モドル



恥辱の和服メイド―I・R・U―

滞在●日目

「イル君聞いてくれ……俺、ホームシックにかかってしまったみたいなんだ……」
部屋にコーヒーを運んできてくれたイル君に、大げさに頭を抱えながら言ってみた。
「本当ですか!?」
珍しく、驚き気味な大声を出したイル君。
「だったら、今すぐお帰りくださいませご主人様!!」
嬉しそうに言うな。
後悔させてやるこのメガネ野郎。
「そんな冷たい事言わないで、俺のホームシックを和らげる方法に協力しておくれよ」
「……どのような方法ですか?」
あからさまにテンション下がっている彼を気にせず俺は言う。
「あのね、うちの屋敷にはメイドがたくさんいたんだ。俺はきっとそのメイド達が恋しくなったんだよ」
「はぁ……」
「そこでだ!!イル君がメイドになって俺を慰めてほしんだ!!」
もちろんこれは、メイド服をイル君に着て欲しいがための口実だ。
本当に俺の屋敷にはメイドしかいなかったけれど、俺が奴らを恋しがるなんて有り得ない。
俺はメイドが嫌いだ。けれど……イル君が可愛いメイドさんになってくれるなら話は別!!
この日のために用意しておいたメイド服をいざ、彼に見せるぜ!!
俺はイル君の返事も聞かず、洋服ダンスからメイド服を引っ張り出して彼の方へ広げる。
「どうだい?この和服とメイド服のコラボレーション!!君に似合うと思うんだけど!!」
「…………」
「うさぎさん模様と、カチューシャから垂れ下がったうさみみがキュートだろ!?」
「…………」
「赤や黒と迷ったんだけど、やっぱり春らしくピンクかなって!!」
「…………」
「さぁ着てみてくれないか!!」
「…………」
何か言えば言うほど、無表情でもハッキリと分かるほどにイル君はドン引いていく。
でも俺は負けない!!
「イル君、背も高いし似合うと思うよ!見たいなーイル君のメイド服姿見たいなー!
そうしたらホームシックも吹っ飛ぶなー!」
「それは命令ですか?」
「もちろん」
俺がしれっと権力を行使すると、イル君はふっと短いため息をついた後頭を下げた。
「かしこまりました。ご主人様」
「あ、ここで着替えてね」
イル君のドン引き具合がまた一つ上がった気がした。


こうしてイル君は和服メイドへと変貌を遂げて……すごくイイ!!
「素晴らしいよ!可愛い!一家に一人欲しいね!」
「そうですか……」
イル君は少々複雑なそうな表情をして立っている。
短めのスカートを時々気にするような仕草がまたグッとくるね……でも!!
せっかくメイドさんになってもらったんだから色々動いてもらいたい!
そう、例えば……
「思い出した!そういえば俺、ベッドの下に大切なブローチを落としてしまってね!
探したんだけど見つからないから、イル君ちょっと探してみてくれない?」
「分かりました……今すぐ人を呼んでベッドを動かし」
「ちょいちょいちょいちょい!!やめてよ!イル君に見つけてほしいんだ!
ほら!下の隙間に手を突っ込めば探せるでしょう!?」
「しかし、ベッドを動かした方が早」
「黙らっしゃい!!さっさと言うとおりにするんだ!!」
「分かりました……」
イル君は納得いかない様子ながらも、ベッドの方へ行って跪き、
下の隙間に手を差し入れて探っている。
「きっと、もっと奥の方だよ」
俺はもちろんイル君を背後から観察する。
腕をめいいっぱい奥へ差し入れるイル君は
猫が伸びをするような体勢になって、自然とお尻が突出して……
“あぁ、もっとスカートがせり上がってくれないかな?”なんて、もどかしく待っている必要は俺にはない!!
そうこの空間のすべての権限は俺にあるのだから!!
俺は屈んで、一生懸命なイル君のお尻に引っかかっているスカートを捲り上げる。
「ご主人様……!?」
「もっとよく探して」
何か言いたそうなイル君に命令だけ被せてさらに下着も下ろす。
だってしょうがないじゃないか。
この下着メイド服に全然合ってないんだよ!!くっそ!下着もちゃんと用意してあげればよかった!!
いや、待て!!この“ノーパンメイド喫茶”に来たような感覚もいいかも!
「やめてください……!」
イル君の震える声。
普段冷静な彼のこんな声を出すなんて……
俺はドキドキして、でもまたその言葉を無視して声をかける。
「見つかった?」
「み、見つかりません……ここには無いのでは?」
「いや絶対ここなんだよ!よく探して!んで、足あげて!」
「貴方は何を……」
言いながらも、おずおずと片足を上げてくれるイル君は良い子過ぎるね。
片足から下着を抜いて、「今度はこっち」と反対側の足をポンッと叩くと
言うとおりにしてくれたので、無事に下着を除外する事が出来た。
目の前の裸のお尻はなんて魅惑的だろう……!!
「ご主人様……何も無いです。何も、見つからない……もういいですか?」
イル君の声はほんのり必死だった。
お尻を晒したまま探し物をするのは嫌だったのだろう。
けど……何でここで止めなきゃいけないんですかね?この遊びの真骨頂はこれからっしょ?
「絶っっ対、ここなんだよ!!見つけられないの!?」
俺は半怒鳴りで言う。もちろん怒ってなんかない。
「本当に何もないです……」
イル君の声は一気にしょぼくれる。叱られたと思ったのか、途方に暮れてるのか、
分からないけど、どうでもいい。
だって俺がやりたいのはこういう事だ。
「ご主人様の探し物一つできないなんて悪い子だ!」
バシッ!
強くお尻を叩くと声を詰まらせるみたいな悲鳴が聞こえる。
俺は楽しくなって、続けてバシバシとお尻を打ちながら言った。
「見つかるまで、このままお仕置きだからね!?」
「そんな……だって、ここには何も……!」
「俺があるって言ってんだよ!さっさと探しなさい!」
ビシッ!バシッ!ビシッ!
「うっ!……うぅっ……!」
堪えたのが漏れているみたいな、くぐもった呻き声を上げながら
イル君は必死に手を動かす。それといっしょにお尻も揺れて、俺が叩くと大きく揺れていた。
その姿がたまらなく可愛い!なんて健気なメイドさんなんだ!俺のイル君!
顔が見えない事だけが残念でならないよ!!
だから、確実に君の表情が分かるように……大声で泣かせてあげよう!!
そう思って俺はさらにイル君のお尻を打っていく。
バシッ!ビシッ!ビシッ!
「んっ、くっ!」
ビシッ!バシッ!ビシッ!
「ひっ!っ、あぁ!!」
お尻に赤みが増すごとに、だんだん声が大きくなって呼吸も荒くなってくる。
痛みからか探す以外のモゾモゾした動きも加わってきて、
しまいには耐えられなくなったのかこんな事を叫びだした。
「ご、ご主人様……この場所じゃ、ないのかも!ベッドは大きいし
わっ、私の、手が伸ばせる範囲にも限界があります!んっ、別の位置に、移動して探してみましょう!」
一瞬でも、俺の手が止まればと……そう思うのかいイル君?
小 賢 し い !!
俺がこの状況を簡単に手放すわけがないだろ!と、いうわけでこう答える。
「違うよ!絶対にここなんだ!ここ以外有り得ないんだよ!どうして真面目に探してくれないの!?」
「ほ、本当に何も……!」
「手を抜こうったってそうはいかないからね!?」
バシィッ!バシンッ!
「んぁああっ!い、いやっ……!!」
余計に強く叩いてやると甲高い悲鳴が聞こえる。
「いいね。その声可愛いよ。女の子みたい」
「無いんです……本当に、ここには、何も……無い……!!」
「ねぇ早く見つけてよ。でないとず〜〜っとお仕置きだよ?」
ビシッ!
「やっ!だ、だって、だって……何も、無いのに……」
イル君はだんだん涙声になって、必死に手を動かす。
途方もない作業をさせられている絶望感やら、もしかしてあるのかな?って感じの困惑が伝わってくる。
泣きたくなる気持ちも分かるよ。お尻も真っ赤だし。痛いだろうし。
でも叩きますけどね!
ビシッ!ビシッ!バシンッ!
「うぁあっ!ご主人様、無い……無いんです!本当に、見つけられない……!」
「何だよー……イル君は優秀だって聞いてたのに!」
バシッ!と、強く“怒ってるぞ!”という感じで叩く。
何度も言うけど怒ってはいない。いないけど、イル君の混乱は最高潮らしい。
「ご、ごめんなさい!!私には、もう無理です!どうしていいか……!」
可愛いな。真っ赤なお尻で泣きそうになってる健気なメイドさん。
気の毒だけど、もっといじめてくなってしまったんだ。
あぁそういやまだ泣かせてないし。
俺はイル君のお尻に思いっきり平手を叩きつける。
ビシィッ!!
「うぁああっ!」
「探せよ」
バシッ!ビシッ!バシィンッ!
「んぁあ!お許しください!やっ……あぁああっ!」
「適当に探してるから見つからないんだよ!もっと気合い入れて探せって!」
言いながら、何回も、強く、我ながら無茶苦茶にお尻を叩く。
バシンッ!ビシッ!ビシィッ!ビシッ!バシンッ!
すでに半泣きだったイル君はこの追撃で一気に泣き出してしまった。
「うわぁああああっ!無理ですごめんなさい!もう探せないです私っ……うぁああああん!」
「こら!何諦めてるんだよ!探せって!ご主人様の命令だぞ!?」
「あぁ!お許しください!無いんです!だってここには何も無いぃぃぃっ!!」
普段、控えめなイル君が有り得ないくらい喚き散らして泣いている……そんな姿に胸がときめく。
やっぱり可愛いぜ……!
「やぁぁああああっ!ご主人様ぁぁぁっ!」
でも、さすがにこれ以上は可哀想かもな。許してやるか。
「本当に、絶対にここには無いんだな!?」
「無いです!本当にないですぅぅぅぅっ!!」
泣いているイル君の真っ赤なお尻をさらに叩いて泣かせつつ、俺は最後の罠を張る。
「もしあったら、俺の言う事なんでも聞くんだな!?」
「うぁああああん!聞きます!聞きますからぁぁぁ!!」
「ふぅん……そこまで言うなら、許してあげよう」
俺が手を止めると、イル君は大きく息を吸い込んですすり泣いていた。
「うぅっ……ひっく……」
「さぁイル君、こっちを見てごらん?」
わずかな休憩タイムすら奪って、そろそろとイル君がへたり込んだまま体を俺の方へ向ける。
改めて見る、イル君の泣き濡れた顔は何とも言えず妖艶だ。
俺は、胸ポケットから取り出した物を俺とイル君の間に放り投げた。
「ほら、あった」
コンッ、と軽い音を立てて跳ねた『ブローチ』をイル君が目を見開いて呆然と見つめる。
覚悟してた抗議の声は聞こえてこない。むしろ、それを見て彼はまた泣きそうになっている。
「何でもいう事聞くんだったよね?」
「……っ、ふっ……くっ……!!」
俺の声で完全にボロボロと涙を流し始めてしまった。
そんなイル君に俺は優しく言う。
「大丈夫だよ。もう痛い事はしないよ?俺の命令ってのは、
今日はその恰好のまま一緒にいて欲しいってだけだよ!ね?泣くほどの事じゃないでしょ?」
イル君は泣きながら首を縦に振った。
そして俺はおもむろに立ち上がってズボンもパンツも脱いだ。
「いっぱい泣いたし喉渇いたよね〜イル君?今お茶の時間だし、ほら」
ポカーンとしているイル君に一歩近づいた。
慌てて口を引き結んだイル君に俺はもう一度繰り返す。

「何でもいう事聞くんだったよね?」

ここでの生活は最高で、ホームシックにかかるわけがなかった。





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