシヴ理奈さんカッケェ!!お仕置きの理由が飛び蹴りって惚れるぜ姐さん(笑)!!
だし、愛ちゃんマジ可愛い天使!!
しかもモリオパーテー欲しかった理由が“皆と遊びたいから”だなんて、健気……ッ。・゚・(ノ▽`)・゚・。
私がコントローラー買ってあげたいッ!!
お仕置きシーンも激萌え余裕でした♪姉妹並んでお仕置きとかもうね……ありがたやありがたや。
何気ない会話が面白かったり、ゲームタイトルにニヤニヤしたり、楽しかったであります!!
とりあえず愛ちゃんにお尻ペンペンされたいので6時半過ぎに帰宅してくる(´∀`*)ノシ
今年も萌えと笑いと、温かい物語をありがとう!オイスターあきら様!

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