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千歳・千早カップリングアンケート一位記念小説



町で噂の大富豪、廟堂院家には二人の息子がいた。
名前は千歳と千早。まだ幼い双子の兄弟だ
兄の千歳が自室のテレビで星占いランキングを見ていると……
「あ、占い1位だ」
占いランキングで一位だった。
曰く“大逆転できる日!無理だと思う事にも大胆にチャレンジして!”らしい。
「大逆転……か……」
千歳は考える。
千歳と千早の関係性がひっくり返って以来、
昼も夜も主導権は弟の千早に握られっぱなしだった。
それはそれで受け入れたものの、
大逆転……できるものならしてみたいのも事実。
(たまには……)
力を抜いて、お遊び気分で、占いを信じて見てもいいと千歳は思った。
いくら千早に屈する覚悟を決めたとはいえ、
かつては弟を完全に支配していた千歳は、時々こうして
どうしようもなく千早に逆らってみたくなるのだ。
弟を組み敷いていた甘い記憶が忘れられない。
千早に手綱を握られる今も今で甘い記憶なのだが……
(そうと決まれば)
千歳は千早の部屋に行った。

「千早ちゃん……」
「あぁ、兄様!ちょうど今、お部屋に行こうかと思っていたんです!」
千早は機嫌よく自分を迎えてくれる。
この機嫌のよさを、自分が楯突けばぶち壊してしまうのか否か……
千歳は色々な意味でドキドキしながらソファーに座る千早の隣に並んで言ってみる。
「……千早ちゃん、勝負しようか?」
「勝負?」
「うん。負けた方がお仕置きされるの。そういう遊び、前にやってたでしょう?」
前にやった時は千早が千歳を負かそうと躍起になって、
けれど、チェスもポーカーもダーツも千早が勝つことは無かった。
そんな日々を懐かしく思い出す。
千早は笑った。
「そんな……勝負などしなくても貴方は……」
「逃げるの?」
「……は?」
一瞬笑顔が硬直した千早。
“怒らせた!?”と、千歳の心拍数が一気に上がったけれど、すぐに優しい笑顔に戻った。
「珍しいですね、兄様がオレを挑発してくるだなんて……。
今日は厳しくお仕置きされたい気分ですか?」
「ち、千早ちゃんが勝つ前提で、話を進めないでほしいよ……」
「怯えてますよ?ごめんなさいは?」
「……君が、勝ったらね」
「……いいでしょう」
どうにかここまでは気合で強気に出た千歳。
千早は余裕で笑みを浮かべて、足を組んでいる。
「それで、何の勝負で負けたいのですか?」
「トランプ。神経衰弱で千早ちゃんに勝ちたい」
「今日の貴方は強情で……泣かせがいがありそうです」
不敵な笑みを浮かべる千早と、冷静顔を保つので精一杯の千歳。
そんな二人がベッドの上に移動して、神経衰弱勝負を始める。
結果。
「嘘……」
呆然と呟く千歳の前には山盛りのトランプ。
向かいに座る千早の持っている物よりも多い。
「勝っちゃった……」
「そんな、はずが……」
千早もまた呆然と言う。
けれど現に、千歳は勝ったのだ。勝ったという事は……
「千早ちゃん……僕の勝ちだよね?」
「!!」
「て、事は……千早ちゃんが僕にお仕置きされるんだよね?」
「兄様……お戯れを……!!」
微かに弱腰になった千早に、千歳はトランプを踏み超えてぐっと近づく。
手を取ると、千早は気まずそうに顔を逸らすので、余計勢いづいて畳み掛けるように言った。
「千早ちゃん……逃げないよね?千早ちゃんは僕の頼もしいご主人様だもんね?
僕にお尻を叩かれる事なんて、怖くないもんね?」
「もちろんですとも……!!」
「だったら……僕が勝った、ご褒美をちょうだいよ……お尻、出して」
「くっ……!!」
千早は本当に悔しそうだったけれど、後ろを向いて四つん這いになる。
ズボンや下着を下ろされながら、恥ずかしそうに千歳に声をかけた。
「あの、兄様、あまり調子に乗ると、今後のお仕置きに響きますから……」
バシィッ!!
「うぁああっ!!?」
「よくこの状況でそんなセリフが吐けるね?」
そんな千早のお尻に、さっそくヘラ鞭で一発叩きこんでいる千歳の様子は
何だか自信に満ち溢れていた。千早が驚くほど。
「に、兄様……?」
「千早ちゃん……すっかり生意気になっちゃって……僕悲しいなぁ……」
「あ……う……」
「たくさんお仕置きして、せめて今だけは、可愛い千早ちゃんに戻ってもらわないと……ね?」
ビシッ!バシィッ!!バシッ!
「あぁぁっ!うっ、あぁっ!」
最近の気弱な様子からは想像もできないくらいに、千歳は激しく千早のお尻を叩いてくる。
止めたい千早が必死で声を出すけれど
「兄様ぁっ、はしゃぐと、っあ、後が……うぅっ、怖いですよ!!」
「千早ちゃん何か忘れてない?」
バシンッ!!
「はぁんっ!!」
悲鳴交じりでは、千歳を脅す事もできなくて。
余計にバシバシお尻を叩かれてしまう。
かつてのおっとりしつつも堂々とした立ち振る舞いで、千歳が言う。
「少し前までは、君がこうやって可愛い声で鳴くのが当たり前だったんだよ?
最初から自分に力があったなんて、思い違いはダメだよ。めっ。
思い出して。こうやってよく、僕にお尻を叩かれて泣いてたよね?」
「そんなのっ……今は……ひぁああっ!!」
「忘れちゃったなら思い出すまでお仕置きしよっか」
バシィッ!ビシッ!ビシッ!!
「あぁっ!やめてください!兄様!痛い!覚えてますからぁっ!」
千早が喚くと、千歳は嬉しそうに笑う。
「ふふっ、覚えてるよね?懐かしいよね?嬉しいよね?」
「うぅう嬉しくなんかっ……!!」
ビシィッ!バシィッ!バシッ!!
「ふぁああっ!やぁぁっ!」
「喜んでたよぉ。怖がってたかもしれないけど、それと同じくらい……
ほら、僕の愛情感じるんでしょ!?」
バシィッ!!
「やぁあああっ!」
また一つ、強く叩かれて千早は悲鳴を上げる。
嬉々とした千歳に叩かれて、お尻が真っ赤になっていた。
「ああっ、痛い!兄様もうやめて下さい!!」
「ヤダよ。千早ちゃんが泣くまでお仕置き」
「ひっ、うあぁっ、泣く、なんて……!」
「泣くよ。君をどうすればどうなるか、僕は知ってるもの。思いっきり泣かせてあげる」
キッパリとそう言われてしまって、すでに泣きそうになっている千早の、
痛みと共に強くなっていた恐怖心が限界を超える。
強気な態度を手放して、千歳に懇願してしまった。
「やっ……やだ!怖い、です!!許してぇ……うぅっ、兄様ぁ……!!」
「あら、やっと千早ちゃんらしくなってきたね。
でもダーメ。泣いて謝るまで……ううん、泣いて謝っても、許さないんだから」
バシィッ!!
「うわぁあああん!兄様ごめんなさぁぁぁい!!」
宣言通り千早は泣き出したけれど、千歳は叩く手を強める。
容赦なく、千早の赤くなっているお尻に鞭を何度も叩きつけた。
ビシッ!バシィッ!バシッ!ビシッ!
「弟の癖に、よくも散々僕を辱めてくれたね!悪い子の身の程知らず!!」
「あぁああっ!ごめんなさぁい!兄様っ、あ、わぁああああん!」
「いくら可愛い千早ちゃんでも、限度ってものがあるからね!?
ごめんなさいは!?その程度でいいと思ってるの!?」
「ごめんなさい!やめてぇっ!やめてください!うわぁああああん!」
バシンッ!ビシィッ!バシッ!バシッ!!
「わぁぁああああん!!痛いぃっ!やだぁぁああっ!」
「ふふっ、可愛いよ……それでもね、君の事大好き……千早ちゃん!!
いっぱい、お尻、いじめてあげる!!」
「あぁああああん兄様ぁぁぁああっ!!やぁああああっ!!」
タガが外れたかのような千歳が、大泣きしている千早のお尻を叩きまくって、
そのうち千早の上半身が突っ伏す様に崩れ落ちてもまだ叩いて……
バシィッ!ビシィッ!バシッ!ビシンッ!!
「はぁっ、あぁあああん!兄様ぁぁっ、ごめんなさぁぁぁい!うあぁあああん!」
「千早ちゃんは、やっぱりそうしてるのが一番可愛い……」
頭をクラクラさせながら、やっと手を止める。
そして、泣いている千早を抱きしめて撫でる千歳。
「ふぇぇぇっ、うわぁぁん!ぐすっ、ひっく……!!」
「よしよし千早ちゃん……もう終わったから、泣かないの。(はースッキリしたぁ!!)」
千歳は千早をきっちりお仕置きできてご満悦だった。
珍しくはしゃいで明るい調子で言う。
「ふふっ、今日の占い一位だったんだ!
“大逆転できる日!無理だと思う事にも大胆にチャレンジして!”って言ってた!
たまには信じてみるのもいいね!」
「うぅっ……兄様ぁ……!!」
気づけば、泣いていた千早が幾分か冷静になっていた。
「でしたら……オレも一位ですし大逆転できるって事ですよね?」
「えっ……あ……!!」
千歳と千早は双子なので誕生日は同じ。当然、星座も同じ。
「愛しい兄様……どうか、もう一勝負……」
千早は甘えるようにそう言って
「今度は、腕相撲で」
にっこりと笑った。

千歳が負けたのは言うまでもない。




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【作品番号】BSF4

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